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スプリントレビューは、アジャイル開発でステークホルダーからフィードバックを得られる重要な機会です。今後の開発において大きな変化をもたらす可能性があり、さらには良いものを作り上げるために必要なすり合わせとしても役立ちます。
そこで今回は、スプリントレビューの概要やその目的・メリット、実際の流れをやり方として解説・紹介します。


スプリントレビューとは、スプリント(アジャイルにおける工程の反復単位)をステークホルダー(いわゆる顧客)に共有し、フィードバックを得ることを指します。
スプリントの最後から数えて2番目に行われ、実際に機能する・動くデモを見せて得られたフィードバックに基づいて、プロダクトバックログに必要な項目を追加したり、優先順位を変更したりするのが一般的です。
スプリントビューでは、成果報告に加えて「バックログの変更・更新および価値の最適化」を担う役割があります。
なお、スプリントレビューはスクラムイベントのひとつですから、以下の4つにわけられたスプリントに含まれています。
イベント名 | 内容 |
|---|---|
スプリントプランニング | スプリントにおける作業の計画を立てる |
デイリースクラム | 作業を調整して進捗を検査する |
スプリントレビュー | 成果を検査し適応を決定する |
スプリントレトロスペクティブ | 品質と効果を高める計画を行う |
スクライムガイドでは、スクラムイベントとしてこの4つのイベントを正式なイベントとして定義しており、こうした一連の流れによってアジャイルのスプリントが繰り返し行われます。
ただし、スプリントレビューとレトロスペクティブ(いわゆる振り返り)は工程が似ており、同じように感じるケースは多くありますが、その目的が異なります。
スプリントレビュー:成果物やバックログに基づいて議論し理解を深める
レトロスペクティブ:スクラムチームそのもののプロセスを改善・育成する
製品(サービス)を開発する工程や活動に目を向けるレビューと、チーム全体の活動に焦点を当てて振り返るレトロスペクティブにはこうした違いがあるので覚えておきましょう。

スプリントレビューは、プロダクトの価値を高めるために必要な工程であり、今後の開発の見通しを示す重要な役割を担います。
ここからは、必要性に関わる以下の2つについて補足・解説します。
スプリントレビューの「目的」
スプリントレビューの「メリット」
スプリントレビューの目的は、フィードバックによって価値を最適化し、さらに今後は何が必要か、どの程度まで実現できるかといった構想・戦略を決定することです。
そのため、成果物や進捗をステークホルダーに伝えるだけで終わらず、以下の点などで議論する必要があります。
何が完成したのか
何が完成できなかったのか
成果物は価値のあるものになっているか
開発中で状況の変化はなかったのか
リリース計画など現状のままで問題はないか
プロダクトの価値は最適化できないか など
ただ成果を披露する場として扱わず、フィードバックを得ながら良いものを作り上げる意識を持って実施することが大切です。
スプリントレビューの実施には、以下のメリットが挙げられます。
成果物や現状を確認して「認識をすり合わせ」できる
開発中のプロダクトに「価値があるか確認」できる
結果や状況に応じて「リリース計画を調整」できる
フィードバックによって「価値を最適化」できる
進捗状況の確認によって「スプリントを見通し」できる
また、どのように開発していくのか、どういった意見があって何を作るべきなのかという議論を行うことでチーム全体のモチベーションを高く維持することにも繋がります。

スプリントレビューを実施する前に知っておきたい準備を、以下の3つにわけて紹介します。
参加者
準備
スプリントレビューの時間(タイムボックス)目安
スプリントレビューには、以下のような参加者が必要です。
参加者 | 必要性 | 内容 |
|---|---|---|
プロダクトオーナー | 参加必須 | 事前確認による現状報告 |
スクラムマスター | 必要に応じて | ファシリテートのみが基本 |
開発者 | 参加必須 | デモの準備 |
ステークホルダー | 参加必須 | デモや結果へのフィードバック |
あくまでも内容は例ですが、スプリントレビューを正常に進めてプロジェクトを進行させるには、必要不可欠な参加者が多くいます。
なかでも、ステークホルダーは外せない存在であり、幅広い担当者のなかから進捗や状況に合わせて参加者を招集しなければなりません。
企画
マーケティング
営業
サポート
利用者
連携システム担当者
マネジメント部門
などの関係者への参加を促す必要があり、人材を見極める必要があります。また、毎週(各週)の報告で参加を強制することは非常に難しく、場合によってはプロダクトオーナーが時間を調整し、手短な報告とフィードバックを得ておくといった柔軟な対応も必要です。
スプリントレビューを実施するために、以下の事前準備をしておきます。
ステークホルダーとのスケジュール調整および日程調整
プロダクトバックログの整理
スプリントの進捗の確認
レビューする項目とデモの機能確認
すり合わせに必要な資料の用意
進捗の確認や日程調整は主にプロダクトオーナーが担い、項目チェックやデモの用意などは開発者が担当します。また、開発者はデモによって伝える機能について、資料が必要である場合に、別途で用意しておくとスムーズに進められます。
なお、スプリントレビューに用意する時間(いわゆるタイムボックス)の目安は、1週間おきであれば約1時間、2週間おきであれば2時間ほどが目安です。
また、スクラムガイドでは1か月のスプリントで最大4時間と定義されており、大幅に超えることがないよう準備を進めておく必要があります。
ただ、必要に応じて長くなってしまうといったことは予想されるため、時間にとらわれずに適切な内容を無理のない時間で議論するといったことを意識しましょう。


