この記事に関連するお役立ち資料

AIを活用した業務自動化 事例BOOK
無料ダウンロード
「エンジニア組織をどう設計すれば良いのか」「どのような組織図が理想的なのか」など、エンジニア組織の在り方について悩んでいませんか?
組織の規模が大きくなり、関係会社との連携が増え、社内体制を整えるほどの組織作りに力を入れると、その複雑さに頭を悩ませてしまうものです。
この記事では、強いエンジニア組織の作り方、理想的な組織図の例、組織を設計する際のマネジメントのポイント、そして組織を形成する上での課題について解説します。さらに、エンジニア組織が崩壊するきっかけや、KPIの重要性についても触れるため、ぜひ参考にしてください。


強いエンジニア組織を作るためには、組織全体の設計と運営、人間関係の円滑化が大切です。そのためにも、組織全体を見渡す視点が求められます。個々のメンバーの能力だけでなく、そのメンバーがどのように協力し、一体となって動くかが大きく影響するからです。
このことから、少なくとも以下の4つは組織づくりで必要となるでしょう。
ビジョンの明確化
組織図の設計
評価指標のKPI設定
人間関係の円滑化
まず、組織全体のビジョンを明確に設定します。
組織の目指すべき方向性を示し、メンバー全員が共通の目標に向かって進むために不可欠だからです。そして、ビジョンが明確であればあるほど、メンバーは自分の役割と責任を理解しやすくなり、自発的に行動しやすい環境となります。
次に、エンジニアの組織図を設計します。
組織図は、組織内の役割分担、ひいては情報の流れを明確にするためのものです。組織図が明確であれば、誰が何を担当しているのか、どのように連携すべきなのかが一目でわかります。
結果として、無駄な摩擦を減らし、円滑なコミュニケーションを実現できるでしょう。
さらに、組織のパフォーマンスを測るためのKPIを設定します。以下はジャストアイデアですが、実際にいくつかは指標として使えるはずです。
KPI名 | 説明 |
|---|---|
バグ発生率 | リリース後の製品で発生するバグ数 |
コードレビュー時間 | Pull Requestがマージされるまでの平均時間 |
スプリント達成率 | 設定されたスプリントの目標に対する達成率 |
オンタイムデリバリーレート | 期限内に完了したプロジェクトの割合 |
技術的負債の削減率 | 定期的な評価を通じて測定される技術的負債の削減率 |
研修参加率 | エンジニアが参加する研修やセミナーの割合 |
チーム満足度 | 定期的なアンケートやフィードバックを通じて測定 |
クロス機能的コラボレーション | 異なるチーム間での共同作業の成功事例 |
コミット頻度 | エンジニアがコードベースにコミットする頻度 |
自動化率 | 自動化されたテストやデプロイの割合 |
KPIは、組織が目指すべき成果を数値化し、組織の進捗状況を客観的に把握できる指標が好ましいです。KPIが設定されていれば、メンバーは自分たちの成果がどの程度組織の目標達成に貢献しているのかを明確に理解できます。
ここまで細かく決めたとしても、エンジニア組織は強くなりません。組織は人間が構成するものであり、人間関係の円滑化も欠かせないからです。
メンバー間の信頼関係を築き、互いに協力し合うことで、個々の能力を最大限に発揮できます。もちろん、それぞれが業務委託で独立することもあるでしょう。
しかし、コミュニティを形成するといった方法で、組織内のコミュニケーションを促進し、オープンな意見交換を推奨する風土を作ることが求められます。


