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介護業界では、高齢化に伴う被介護者の増加に対し、人材不足が深刻な問題となっています。人材不足の解決やサービスの質向上のためには、DXの取り組みが欠かせません。
一方でDX推進を成功させるためには、知っておくべき課題もあります。
この記事では、介護業界のDX化のメリットや成功事例を解説しますので、参考にしてください。


DXとは、デジタル技術の導入により、業務の効率化だけでなく企業の運営全体の改革をおこなうことを指します。介護業界においては、利用者と介護職員双方にメリットをもたらす取り組みが求められます。
介護保険法の総則によると、「要介護者の尊厳の保持や能力に応じた自立した日常生活を送るためのサービス」が介護サービスの目的です。DXはこの目標を実現するうえでの助けとなるものです。
ここでは、介護業界のDXをより理解するために以下の2つの点を解説します。
介護業界のDXが必要となる背景
日本国内のdx市場規模と投資金額
今後国全体の介護需要がますます高まっていくことから、介護業界のDXの重要性がうかがえます。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構が公開している「PwCコンサルティング合同会社の介護DXに関する調査」によると、2040年に向け要介護者は4割増加し、現役世代は4割減少する見込みです。
介護人材リソースが不足し、一部の人しか質の高い介護サービスが受けられなくなることが懸念されています。DXによりこの課題を解決し、高齢者一人ひとりに寄り添った自立支援を提供する取り組みは必須といえるでしょう。
日本国内でDX市場規模が拡大している状況を見ても、介護業界においてもDXの導入が求められる現状が理解できます。
株式会社富士キメラ総研がおこなった調査「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」によると、2019年度日本国内のDX投資額は7,912億円であったのに対し、2030年度には3兆425億円まで拡大すると見込まれています。

介護業界でDXをおこなうと、以下のメリットが得られます。
業務の効率化
サービスの質の向上
人材不足の解消
介護現場にデジタル技術を導入するなら、従来人手でおこなっていた業務の効率化が可能です。業務効率化の例に以下のものが挙げられます。
介護記録のデジタル化
AIによるケアプラン作成
見守りセンサーの導入
入居者の体調モニタリングと一元管理
事務作業をデジタル化するなら、時間の短縮やスタッフ同士の一元共有化につながります。また、大規模施設では大人数の入居者の行動や健康チェックも多大な労働となります。
見守りセンサーや体調管理システムを活用し、限られた人数のスタッフでも管理しやすくなるでしょう。
デジタル技術の導入により、人為的なミスを削減しサービスの質の向上を目指せるメリットもあります。介護施設では、介護職員間での記録の共有や引継ぎが重要です。
情報共有を手書きや口頭でおこなう場合、伝え漏れや伝達ミスが起こりやすくなります。管理システムを活用するなら、ヒューマンエラーを減らし、臨時対応スタッフでも簡単に情報を把握しやすくなるでしょう。
また、病床の見守りや入居者とのコミュニケーションに対話ロボットを導入するなら、一人ひとりに寄り添うより細やかな対応が実現できます。
デジタル技術を導入すれば、人材不足の介護現場において少数精鋭の体制を構築できます。介護ソフトやロボットの導入により人の負担を削減できる業務の例には以下が挙げられます。
おむつ交換
入浴の介助
食事の介助
介護車への乗り降り
移動の介助
人力だけに頼らない体制を作るなら、職員の間での感染症流行など、突然の事態にも対応しやすくなります。介護業界全般に人材不足が見られる現状において、DXはリスクヘッジの役割も果たすでしょう。


介護業界におけるDXには多くのメリットがある一方、課題があるのも事実です。具体的には以下の点が課題として挙げられます。
コストがかかる
IT人材の不足
システムの選択が難しい
介護DXをおこなう際には、IT機器や装置の導入コストがかかります。初期投資費用は高額になりやすく、決断がためらわれるケースが多いです。
新システムが十分に浸透するまでには現場の混乱も起こりやすく、一時的に業務効率が低下する可能性も考えられます。事前に導入による費用対効果を見極め、優先順位を決めてスモールスタートするとよいでしょう。
DXの効果を十分に発揮するためには、IT技術を使いこなせる人員が求められます。DX推進の際にIT人材が必要なだけでなく、システム導入後は現場スタッフが実際に使用する必要があります。
パソコンや端末の操作に関してスタッフの能力差があると、DX推進にとって大きな課題となるでしょう。
介護業務の内容は事務業務や現場業務などを含め多岐にわたります。導入するシステムは、介護業務の一部を担う仕組みとなるため、全体とのシナジーが重要です。
単にシステムの性能がよいだけではなく、他の業務との連携を検討する必要があるため、選択が難しい点は課題です。

