【2021年版】オフショア開発とは?特徴やメリット、課題について徹底解説!

目次

オフショア開発とは

オフショア開発とは、情報システムの開発・保守などの仕事を、海外の企業に外注することです。オフショアは「離れた」を意味する「off」と、「岸」を意味する「shore」が組み合わさってできた英単語「offshore」から来ており、「沖合に向かって」や「海外の」という意味も持っています。

オフショア開発は、情報システム開発のコストを減らしたり、リソースを確保したりするために重要な手法として、近年注目されています。

オフショア開発が注目されている理由

オフショア開発が注目されている理由は2つあります。1つ目は、日本国内のエンジニアが不足していることです。

経済産業省とみずほ情報総研が共同で調査した内容(2019年3月)によれば、エンジニアを含むIT人材が2030年までに約79万人不足すると見込まれています。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少も相まって、日本国内でリソースを確保することが困難になりつつあります。これは、日本国内で解決できる問題ではありません。エンジニアを補うためには、日本国外からリソースを確保する必要が出てきました。

2つ目は、日本人エンジニアの人件費が高騰していることです。エンジニアの不足問題に関連しますが、企業はより優秀なエンジニアを確保するために、競合他社よりも高い給与を提示することで人材の確保を図ります。これに対し、競合他社も負けじと高い給与を提示するようになります。これによって、日本人エンジニアの人件費が高騰し、開発予算を圧迫してしまいがちです。

一方、東南アジアなどの海外に目を向けると、日本人エンジニアを雇うよりも安い人件費で、優秀なエンジニアを確保することができます。特にベトナムでは、国が主導してエンジニアの育成に尽力していることもあり、優秀なエンジニアが数多く活躍しています。

日本人エンジニアが不足しているのに加えて、人件費も高騰しており、エンジニアの確保が難しい事態を解決するための手段として、オフショア開発は近年注目を集めています。

オフショア開発の特徴

オフショア開発では、委託先のエンジニアがシステムの設計・開発・テスト・運用などの業務を行います。開発可能なシステムの種類は、業務系システム・Webサービス・スマホアプリ開発など、会社によってさまざまです。

また、オフショア開発の特徴として、「ブリッジSE」の存在が挙げられます。

ブリッジSEは、仕事の委託元である日本企業のエンジニアと委託先の海外企業のエンジニアの間に立ち、お互いの連絡役を務めるのが主な役割です。オフショア開発をする場合、仕事の進め方や会話言語などがお互いに異なるため、綿密な調整を行わなければ、トラブルを引き起こしてしまいます。

ブリッジSEには、日本人エンジニアまたは日本語で会話可能な外国人エンジニアが就き、顧客から仕様についてのヒアリングを行ったり、ヒアリング内容を委託先のチームに連携するのがメイン業務です。委託元と委託先、お互いに仕事を円滑に遂行するためにも、ブリッジSEは必要不可欠な存在です。

ラボ契約とはなにか

ラボ契約とは、情報システム開発・保守などの仕事を行う際の契約形態の1つで、オフショア開発を行う際によく利用されます。ラボ契約では、一定期間必要な分の人材を確保したうえで、システム開発を進めていくのが基本形です。

従来のやり方である請負契約は、案件を契約対象としており、仕様の変更・追加が発生した場合は別途費用がかかります。幾度も仕様変更・追加が発生した結果、最終的に費用が高額となってしまうのが、請負契約の欠点です。

一方、ラボ契約は案件ではなくエンジニアのリソースを契約対象としているため、仕様変更・追加が発生しても別途費用が発生することはありません。仕様変更・追加にフレキシブルに対応できることが、ラボ契約の大きなメリットです。

ニアショア開発との違い

ニアショア開発は、日本国内の地方企業に仕事を委託するシステム開発形態です。委託先が日本国内なのか海外なのかが、オフショア開発との大きな違いといえます。

ニアショア開発の特徴は、仕事をすすめるうえで日本語のコミュニケーションができることです。そのため、言語の違いがあるオフショア開発と比べて、仕事上のコミュニケーションが容易なことが主なメリットです。

一方で、ニアショア開発は海外を委託先としていないため、オフショア開発よりもコスト削減の効果が薄いことに注意が必要です。

オフショア開発の現状とは

2013年に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が調査した内容によれば、日本国内のIT企業のうち約45%が、オフショア開発を取り入れていることが分かりました。また、オフショア開発における委託先の国は、中国が約8割で最も多く、インドとベトナムが続いています。