理想的なエンジニア組織図の例は、以下のとおりです。なお、一般的なプロジェクトに類するものであり、実際にはよりパーソナライズされた組織図の作成をおすすめします。
統括ポジションを担うCTOの設置
プロジェクトや職能ごとに細分化されたチーム編成
エンジニア組織の組織図を設計する際、最初に考慮すべきは統括ポジションの設置です。その中でも特に重要な役割を果たすのがCTO(Chief Technology Officer、最高技術責任者)です。
CTOは組織の技術戦略を立案し、その実行を監督する役割を担います。また、組織内の技術的課題を解決するためのビジョンを示し、その実現に向けたロードマップの作成も1つの業務です。
理想的なエンジニア組織では、CTOの下に約5名~8名のメンバーを配置します。また、一人のCTOがすべての業務を担当するのではなく、各メンバーがそれぞれの専門領域を担当することで、組織全体の業務負荷を軽減し、より効率的な運営を可能にするのです。
このCTOの設置は、エンジニア組織の組織図を設計する上での第一歩であり、組織の崩壊を防ぐためにも役立ちます。また、CTOは組織のKPIを設定し、それを達成するための戦略を立案することもあるため、組織の成長とともにその重要性は増すものだと考えてください。
次に、エンジニア組織の組織図を設計する上で大切なのが、プロジェクトや職能ごとに細分化されたチームの編成を行うことです。各プロジェクトや職能ごとに専門性を持つメンバーが集まり、より効率的に業務を進めることを目指します。
この場合、エンジニア、デザイナー、プランナーなど、様々な職能を持つメンバーを各プロジェクトにアサインします。なお、プロジェクトごとに必要なスキルセットを持つメンバーを集めるため、プロジェクトごとで異なることには留意してください。
例として、ダミーのチームのメンバーを作成してみました。各チームは、特定のプロジェクトや職能に特化し、全体的な目標達成に向けて協力して働くとします。そして、この組織構造は、専門性を活かし、効率的かつ効果的に業務を進めることを目的として動く想定です。
チーム名 | 役割 | 主な技術スタック | チームリーダー | 主な責任 |
|---|---|---|---|---|
フロントエンドチーム | ユーザーインターフェースの開発 | React, TypeScript | 山田 太郎 | UI/UXの設計と実装 |
バックエンドチーム | サーバーサイドロジックの開発 | Node.js, Python | 佐藤 次郎 | APIの開発、データ管理 |
データサイエンスチーム | データ分析と機械学習モデルの開発 | Python, R | 田中 一郎 | データ分析、モデルの構築と評価 |
インフラチーム | システムの基盤とセキュリティの管理 | AWS, Docker | 伊藤 四郎 | クラウド管理、セキュリティ対策 |
品質保証チーム | ソフトウェアのテストと品質管理 | Selenium, JUnit | 鈴木 五郎 | 自動テスト、バグトラッキング |
プロダクトマネジメントチーム | プロダクトの戦略と運営管理 | - | 川田 六郎 | ロードマップ、ステークホルダー管理 |
また、このようなチーム編成は、メンバー間のコミュニケーションを促進し、より良い製品やサービスの開発につながる利点もあります。それぞれの職能が持つ視点や知識を共有することで、より多角的な視点から問題を捉え、解決策を見つけることも可能でしょう。

エンジニア組織を設計する5つのマネジメントは、以下のとおりです。
コミュニケーションの場を設ける
人材育成・後進の育成
エンジニアのキャリアパスを示す
組織文化を形成する
社内文化を育む
エンジニア組織において、コミュニケーションは極めて重要です。
情報の共有や意見の交換は、プロジェクトの進行や問題解決、新たなアイデアを生み出すなどの利点があります。また、メンバー間の情報格差をなくし、組織全体の進行状況を把握できます。
このことから、エンジニア組織では、1日や週単位での情報共有の場を設けましょう。
また、リーダーやマネージャーなどの役職者ミーティングや、部門ごとのミーティングなどを設けることで、組織全体の視点での情報共有や意見交換を促進できます。
組織全体での課題解決や方向性の確認、組織のビジョンや戦略の共有など、組織としての一体感を醸成する意識を持ちましょう。
エンジニア組織の強さは、そのメンバーのスキルや能力に大きく依存するものです。そのため、成長フェーズを整理し、段階的にエンジニアを導くことで人材を育てることも大切です。
エンジニアレベル | 目指すべきスキル |
|---|---|
初級エンジニア | 基本的なスキルや知識の習得 |
中級エンジニア | 専門的なスキルや知識の習得と実務経験の積み重ね |
上級エンジニア | リーダーシップやマネジメントスキルの習得 |
上記のように、各フェーズに応じた育成プログラムを設けると良いです。
また、CTO候補となるようなスキル・能力を発揮するメンバーについては、マネジメント層へ引き入れるための指導も欠かせません。組織のリーダーシップを担う次世代のリーダーを育成し、組織の持続的な成長と発展を支えましょう。
エンジニア組織を設計する上で重要なのが、エンジニアのキャリアパスを明確に示すことです。エンジニアは技術的なスキルを持つ一方で、そのスキルをどのように活用し、どのように成長していくかのビジョンが必要です。
そのため、組織としてはエンジニアのキャリアパスを示し、その達成に向けたサポート体制を整えることが求められます。例えば、定期的な1on1の面談を設けてキャリアの進行状況を確認したり、必要なスキルの習得を支援する教育プログラムを提供したりするなどが良いでしょう。
次に、エンジニア組織を作り上げるための組織文化の形成です。組織文化とは、組織内で共有される価値観や行動指針、判断基準のことを指します。
主に、組織の一員としての行動を規定し、組織の一体感を生み出します。組織文化が明確であればあるほど、メンバーは自身の行動を自己判断でき、組織全体としての方向性も保てるでしょう。
最後に、社内文化を育むことです。社内文化とは、組織内で共有される価値観や行動指針、判断基準のことを指します。
社内文化を育むためには、採用基準を明確に設定し、価値観や判断基準が似ている人材を採用することが大切です。また、入社後の教育も重要で、新入社員が組織の価値観を理解し、それに基づいて行動できるようにすることが求められます。
【関連記事】優秀なエンジニアは辞める傾向が強い?兆候を掴み離職を防ぐポイントとは