ここからは具体的に、代表的なスプリントレビューのやり方を以下にわけて解説します。
参加者の紹介
目的・タイムボックスを共有
事前事項を共有
スプリントゴールを共有
プロダクトバックログアイテムを共有
インクリメントのデモを実施
デモのフィードバック・Q&Aを実施
スプリント中の状況変化を確認
今後のリリース計画・直近のスプリントを共有
スプリントレビューには、さまざまな人が参加する形となるため、また開発者とステークホルダーが密接に関わる一方で、数少ない接点でもある機会ですから必要に応じて紹介を行います。
初回であった場合(はじめて参加した場合)などは、何を担う人材なのかを明確化するためにも簡単な紹介を挟んでおくと良いでしょう。また、不安感や緊張感がある場合で、時間に余裕があるならアイスブレイク(本題に入る前の雑談等)を挟むとその後の進行がスムーズになることもあります。
スプリントレビューを開始したら、まずは簡単に目的・タイムボックス等を説明します。また、必要に応じてワーキングアグリーメント(いわゆる規範)も伝えておきます。
なお、全員に目的が浸透し、説明の必要がない状態だと判断できる場合、簡単に済ませるまたは割愛するといったことも可能です。
目的・タイムボックスの共有が完了したあとは、スプリントレビューに必要な事前事項を共有します。
フィードバックが不要な箇所や、伝えておくことで進行をスムーズにできるなどの情報です。例えば、開発途中でまだ変更があり、フィードバックを求めない部分は伝えておきたい事柄の代表例です。
事前事項を共有できれば、今回のスプリントゴール(どのようなものか、なぜそのゴールなのか)を説明・共有します。
また、誰によってどう役立ち、どのように重要なのかまで伝えたのちに、事項のプロダクトバックログアイテムの共有も同時に行います。
スプリントゴールを目指して開発をした結果、プロダクトバックログアイテムがどのようになっているかを共有します。
何が完成しており、何が完成しなかったのか、何が原因だったのかを明確にし、参加者へ伝えると議論もスムーズになります。
スプリントゴールとバックログの共有が完了したら、実際に完成しているデモであるスプリントの成果(これがインクリメント)を共有します。実際に触れてもらってフィードバックをもらう機会ですから、何ができるのかも明確にしておきましょう。
実際に触れてもらったデモで感じたフィードバックを集める、また質疑応答に対応します。例えば、気になる箇所があった場合には後半で見直しできる形であれば、それまでに要望をまとめてもらうといったことも可能です。
デモで得られるものは多くありますが、ここでは議論が中心(是正だけが目的ではない)となるため、何を実現すると何ができなくなるのかといった気になる事項等も明確に伝えて話し合うことが、最適化に繋がります。
デモのフィードバックや質疑応答が完了したあとは、スプリントレビューのなかでも今後に関わる状況の変化を確認します。
例えば、スプリント中に発覚した課題であったり、その途中で見つかった状況の変化などです。ステークホルダーによっては大きな影響になる事柄が含まれている可能性もあり、ここでもフィードバックを得られることがあります。
スプリントレビューの最後には、今後のリリース計画や直近のスプリントについて共有します。次回のスプリントで何に取り掛かるのか、初回リリースはいつ頃を予定しているのかなどが挙げられます。
また、フィードバックの内容に特定の期日で要望をまとめておくといった事柄が挙がったときには、その工程がいつ頃を予定しているのかを伝えて、いつまでにまとめてほしいのかの希望も伝えられると良いでしょう。
なお、この時点で最終的な開発費の予想や、スプリントの回数予定(開発の終了日)などを聞かれることもあるので、およその見積もりを用意しておくことも大切です。

スプリントレビューは、スプリント(アジャイルにおける工程の反復単位)をステークホルダー(いわゆる顧客)に共有し、フィードバックを得ること。フィードバックによって価値を最適化し、さらに今後は何が必要か、どの程度まで実現できるかといった構想・戦略を決定できます。
以下の基本的な流れで実施し、成果物をより良いものに仕上げるためにもステークホルダーと意見を交換しましょう。
参加者の紹介
目的・タイムボックスを共有
事前事項を共有
スプリントゴールを共有
プロダクトバックログアイテムを共有
インクリメントのデモを実施
デモのフィードバック・Q&Aを実施
スプリント中の状況変化を確認
今後のリリース計画・直近のスプリントを共有
また、一定の共有事項や過不足を感じているといった課題を共有し、今後の見通しを立てることも大切です。ぜひ本記事を参考にスプリントレビューを実施し、プロダクトの成功を目指してください。
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