システム開発やソフトウェア開発において、PHPで書かれたフレームワークの1つであるLaravel。PHPのフレームワークの中で最も人気を集めていますが、扱うためにはどのような特徴があり、何に向いているのかを明確にしておく必要があります。本記事では、Laravelの特徴や将来性をわかりやすく解説します。【テック部門の用意ならテックユニット】月額契約で貴社専属の開発チームをご用意し、アジャイル開発でプロジェクトを推進します。従来の開発スタイル(一括請負)の課題を解決し、テック部門をすぐに設立できるテックユニットは、新しいプロジェクトから既存システムの改修まで対応できます。下記のような方におすすめできるサービスです。お気軽にご相談ください。・開発リソースの確保に困っている方・企業の新規事業ご担当者様・保守運用を移管したい方・開発の引き継ぎを依頼したい方>>テックユニット(月額制アジャイル開発)の詳細はこちらLaravel(ララベル)とはLaravelはララベルと読み、PHPフレームワークであるSymfonyをベースに開発された、Webアプリケーションフレームワークです。フレームワークとは、システムやアプリ開発を行う際に必要な機能や基本的な骨組みをまとめたもので、開発の土台となるソフトウェアを指します。Laravelによって開発できるシステムやアプリの幅はかなり広く、PHPを用いて企業のショッピングサイトなどを設計開発する際に、重宝するフレームワークといえるでしょう。また、Laravelには日本語のドキュメントも多いので、PHPフレームワークを学ぶ初心者にはおすすめです。CakePHPとの違いPHPの代表的なフレームワークには、Laravel以外にCakePHPがあります。CakePHPはLaravelと同じMVCモデルを採用し、記入が楽に行える点など、類似点が多いフレームワークですが、大きな違いとしてコードの書き方が挙げられるでしょう。自由度の高いコードを書きやすいLaravelは、フレームワークとして実装に必要な便利機能が豊富に用意されています。一方CakePHPは、規約に従ったコーディングから統一されたコードのため、開発スピードを上げられます。しかし柔軟な変更を加えようとすると、制限が出ることも少なくありません。どちらもメリット・デメリットがありますが、システムの継続的な運用を念頭に置くなら、定期的にアップデートも行われるLaravelが適しているかもしれません。Laravelの将来性Laravelは、PHPフレームワークの中で国内外問わず人気度1位になり、Laravelを通じた開発経験を持つエンジニアは重宝されています。また、PHPはWebのサーバーサイド言語として80%近くのシェアがあり、今後も需要があるでしょう。とくにW3Techsの調査によると、Webページの作成で使われるCMSであるWordPressは、CMSを使用して作成されたうちの64.1%を占めています。WordPressはPHPを使ってのカスタマイズが特徴であり、WordPressやPHPの需要から鑑みても、Laravelの将来性はあるといえるでしょう。また、Laravelは定期的にアップデートが入り、開発をサポートする機能が年々追加されています。学習しやすくカスタマイズ性も高いLaravelですが、シェア率の推移は減少傾向にあり、Ruby等が伸びつつあるのも実情です。Laravelで作られたサイト・アプリの例Laravelは、webアプリケーションの作成に特化したフレームワークですが、さまざまな開発に活用できます。以下にLaravelで作られたサイト・アプリの例をまとめました。項目特徴システム業務システム日々の業務効率化勤怠管理Webアプリケーション開発ユーザー満足度向上予約システムWebサイト制作ユーザー満足度向上ホームページ掲示板・口コミサイト制作自由な拡張性SNS制作ユーザー満足度向上Webサービス開発なぜ人気?Laravelの特徴・メリットLaravelの特徴・メリットとして、以下の8点が挙げられます。人気が根強いフレームワーク大規模なWebアプリ開発に利用できるMVCモデルで扱いやすいカスタマイズ性が高いパッケージで管理できるデータベースの操作・管理が簡単設定・更新を手軽に行えるユーザービリティが高い人気が根強いフレームワークLaravelは世界で最も利用されているPHPフレームワークと称され、2019年には世界1位のシェア率となりました。コミュニティも活発に動いているため、初心者の参入障壁が低いのも人気の理由の1つかもしれません。フレームワークの利用実態を統計した「ララベル利用統計(built with)」では、Laravelはアクセストップ100万で1.93%・10万で3.5%・1万で3.98%となっています。大規模なWebアプリ開発に利用できるLaravelの元になっているSymfonyは、規模の大きいWebアプリケーション開発に特化したPHPフレームワークです。そのため、Laravelも規模の大きい開発にも対応可能で、後発のPHPフレームワークとして、Symfony以外のフレームワークが持つ良さも取り入れられています。MVCモデルで扱いやすいMVCモデルとは、処理をModel(データ処理)・View(画面表示)・Controller(全体制御)の3つに分別し、機能ごとに開発を進める開発方法のことです。MVCモデルを使用することで、処理の内容と書く場所が明確になり、開発の実務経験が浅い方でも学びやすく、扱いやすい開発が行えます。また、別々に実装するため、複数人で開発する際は分業しやすく、個々の役割分担を明確にできる点も強みでしょう。Laravelはコードがわかりやすく、学習しやすいという特徴があり、初心者が学習するには、最適なWebフレームワークといえます。カスタマイズ性が高いLaravelに含まれる機能は他のフレームワークと比べて比較的多く、自由度も高くなっています。その拡張性と自由度の高さから、思い通りのシステムを構築しやすいといえます。しかしLaravelを利用する際、だれもが自分の思い通りに自由な設計ができてしまうので、複数人で作業をする際などはある程度のルール・開発ドキュメントを決める必要があるでしょう。パッケージで管理できるLaravelはComposer(コンポーザー)というパッケージ管理システムを使用しています。