エンジニア組織を形成する上での課題には、以下の3つが挙げられるでしょう。
業界全体が人材不足で優秀な人材と巡り合うのが難しい
対立構造が生まれやすい
エンジニア評価のKPIを設定しにくい
まず、エンジニアという職種は、専門的な知識と技術を必要とするため、優秀な人材を見つけるのは簡単ではありません。また、組織に必要な人材は、ただ技術力があるだけでなく、チームで協働する能力や問題解決能力など、多岐にわたるスキルを持っていることも求められます。
人材不足とされる状況の中で、優秀なエンジニアを見つけ出し、組織に取り込むことは非常に難しいでしょう。しかし、この難題を乗り越えることが、強固なエンジニア組織を作るための第一歩とも言えます。
人材採用の視点を広げ、多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れること。この点を押さえれば、多様性を受け入れ、組織の可能性も広げられます。
エンジニア組織を形成する上でのもう1つの課題は、対立構造の発生です。エンジニア組織のリソースの配分については、組織内で意見が分かれるためです。
納期を急ぐクライアント
丁寧に製品を作りたい開発チーム
人件費を抑えたい経営者
十分なリソースを投入したい現場
このような条件では、しばしば対立が生じます。このような対立構造を解決するためには、組織のビジョンを明確にし、全員に共有することが大切です。また、各ステークホルダーの意見を尊重し、バランスの取れた意思決定を行うことも求められます。
エンジニアの評価指標、いわゆるKPIを設定するのは、一筋縄ではいきません。エンジニアの業務は多岐にわたり、その成果を数値化するのは困難です。
特定の言語をマスターする
タスクを指定回数消化する
資格を取得する
スケジュールを守る
など、個々のエンジニアの評価指標は存在します。しかし、組織全体のレベルで設定するのは、簡単ではありません。
しかし、KPIを設定することは、組織の目標達成に向けた進捗を測るためにも不可欠です。そのため、エンジニアの業務内容や成果を理解し、適切な評価指標を設定することが求められます。可能であれば、組織全体での議論や試行錯誤を繰り返しましょう。

強いエンジニア組織を構築するためには、明確なビジョンの設定、効果的な組織図の設計、適切なKPIの設定が不可欠です。また、組織内のコミュニケーションを活性化させることで、メンバー間の信頼を深め、協力し合う文化を育むことも忘れないようにしましょう。
また、人材不足の課題に直面している現状では、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、新たな視点やアイデアを組織に取り入れることも、競争力の源泉となります。
組織の強化は一朝一夕には達成できないため、持続的な努力と絶え間ない改善が求められます。今後も変化に適応し続けるために、このポイントを活かし続けてください。
エンジニア組織が崩壊する最大のきっかけは、人材の流出です。優秀なエンジニアが組織を離れていくことは、組織の技術力や生産性を大きく損なうだけでなく、組織のモラルや組織文化にも深刻な影響を及ぼします。
このような状況を防ぐためには、組織の課題を正確に把握し、それに対する改善行動を計画的に進めましょう。
エンジニア組織においてKPIは、事業運営を永続的なものにするために欠かせない要素です。KPIは、組織の目標達成度を数値化し、その達成状況を可視化することで、組織全体の方向性を明確にします。
結果として、メンバー1人ひとりが自分の役割や責任を明確に理解し、自身の業務を適切に進めることが可能です。なお、KPIを設定することで、優秀な人材が不満を抱えるのを防ぐこともできます。
この記事に関連するお役立ち資料を無料ダウンロード

