ChatGPT(チャットGPT/チャットジーピーティー)は、自然言語処理の技術を用いて、人間と会話ができるシステムです。しかし、常に正しい回答を返すわけではありません。学習したデータや文脈に基づいて、自動的に文章を生成するため、ハルシネーションと呼ばれる現象が発生することがあります。この場合、適切な条件や制約を付与することで、こうした問題を解決しつつ、より高度な応答を生成できるよう工夫が必要となるでしょう。この記事では、ChatGPTの使い方のコツを10個紹介します。単体でも便利ですが、組み合わせることで、より高度な応答を生成できるため、ぜひ試してください。ChatGPTの基本ChatGPTの基本を簡単におさらいするため、下記の2つにわけて簡単に解説します。使い方できること使い方ChatGPTの使い方は、下記のとおりです。ChatGPTのサイトにアクセスするTryChatGPTを選ぶLog inを選んで登録したアカウントでログインするチャットウィンドウが表示されるため、メッセージを入力するChatGPTからの返答を待つ面倒なのはアカウントの作成だけで、実際に登録してしまえばすぐに使いはじめられます。また、アカウントがなくてもGPTの技術を用いたツールなら、すぐに使えるものがあるので試してみるとよいでしょう。できることChatGPTができることの例は、下記が挙げられます。日常会話プログラミング表作成エクセル関数の作成調べ物テキスト翻訳要約炎上リスクの判断例文作成アイデアAPI連携資料作り小説の執筆ブログ記事の執筆これらはアイデア次第で拡張できるため、基本として覚えておくとよいでしょう。【関連記事】【2023年最新】Google Bard日本語版の使い方と注意点を紹介!ChatGPTのできること・できないことは?ビジネス利用の実例も紹介ChatGPTの使い方で知りたい10のコツChatGPTの使い方で知りたい10のコツは、以下のとおりです。要件ごとにチャットを変えるナレッジ(情報)を追加する立場を指定する文脈と意図を伝える条件や制約を付与する逆に質問させる長文は分割する専門用語・略語は使わないプラグインを使うプロンプトエンジニアリングを行う要件ごとにチャットを変えるChatGPTでは、要件ごとにルーム(チャットログ)を変えておくことが大切です。これにより、特定のタスクを依頼でき、情報過多になることを防いで精度を高められるためです。例えば、執筆用なら専用のチャットを作る、会話用のものは別途で用意するといったような形です。他にも、構成案であったり、テーブル用であったり、アイデア用だったりすることもあるはずです。余計なプロンプトが複雑に入力された状態では精度が低下するため、可能な範囲でチャットは切り替えておきましょう。英語で入力するChatGPTは、多言語に対応していますが、英語で入力すると、より精度の高い返答が得られる可能性があります。ChatGPTは、英語以外の言語でも理解しようとしますが、実際にはあまり精度が高くならないケースが多いです。特に、文法や単語の使い方が複雑な場合や、文脈やニュアンスが重要な場合は、英語で入力する方がよいでしょう。もちろん、英語でも完璧ではありませんが、ChatGPTは英語に最適化されているため、より自然で正確な会話が期待できます。丁寧語でも意外に精度UPChatGPTは、丁寧語を使って入力すると、意外にも精度が上がることがあります。ChatGPTは、ユーザーの入力のトーンや言い回しに合わせて、返答のトーンや言い回しも変えます。しかし、丁寧語を使って入力すると不思議なことに、より信頼できる情報や詳細な説明を提供することがあります。もちろん、丁寧語を使わなくても、ChatGPTはユーザーに対して敬意を持って会話しますが、丁寧語を使うことで、よりよい印象を与えられるかもしれません。ナレッジ(情報)を追加するナレッジとは、ChatGPTに対話の背景や事実を教えることです。ナレッジを追加すると、ChatGPTはより自然で適切な返答ができます。ナレッジは、プロンプトに「knowledge: 」で指定するか、事前に伝えたい内容を送っておきます。これにより、そこから生成される情報は送ったナレッジを参照して行われ、より想定している内容に近くなるでしょう。ただし、ナレッジに偏ることがあるため注意してください。立場を指定する立場とは、ChatGPTに対話の目的や役割を教えることです。立場を指定すると、ChatGPTはより適切なトーンや言葉遣いで返答ができます。立場は、対話の最初に「role: 」タグで指定するか、対話中に「あなたは〇〇です」というキーワードで指定します。これにより、特定の立場に立った意見を求められ、より求める回答に近くなるでしょう。文脈と意図を伝える対話の状況や目的をChatGPTに教えるために、文脈と意図を伝えます。文脈には、対話が行われる場所、時間、状況、前後関係などが含まれます。例えば、意図には、対話者が何を伝えたいのか、どのような問題を抱えているのか、どのような情報を得たいのかなどが含まれます。商品に関する問い合わせであれば、商品名や型番などの詳細情報を提供することが求められるでしょう。適切な文脈と意図が伝達されれば、ChatGPTはより高度な応答を生成できます。条件や制約を付与する条件や制約とは、ChatGPTに対話の範囲やルールを教えることです。条件や制約を付与すると、ChatGPTはより適切な範囲やルールに沿った返答ができます。例えば、「制約条件: 」といった詳しく作るパターンや、「文字数は〇〇まで」といったようなイメージです。これにより、一定の制限におかれた状況で必要な文章を得られるでしょう。逆に質問させるChatGPTに対し、ユーザーに逆に質問をさせることで、会話をより自然に続けられます。逆に質問をさせるというのは、ユーザーの入力に対して、関連する話題や興味を引く内容を問いかけることです。