Composerとは、開発の際に必要なパッケージ・ライブラリを簡単にインストールできる便利なツールです。ライブラリなどを使う際、必要なライブラリもインストールしなければ使えないことが少なくありません。Composerがあれば使用に必要なライブラリも同時にインストールされるので、ライブラリ使用の利便性が向上するでしょう。データベースの操作・管理が簡単開発で必要なデータ操作を簡易化するために、Laravelには以下の2つがそなわっています。Eloquent ORM(Eloquent Object Relational Mapping)Migration(マイグレーション)Eloquent ORMでデータベースとモデルを関連付け、柔軟なデータ操作を行い、Migrationでデータベースの管理を簡単にします。そのため、データベースの管理が容易になりチームメンバーに共有ができるので、チーム開発を行う際の利便性に大きく貢献するでしょう。設定・更新を手軽に行えるLaravelは、コマンドツールによって設定や更新が簡単に行えます。LaravelはコマンドツールとしてArtisan(アルティザン)を利用し、各種設定やアプリケーションを少ないコードで作れるようにしています。ユーザービリティが高いバリデーション(入力値チェック)はフォーム作成時などに活用しますが、Laravelではチェックを効率的に行えます。バリデーションで使う入力値は整数・日付・メールアドレスなどさまざまな状況があるため、一から確認してプログラム記述を行うとかなりの時間がかかることも少なくありません。バリデーションが効率化されることで、大幅に作業の時間と手間が短縮され、多様な状況に対応してサービスを提供できます。弱点は?LaravelのデメリットLaravelは特徴の1つに自由度の高さがありますが、この自由度がコードの複雑化を招くことが少なくありません。自由に扱える一方でコードが複雑化するため、分業でシステム開発を進める場合は、コードの書き方に対してある程度のルールを設けておくことをおすすめします。また、Laravelは多機能であるがために、CakePHPなどのほかのフレームワークと比較すると処理速度は遅くなる傾向があります。速度重視の設計では不向きなことがあるため、Laravelの本採用前に、スループット検証を十分に行いましょう。Laravelの環境構築の方法・使い方以下では、Laravelの環境構築の方法・使い方を解説します。PHPをインストールするComposerをインストールするララベルをインストールするPHPをインストールするインストールの手段はいくつかありますが、メジャーな手段はXAMPP(ザンプ)を利用した方法です。XAMPPとは、ウェブアプリケーション実行に必要なフリーソフトウェアをパッケージにしたものを指します。XAMPPのページにアクセスした後、インストールページのダウンロード欄から、自身のOS(WindowsやMacなど)に合うXAMPPを選択しましょう。Windowsではダウンロード完了後にコンポーネント選択や配置場所などの設定を行った後、インストールを実行します。Macではダウンロード実行後の表示画面を経て、ドラッグ&ドロップでアプリケーションへ追加したら完了です。Composerをインストールする次に、Laravelのパッケージ管理を行っているComposerのインストールが必要になります。WindowsではComposerのページでインストールを行います。ページでダウンロードしたファイルを実行し、インストールのオプション選択画面やプロキシ設定などを経て、インストールを実行しましょう。Macではターミナルでコマンドを実行します。パッケージマネージャーのHomebrewやOpenSSLがない場合は、まずインストールするコマンドを実行します。インストールが完了したら動作確認のコマンドを行い、バージョン表示されたら準備完了です。Composerとは、Laravelのフレームワークやライブラリを管理するシステムで、ライブラリをダウンロードする際に、必要なライブラリを自動的にダウンロードします。ララベルをインストールするLaravelをインストールするための環境が整ったら、Laravelのインストールを行いましょう。WindowsもMacも同様に、ターミナルでコマンドを実行する形でインストールします。Laravelの学び方初心者向けのフレームワークであるLaravelの学び方は以下が挙げられます。Webサイトで学ぶ本で学ぶプログラミングスクールで学ぶ主に上記のような3種類が挙げられますが、Webサイトは無料で利用できるものも多く、手軽に学習を始められるのが魅力でしょう。また、Laravelのインストールや環境構築方法など、これから学習をスタートする人に役立つ情報も入手できます。本は1冊数千円で購入でき、初期費用を少なく抑えられるのもメリットです。また、初心者から上級者向けまで豊富なラインナップがそろっているため、自分に合ったレベルの本を選べるのも魅力でしょう。プログラミングスクールで、学ぶのも手段の1つです。しかし、プログラミング学習で挫折する独学者は少なくありません。入門者にはスクールがおすすめいざ独学でプログラミングを学び始めても、途中で挫折してしまえば、学習時間だけでなく、Laravelの習得自体を諦めてしまうかもしれません。また、わからないことを飛ばしながら勉強しても、転職や副業での収入獲得を実現できるほどのスキルが身につくかどうかも不安でしょう。そのような場合は、現役エンジニアなどのプロの講師に質問できるプログラミングスクールがおすすめで、モチベーションの維持にも役に立ちます。【関連記事】オンラインプログラミングスクールおすすめ10選|選び方やメリット・デメリットも解説まとめLaravelとは何か、その特徴やメリット・デメリットを解説してきました。LaravelはPHPフレームワークの主流であり、うまく活用することでWebアプリケーション開発の効率を大幅にアップできるでしょう。初心者にも比較的学習しやすいため、ぜひマスターして、今後のWebアプリケーション開発に役立てていただければ幸いです。システム開発でお悩みのことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。