しかし、近年は中国をオフショア開発の委託先とすることは少なくなっています。その理由の1つして、中国人エンジニアの人件費の高騰が挙げられます。三菱UFJ銀行の調査(2019年12月)によれば、中国の主要都市における最低賃金と上昇率は以下の通りでした。

都市最低賃金最低賃金上昇率
北京市1,400元(2013年)2,200元(2019年)約57%
上海市1,620元(2013年)2,480元(2019年)約53%
西安市1,150元(2013年)1,800元(2019年)約56%
重慶市1,050元(2012年)1,800元(2019年)約71%
石家荘市1,320元(2012年)1,900元(2019年)約43%

中国各地で軒並み賃金が上昇しており、オフショア開発の目的であるコスト削減が中国では達成しにくい状況と化しています。そのため、近年のオフショア開発では、ベトナムを始めとした東南アジアを委託先とするのが主流となっています。

オフショア開発のメリット

ここでは、オフショア開発を活用するメリットを2つ解説します。

大量の開発リソースを低コストで確保できる

オフショア開発を活用するメリット、1つ目は大量の開発リソースを低コストで確保できることです。

先述したように、現在の日本はエンジニア不足が問題となっており、日本国内だけでは十分にリソースを確保できなくなる可能性があります。このような状況の中で、日本よりも人件費が安い海外の国々に仕事を委託してもらうことで、低コストで多くのリソースを確保することができます。

仕様変更のリクエストを自由に出せる

オフショア開発を活用するメリット、2つ目は仕様変更のリクエストを自由に出せることです。

オフショア開発では、従来のやり方である請負契約よりもラボ契約によって仕事を進めることが多いです。ラボ契約は、案件ごとではなく決められた期間でリソースを確保する形式であるため、仕様変更による追加のコストが発生しません。そのため、請負契約で仕事をすすめるよりも、仕様変更などのリクエストができ、フレキシブルにシステム開発を遂行できます。

オフショア開発の課題

オフショア開発を活用するときには、メリットだけでなく課題を考慮することも大切です。ここでは、オフショア開発を活用する際に意識しておきたい課題点を3つ解説します。

文化の違いを意識する必要がある

1つ目の課題は、委託先の文化の違いを意識することです。

委託先となる海外の国々は、日本とは異なる文化圏で暮らしており、仕事面においても、ビジネスマナーや時間に対する考え方などが異なります。オフショア開発を検討している企業が、何も考えず自らのやり方で仕事を進めようとすると、委託先と足並みが揃えられず思うように仕事を遂行できない事態に陥ってしまいます。

オフショア開発を検討する際は、委託する企業の人間についてどのような価値観を持って仕事に臨むのかを理解することから始めましょう。

コミュニケーションが円滑でない場合がある

2つ目の課題は、コミュニケーションが円滑に行えない場合があることです。

日本国内で仕事をする場合は、リアルタイムで問題なくコミュニケーションが取れますが、海外に委託する場合は時差を考慮しなければなりません。特に、昼夜が逆転するほど遠方の国に委託する場合、リアルタイムで会議を行ったり緊急性の高い仕事を依頼するのは現実的ではありません。

円滑なコミュニケーションを重視したいのであれば、日本と時差の小さい国を委託先にするのがおすすめです。

仕様の定義漏れなどがないようにする

3つ目の課題は、仕様の定義漏れなどがないようにすることです。

日本で仕事をする場合は、仕様書に書かれている曖昧な表現から行間を読み取って、成果物に落とし込むことが往々にしてあります。一方で海外は、仕様書に書かれていることだけを絶対視し、行間を読み取るような仕事の進め方はしません。

オフショア開発における仕様書の作成では、曖昧な表現は全て明確な表現に直したうえで、抜け漏れがないようにすることが重要です。

日系のオフショア企業5選

ここでは、実績豊富な日系のオフショア開発企業を5つ紹介します。

セカイラボ(株式会社モンスター・ラボ)


  • 要件定義からシステムテストまで幅広く対応
  • Webサービス・業務系システムなど実績の幅が広い
  • 地域ごとに最適化したアプリの開発も支援

セカイラボは、株式会社モンスター・ラボが展開している事業の1つで、中国・ベトナムなどの海外拠点を中心として、ラボ型のオフショア開発サービスなどを提供しています。開発しているサービスは、Webアプリ・スマホアプリ・業務系アプリなど幅広く、地域向けに最適化したアプリを開発するローカライズサービスも提供しています。

株式会社Sun Asterisk


  • 多職種によるチーム開発サービスを提供
  • 事業実績は300件超
  • エンジニア人材支援にも対応

株式会社Sun Asteriskは、ベトナムのエンジニアリソースによるオフショア開発サービス・人材支援サービスを展開しているIT企業です。ベトナムなどの海外拠点には、1000名を超えるエンジニアが在籍しており、単なるシステム開発に留まらず、システム導入の企画の段階からサポートしてくれるのが特徴です。

Evolable Asia Co., Ltd.