AIを活用した業務自動化 事例BOOK
AI技術を活用した社内業務効率化の基本から、実際の導入ステップまでをわかりやすく解説しています。
下記フォームにご記入下さい。(30秒)
テックユニットは、下記のような方におすすめできるサービスです。
お気軽にご相談ください。
・開発リソースの確保に困っている方
・企業の新規事業ご担当者様
・保守運用を移管したい方
・開発の引き継ぎを依頼したい方


おすすめの記事
関連する記事はこちら
優秀なエンジニアの見極め方がわかる!採用面接で聞くべき質問例15選
優秀なエンジニアを見極めるのは、企業にとって大きな課題です。人材不足が深刻化する中、優秀な人材を見逃すわけにはいきません。優秀なエンジニアを見極めるのが難しい採用面接でどのような質問をすべきかわからない採用後のミスマッチを避けたいなどは、多...
エンジニア面接の技術質問で優秀なエンジニアを見極める方法
多くの企業が抱える課題の1つに、優秀なエンジニアの採用があります。優秀なエンジニアを見つけるのは簡単ではありません。履歴書やポートフォリオだけでは、実際の技術力や問題解決能力、コミュニケーション力などを把握するのは難しいのが現状です。そのた...
どちらが上?AWSとAzureの性能・特徴の違いを徹底比較
「AWSとAzureの性能はどちらが上なのか知りたい」とお考えではないでしょうか。クラウドサービスは、物理的なインフラを自社で設置・管理する必要がなくなり、導入コストや運用負担を削減できます。その一方で、どのクラウドサービスを選べばいいのか...
AWSのCDN「Amazon CloudFront」とは?メリットやユースケースを紹介
CDNとはどのようなものなのかAWSのCDNであるAmazon CloudFrontにはどのような特徴があるのかAmazon CloudFrontを利用するメリットは何かAmazon CloudFrontの利用方法は?このような疑問を持って...
開発生産性とは?高める理由や注意点、フレームワークを解説
開発現場では、生産性の向上が喫緊の課題となっている開発リソースの有効活用や、スピーディーな製品リリースが求められている開発コストの削減や、人材不足への対応も重要な課題とお悩みではないでしょうか。開発現場では、常に効率化を意識しながら、限られ...
エンハンス開発とは?仕事内容や業務を円滑に進めるためのポイントを解説
「エンハンス開発って何?」「仕事内容は?」「円滑に進めるためのポイントは?」と気になりお調べですね。また、エンハンス開発の概要や新規開発との違い、またその使い方については、なかなか明確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで、...
エンジニアの外注費の相場は?見極めるポイントと費用を抑える3つのコツ
「エンジニアの確保が追いついていない」「予算の制約に悩んでいる」というお悩みはありませんか?新しいプロジェクトが増加する一方で、社内のエンジニアの採用やトレーニングが追いついていない。そのギャップを埋めるために、外注を検討している企業も少な...
増加続く…派遣エンジニアの単価相場は?推移と過剰なコストを避ける方法
「予算内で最大限の成果を得たい」「過剰なコストを避けて利益を最大化したい」とお考えではないでしょうか。近年、IT業界では人材不足が深刻化しており、企業はエンジニアの確保に苦戦しています。一方で、エンジニアの単価は上昇傾向にあり、採用コストの...
給与以上の理由でエンジニアが辞める - 10の理由と改善ポイント
「優秀なエンジニアが次々と辞めていく」という悩みはありませんか?優秀なエンジニアの確保は、企業にとって大きな課題です。実際にエンジニアの離職は意外に多く、優秀な人材の確保と定着が難しくなっています。このエンジニアが辞める理由は給与以外にも様...
AWSのCloud9とは?できることやメリット・デメリットについて解説
開発環境としてのAWSのCloud9について、その魅力とともに注意点も含めて詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。AWSのCloud9は、低コストでチームで開発を行いたい、新規事業としてなるべく低予算で開発したいという場合に重宝...
業務システムとは?大別や種類、メリットとデメリットをプロが解説
企業の成長を支えるために、効率的な業務システムの導入を検討することはしばしばあります。しかし、どのように始めれば良いのか、どのシステムが最適なのか、悩むことも多いでしょう。また、業務システムの自作には多くのメリットがありますが、同時に注意す...
システム保守とは?業務内容やメリット・デメリット、費用相場まで解説
「システム保守運用の費用が高すぎるのでは?」と感じたことはありませんか?システムの安定運用は企業の業務効率やセキュリティに直結するため、適切な保守運用が欠かせません。しかし、具体的な費用相場や業務内容を知らないままでは、適切な判断が難しいは...
人気記事ランキング
おすすめ記事