はじめに2023年5月、AIライティングツール「SAKUBUN」は産声を上げました。ChatGPTの登場で生成AIが大きな注目を集める中、SAKUBUNは単なる文章生成ツールとしてではなく、ユーザーの真の課題解決を目指して開発が進められました。当初はSNS投稿文などのテンプレート型でしたが、利用ユーザーの約8割がSEO記事作成に活用しているという事実に着目。そこから、SEOコンテンツ制作の負担を劇的に軽減し、かつ品質向上を両立させるツールへと大きく舵を切りました。当時20以上も乱立したAIライティングツール市場で、SAKUBUNはなぜ淘汰されず、多くの企業に選ばれ続けているのでしょうか。今回は、開発のキーマンである代表の岡田氏と営業担当の瀧澤氏に、その開発秘話とプロダクトに懸ける想い、そして今後の展望について詳しく伺いました。ユーザーの声から生まれたSEO特化への道瀧澤:SAKUBUNは、どのような経緯で生まれたのでしょうか。岡田:もともとは2022年の夏頃にプロトタイプの開発を始め、約半年後の2023年5月にリリースしました。最初は、テンプレートを選んで穴埋め式で文章を生成する仕組みでした。しかし、当時からChatGPTが存在していたため、お客様からは「何が違うのか?」と頻繁に聞かれました。また、利用状況を分析すると、SEO記事を作っているユーザーさんが全体の8割を占めていたのです。長文のSEO記事制作は非常に大変で、そこに強いニーズがあると感じ、SEOに特化したツールへと注力していくことを決めました。瀧澤:そこからSEO強化ツールへと進化していったのですね。岡田:はい。もともと私たちが月間10万PVを超えるオウンドメディアを運営していた知見があったので、それなりのものは作れる自信はありました。しかし、実際の細かい制作フローやSEOの専門知識はまだ不足していました。そこで、導入いただいた上場企業のお客様とタイアップし、毎週ミーティングで壁打ちをしながら、実践的な知見をシステムに落とし込んでいきました。競争激化の市場で「勝ち残れた」理由瀧澤:当時は他のAIライティングツールも多数登場したと思いますが、その中で勝ち残れた要因は何だとお考えですか?岡田:当時、おそらく20個ほどのツールが乱立しましたが、現在も本格的に運営されているのは3〜5個程度に集約された印象です。私たちは、AIが生成しがちな「具体性のない、中身のない記事」ではGoogleから評価を得られない、という課題に正面から向き合いました。SEO記事を効率化したいという強いニーズと、AIが生成する文章の質のギャップ。このギャップを埋めることこそが、ツールが提供すべき価値だと感じていました。瀧澤:お客様によって作りたい記事は様々だと思いますが、どのように対応されたのでしょうか。岡田:「こういう記事じゃないんだよね」というご意見は数多くいただきました。そこは丁寧にヒアリングを重ね、一つひとつシステムを改良していきました。幸い、私たちはもともと開発が強い会社です。変更に強く、メンテナンスしやすい設計を初期段階から心がけていたため、途中で大幅なフローの組み替えも可能でした。数ヶ月かけてエンジニアが抜本的な改良を行い、今では裏側で約50もの処理ブロックが動いています。ユーザーの検索意図分析、Webからの情報取得などを丁寧につなぎ合わせることで、高い品質を担保しています。ChatGPTとの決別。独自技術が拓く品質の差瀧澤:いわゆるChatGPTにプロンプトを投げるのとは、全く違うということですね。岡田:はい、ChatGPTとは全く違うと考えています。ChatGPTだけでもそれらしい文章は作れますが、対策すべき共起語が網羅されていなかったり、SEO的に正しい構造になっていなかったりと、品質を上げるには限界があります。私たちは、裏側でGPTやGeminiといった技術の力を借りつつも、それを高度に「料理」しているイメージです。瀧澤:SAKUBUNと同じ品質のものをChatGPTで再現しようとすると、どれくらい大変なのでしょうか。岡田:50もの処理を手作業で再現しようとしたら、完全に丸一日かかると思います。もはや、一から自分で書いた方が早いレベルですね。人では不可能なレベルの綿密な調査をAIに行わせることで、初めて実現できる記事品質があると考えています。AIは万能ではない。人間との協業で価値を最大化する瀧澤:最近、AIが作った記事はSEOに良くない、という話も聞きますが、対策はされていますか?岡田:もちろん対策はしていますが、正直なところ、SAKUBUNから出てきた下書きをそのまま公開するのは良くないと考えています。Googleが評価指標として掲げる「E-E-A-T」、特に経験(Experience)や専門性(Expertise)は、その人の中にしかない一次情報です。これを加筆しないまま公開するのはリスクがあります。そのため、私たちのツールは初稿の品質はもちろんですが、編集、SEOチェック、コピーチェック、ファクトチェックといった「チェック機能」にこそ、むしろ力を入れています。瀧澤:なるほど。担当者の負担を減らしつつ、品質を上げていくためのツールなのですね。岡田:その通りです。負担を減らすだけでなく、クオリティアップも同時に狙い、上位表示を目指せるツールです。特に競合記事をすべて読み込み、キーワードやトピック、体験談の有無などを網羅的に分析・比較することは人間には不可能です。これはAIの技術があるからこそできることであり、私たちの開発力がなければ実現は非常に困難です。SAKUBUNが届けたい価値と、その先の未来瀧澤:SAKUBUNは、どのような方におすすめしたいですか?岡田:主にオウンドメディアの運用を効率化したい企業様に広く受け入れられています。自社製品を売るためにメディアを運用している事業会社様や、クライアントのSEOを代行する広告代理店様での導入が特に多いです。最近では、これから新たにSEOに取り組みたいという企業様も増えています。瀧澤:今後の展望についてお聞かせください。岡田:現在はSEO記事が強みですが、今後はインタビュー記事など、より幅広いフォーマットに対応できるよう開発を進めています。この2年間で120以上の改善を積み重ねてきた開発スピードは落とさず、今後も優秀なエンジニアと共に進化を続けます。将来的には、記事作成だけでなく、競合にどう打ち勝つかという「分析」や、人間では見落としがちな「校閲・チェック」の部分をさらに強化し、あらゆるコンテンツ制作を支えるプラットフォームを目指していきたいです。大企業も認める万全のセキュリティ体制瀧澤:最後に、セキュリティについてはいかがでしょうか。岡田:セキュリティ面は非常に重視しており、結論から言うと全く問題ありません。GPTなどのAIモデルはAPI経由で利用しているため、入力した情報が再学習に使われることはありません。また、システム基盤にはAWS(アマゾンウェブサービス)を採用し、セキュアな環境で構築・運用しています。住信SBIネット銀行様をはじめ、誰もが知るような大手企業様にも多数導入いただいており、各社の厳しいセキュリティチェックも当然パスしています。重要な情報を取り扱う企業様にも、安心してご利用いただけるツールです。瀧澤:ありがとうございます。注釈ChatGPT(チャットジーピーティー):米国のOpenAI社が開発した、対話型の人工知能チャットボット。Gemini(ジェミニ):Googleが開発した、マルチモーダルなAIモデル。AWS(アマゾンウェブサービス):Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称。高いセキュリティと信頼性を誇る。