例えば、ユーザーが「好きな映画は何ですか?」と聞いたら、「私は〇〇が好きです。あなたはどのようなジャンルの映画が好きですか?」と返すような感じです。単純な会話に使えるだけでなく、アイデアや情報を引っ張りだすときにも便利です。長文は分割するChatGPTは、長文の入力に対しても返答を生成できますが、その場合、返答も長くなりがちです。できれば端的に質問し、それぞれの回答で得たものを組み合わせるほうがよいでしょう。これにより、情報の粒度がさらに細かくなるため、これまでに得られなかったことまで含まれる場合もあります。また、入力できる情報量が増えることで、稀に正しく文脈を理解できずにエラーとなったり、回答がおかしくなったりすることもあります。長文を送るより、できるだけ簡潔かつ明確にすることが大切です。専門用語・略語は使わないChatGPTは、一般的な言葉や表現に対しては高い理解力を持っていますが、専門用語や略語に対しては弱いです。ChatGPTは、インターネット上の大量のテキストデータから学習しています。そのため、インターネット上でよく使われる言葉や表現に対しては、適切な応答を生成できます。しかし、専門分野や特定のコミュニティでしか使われない言葉や表現に対しては、正しい意味や文脈を把握できないことがあります。その結果、不自然な会話や意味不明な回答を生成することがあります。例えば、「AI」という言葉は、一般的に「人工知能」の略語として広く使われていますが、下記も略せばAIになるはずです。"Academic Institution"(学術機関)"Aeronautical Information"(航空情報)"Aviation Industry"(航空産業)"Audio Interface"(オーディオインターフェース)"Application Integration"(アプリケーション統合)これはあくまでも例ですが、「AI」という言葉がどの意味で使われているかを判断できない場合があります。そのため、「AIについて教えて」という質問に対して、「人工知能について教えて」という意味であると仮定して回答することもあれば、「学術機関」という意味であると仮定して回答することもあります。このように、専門用語や略語を使うと、ChatGPTとの会話が混乱する可能性があります。プラグインを使うChatGPTは、さまざまなプラグインを使うことで、会話の幅や質を向上させられます。プラグインとは、ChatGPTに追加機能を提供するツールのことです。現在は有料プランのユーザーに限られているものの、画像を生成したり、翻訳したり、SEOのコンテンツを作ったりするなど、特定の機能に特化させられます。うまく活用できれば、より精度の高い回答を得られるでしょう。詳しくは、下記ページもご覧ください。【関連記事】【一覧あり】ChatGPTのプラグインとは?使い方やおすすめを解説プロンプトエンジニアリングを行うChatGPTは、プロンプトエンジニアリングという手法を使うことで、会話の目的や方向性をコントロールできます。プロンプトエンジニアリングとは、ChatGPTに与える入力文や出力文に工夫を加えることで、ChatGPTの振る舞いや回答を誘導する手法のことです。例えば、「Q:」や「A:」という記号を使って、質問と回答の形式を明示することで、質問と回答を生成できます。現在では多くのプロンプトが扱われており、人の数だけ工夫が凝らされている領域です。ただ、一定の方法があるため、詳しくは下記のページもご覧ください。【関連記事】ChatGPTのプロンプトエンジニアリングの例|簡単に使えるテクニックも解説ChatGPTの活用事例ChatGPTは、プロンプトだけでなく、調整次第では多くのものに利用できます。その代表例は、下記のとおりです。マニュアル自動作成リファレンスチェック非上場企業の事業内容を要約SaaS連携データベースから生成動画の要約文の自動生成と記事化社内ドキュメント検索LINE公式アカウント社内向けAIインサイドセールス自動化の実現AI健康アシスタント相談相手金融投資【関連記事】ChatGPTの活用事例12選|何に使えるのか一挙まとめまた、他にも面白い使い方をしている人もいるほどです。アイデア次第では、多くの分野に役立つでしょう。しりとり宿題の自動化スプレッドシートの自動化icsメーカー人生相談SNSの炎上対策Twitterのようなサイトを作成コミコパリバーシスーツケースMinecraftAR(Augmented Reality)EMARFBubbles完全体AIスタックチャン【関連記事】【厳選】Twitterで話題になったChatGPTの面白い使い方15選ChatGPTは正しい回答を得るものではないChatGPTは常に正しい回答を返すわけではありません。学習したデータや文脈に基づいて、自動的に文章を生成しますが、その過程でハルシネーションと呼ばれる現象が発生することがあるためです。ハルシネーションとは、ChatGPTが生成した文章に、存在しない事実や根拠のない主張が含まれることです。例えば、ChatGPTが「私は東京に住んでいます」と言ったとします。しかし、実際に住んでいる場所はありません。あくまで簡単な例ですが、こうした知識を伝えるときに、ハルシネーションが発生する可能性があります。学習したデータから適切な回答を生成しようとしたが上手くいかなかった場合など、実際には存在しない情報をその結果として提示し、ハルシネーションを起こすリスクにだけは注意しましょう。まとめ今回紹介した使い方のコツは、いずれも簡単に使えるものばかりを厳選しているため、すぐに実用的なプロンプトを作れるはずです。しかし、常に正しい回答を返すわけではありません。学習したデータや文脈に基づいて、自動的に文章を生成するため、ハルシネーションと呼ばれる現象が発生することがあります。生成した文章は、必ず人間の目で確認することを忘れないようにしましょう。