  • システム・ゲーム・Webなど幅広く事業を展開
  • 提供リソースは小規模から大規模までフレキシブルに対応
  • 日本語話者のブリッジSEは40名以上在籍

Evolable Asia Co., Ltd.は、2013年にベトナムのホーチミンで設立されたオフショア開発企業です。ラボ契約によるシステム開発のほかに、日本とベトナムそれぞれにブリッジSEを配置して、互いに連携しながら開発をすすめる「ITハイブリッド型」によるシステム開発サービスを提供しています。在籍しているブリッジSEは日本語が堪能なので、コミュニケーションに不安がある方におすすめです。

株式会社コウェル

  • ソフトウェアテストの資格認定機関のパートナーシップに参加
  • 上流工程では日本人エンジニアによるサポートあり
  • エンジニア2名からのスモールスタートにも対応

株式会社コウェルは、国際的な資格認定機関「ISTQB」のパートナーシップの中で最高位の「グローバル・パートナー」に認定されており、それに裏付けられた開発体制を構築できるのが特徴です。オフショア開発サービスでは、上流工程を日本人エンジニア、下流工程をベトナム人エンジニアが担当することで、コストを削減しつつも品質の良いサービスを提供しています。

株式会社バイタリフィ


  • 2008年創業でオフショア開発業界の古参企業
  • モバイルデバイス向けアプリの開発実績が豊富
  • 日本語検定2級以上のスタッフによるサポートあり

株式会社バイタリフィは、2008年創業のオフショア開発企業でオフショア開発業界内でも古参に分類される企業です。特に、Android・iOS向けアプリケーションの開発実績が豊富です。日本語検定2級以上を保有しているエンジニアがサポートにあたるため、コミュニケーションを円滑に行えます。

オフショア会社の選び方

オフショア開発会社は複数存在するため、どの会社が最適なのかが分からず悩んでしまいがちです。ここでは、オフショア開発会社の選ぶ際に確認すべきポイントを、3つ解説します。

開発実績・エンジニアのレベルの確認

1つ目に確認すべきポイントは、開発実績・エンジニアレベルの確認です。

オフショア開発会社のホームページでは、今までどのような開発案件に関わってきたのかについて、事例を紹介している場合があります。事例に目を通して、どのようなシステム・ソフトウェアの開発に強いのか、開発対象システム・ソフトウェアとマッチしているかについて確認しましょう。

また、オフショア開発ではエンジニアのスキルが品質を左右する重要な要素になります。ブリッジSEの日本語のレベルや品質マネジメントシステムの規格であるISO9001など、高いスキルを持っているかの指標が明記されているかについても併せて確認しましょう。


エンジニア数

2つ目に確認すべきポイントは、在籍しているエンジニアの数です。

開発対象のシステムの規模が大きかったり、開発が長期間に渡る場合は、より多くのリソースが必要になります。また、リソースを多めに確保しておけば、緊急の開発案件が発生したときにも対応でき、フレキシブルに開発を遂行できます。ホームページの会社概要に目を通せば、何名在籍しているかが把握できるため、必要に応じて確認しましょう。

担当窓口が日本人か

3つ目に確認すべきポイントは、日本人が窓口を担当しているか否かです。

オフショア開発会社の中には、日本人のエンジニアがブリッジSEとして、ヒアリングなどのサポートを提供している会社が存在します。日本人エンジニアであれば、コミュニケーションを円滑に行うことができ、開発も順調に進められます。ただし、日本人エンジニアがサポートしてくれる分だけコストが上昇するため、注意が必要です。

まとめ

オフショア開発は、システム開発・保守における人材不足を解決するための手段として重要な開発手法です。オフショア開発を取り入れるか検討する際には、メリット・課題点・会社の選び方をあらかじめ把握し、自社に最適なオフショア開発会社を選択するようにしましょう。

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