DX推進の際は、他企業の事例を参考にすると成功への近道となるでしょう。ここでは、介護DXに成功した以下の6つの企業の事例を紹介します。
社会福祉法人北養会
株式会社おかげ
すずかぜヘルパーステーション
株式会社エイドネットワーク
株式会社住宅支援総合サービス
sompoケアの介護DXの事例
社会福祉法人北養会では、一括管理が可能な介護ソフトを導入し、事務作業にかかる時間の大幅削減に成功しました。
システムの活用により引継ぎも効率よくおこなえるようになり、スタッフの働きやすさ向上につながっています。
株式会社おかげでは、従来手書きでおこなっていた介護記録のペーパーレス化をおこないました。システム化によりリアルタイムな業務を可視化でき、課題となっていたケア漏れの解決に成功しました。
また、用紙代や印刷代の削減により、年間150万円を超えるコストカットにもつながっています。
すずかぜヘルパーステーションではヒューマンエラーによる訪問介護のケア漏れが課題でした。スタッフ一人ひとりの勤務予定や訪問状況を可視化できるシステムの導入により訪問ゼロを達成し、サービスのクオリティ向上に成功しています。
また、DX化で密な情報共有が可能になったため、直行直帰や在宅ワークなどの柔軟な働き方が実現しました。
株式会社エイドネットワークでは、システム導入により事務作業の効率化を目指しました。同社では、スマホなどの機器に慣れない世代のスタッフもおり、導入当初は不安の声もありました。
しかし、チャレンジしやすい環境づくりを心がけたうえで導入に進んだところ、業務の効率化や利用者の満足度向上に成功しています。
株式会社住宅支援総合サービスでは、従来紙ベースでおこなっていた情報共有にシステムを導入しました。システム導入の際は、社員教育の徹底や社内ルールの設定に努めました。
DX化の結果、職員同士の連携が充実し、シフトが組みやすく働きやすい環境づくりに成功しています。
sompoケアは、介護現場で蓄積した知見とノウハウをもとに、データ連携による介護DXのためのプラットフォームを開発しました。
介護施設内だけではなく、医療機関や自治体とも連携する仕組み作りにより、一人ひとりに合ったサービスの提供を目指しています。社会保障費の削減や介護職員の処遇改善など社会的な課題解決にも役立つことが期待されています。
【関連記事】【47選】DXの事例集|業界別の取り組みと推進の成功事例まで解説

現在国全体としてDXを推進する流れがあり、介護業界に関しても政府が支援に取り組んでいます。厚生労働省は、令和3年度に「介護事業所におけるICTの導入・普及セミナー」を主催しました。
同セミナーの内容は、YouTubeで視聴可能です。紙ベースのデータや行政に提出する文書の作成などの電子化を検討している管理者は、参考にするとよいかもしれません。

ここでは、介護業界DXに関連してよくある、以下の2つの質問について解説します。
介護業界のDX化には補助金が出る?
介護ICTのランキングは?
企業に対する国の補助金として、「IT導入補助金」があります。介護業界でも、ICT導入の際はIT導入補助金を申請できる場合があります。補助金の対象となる可能性のあるICT導入例は以下のとおりです。
介護報酬請求ソフト
会計ソフト
給与計算ソフト
利用者管理ソフト
勤怠管理システム
システム利用のための端末(パソコン、タブレットなど)
IT導入補助金の対象者となるのは「中小企業・小規模事業者」で、出資総額や従業員の人数などに条件があるため、詳しくは経済産業省の情報を確認してください。
介護ICTでシェア率ランキングトップに上がることが多いのは、以下の10選です。
シェア率が高いソフトは安定性があり、介護職スタッフの中でも使用経験率が高い傾向にあるためおすすめです。

高齢化が進む国内において、被介護者は増える一方、介護業界では人手不足が課題となっています。
こうした背景を受けて、介護業界におけるDXは必須の流れといえるでしょう。DXにより業務の効率化やサービスの質の向上などを図れます。
介護業界のDXは、導入企業がメリットを得られるだけでなく、社会保障費の削減や介護職員の処遇改善など社会的な課題解決にも期待されています。
DXを検討した際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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