NOVEL株式会社の岡田と申します。弊社は、生成AIを活用したAIライティングサービスを展開しており、おかげさまで累計70万回以上のご利用をいただいております。今回は、サービス提供を通じて得られた知見や、AIマーケティングの将来展望について、ブログに書いてみたいと思います。この記事のまとめ生成AI(LLM)は、マーケティング活動における中核的存在になるVoC分析とコンテンツ制作が結びつく施策成果をもとに、LLMが再度施策を調整し、実行するようになる将来的にはAIエージェントとして、マーケティング活動の一部が自動化される弊社が考えるAIマーケティングの将来像早速ですが、生成AIの登場によってマーケティングでどのように変わっていくかということをご説明させていただきます。下記は、マーケティング施策の企画から実施まで全体像を描いた図になります。※AIに作成してもらった図表です。流れを大きく分解すると、下記となります。お客様の声(VoC)を収集する1の情報をもとに、ペルソナや商品特性の分析を行う2の情報をもとに、マーケティングコンテンツ(広告・SNS・ブログなど)を生成する施策成果を振り返り、さらなる仮説立てと修正を自動実行お客様の声(VoC)の収集と分析現代は、あらゆる商品・サービスに溢れており、画一的なマーケティングでは、なかなかメッセージが刺さりづらくなっています。そのため、顧客の声(Voice of Customer、VoC)を理解し、より詳細にセグメントされた顧客層を見つけることの重要性が高まっています。従来、以下のような情報源からVoCを収集してきました。ソーシャルメディアの投稿ECサイトなどの商品レビューや口コミ顧客インタビュー営業担当者による商談記録や電話対応ログ(AIによりテキスト化)しかし、これらの非構造化データを効果的に分析し、有益な洞察を得ることは容易ではありませんでした。自然言語処理(NLP)技術の限界により、多くの貴重な情報が十分に活用されずにいたのです。ところが、大規模言語モデル(LLM)の登場により、この状況が大きく変わろうとしています。LLMを活用することで、これまで扱いが難しかった非構造化テキストデータから、有用な情報を抽出し、構造化することが可能になりました。例えば、顧客の声から「商品の良かった点」と「改善が必要な点」を自動的に識別し、それらを意味のあるカテゴリーにグループ化することができます。さらに、特定の意見を持つ顧客の属性を分析することで、どのようなセグメントに商品が受け入れられているのかを把握することも可能です。このように、LLMの活用によってVoCの分析をより精緻化することが可能となっており、企業は顧客ニーズをより深く理解し、コピーのアイディア出しや製品やサービスの改善に直接つなげられるようになると考えています。マーケティングコンテンツの作成VoC(Voice of Customer)分析から得られたデータは、キャッチコピーやコンテンツ制作に非常に有効です。従来のマーケティングでは、まずペルソナを設定し、そのペルソナに響く訴求メッセージを作成するというプロセスが一般的でした。しかし実際には、どのようなペルソナにどのようなメッセージが効果的かという判断は、往々にして感覚的なものに頼りがちで、その結果に大きなばらつきが生じていました。VoC分析を起点とすることで、より具体的かつ多様なペルソナの設定が可能になります。さらに、AIがそれぞれのペルソナに対して想定されるニーズを仮説として提案します。この仮説に基づき、各ニーズに対して100種類ものキャッチコピーを生成することができるのです。このアプローチにより、人間の能力では困難だった大量の試行錯誤が実現可能となり、マーケティング戦略の精度を飛躍的に向上させることができます。施策の成果分析と自動改善大量のキャッチコピーやコンテンツを試行錯誤することで、幅広いアプローチを取り、効果的なものだけを効率的に選別することが可能になります。例えば、Meta(旧Facebook)やGoogleなどの広告API、Google Analytics 4(GA4)、Google Search Consoleといったツールと連携することで、各キャッチコピーやコンテンツの成果データをLLM(大規模言語モデル)に提供できます。これにより、パフォーマンスに応じてキャッチコピー案を絞り込んだり、さらなる改善案を生成したりすることが可能になります。将来的には、施策データを自動的に収集・分析し、それに基づいてコピーを自動改善し、再度投稿するという一連のプロセスを自動化できるようになるでしょう。これは「AIエージェント」という概念に基づくものです。この アプローチ は、Microsoft の Copilot などのツールとは異なる点があります。Copilot がコンテンツ制作をアシストするのに対し、ここで述べている AI エージェントは、制作支援だけでなく、改善や運用活動の自動化まで行うことができます。2024年現在ではどこまで実現できそうか現在の技術水準では、VoC(Voice of Customer)分析からコンテンツ生成に至るプロセスをLLM(大規模言語モデル)を活用して実現することが可能です。さらに、データを用いたキャッチコピーやコンテンツの効果的な選別についても、ある程度まで自動化できる段階に達しています。しかしながら、完全な自動運用システムの実現には、まだ課題が残されています。現状では、重要な意思決定プロセスにおいて人間の介入が必要とされる場面が多く存在します。AIの進化は目覚ましいものがありますが、複雑な状況判断や創造的な戦略立案といった高度な業務においては、人間の経験と直感が依然として重要な役割を果たしています。そのため、AI と人間のそれぞれの強みを活かした協働モデルが、当面の間は最も効果的なアプローチとなるでしょう。AIマーケティングの導入・実証実験のご相談ご紹介した先進的なアプローチを、弊社では「AIマーケティング」パッケージとして提供しております。弊社が培ってきた独自の知見と技術を基に、お客様の業界や企業特性に合わせたカスタマイズされたソリューションをご提案いたします。AIマーケティングの導入により、効率性の向上やデータ駆動型の意思決定が可能となり、競争力の強化につながります。まずは、お客様の現状や課題をお伺いし、AIマーケティングの可能性について探ってまいります。具体的な導入方法や期待される効果など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら