生成AIの導入でどのような企業に依頼すれば良いかわからない大手企業に頼むべきか、専門性の高い中小企業に頼むべきか迷っている生成AIの導入は、業務の効率化や新しいサービスの創出など、企業にとって大きなメリットがあります。しかし、導入先の選定は難しく、コストや開発期間、技術力など、様々な観点から検討する必要があります。そこで今回は、生成AI導入に強い受託開発ベンダーの特徴や、おすすめの企業を紹介します。受託開発ベンダーに生成AI開発を依頼することで、専門性の高い人材や最新の技術を活用しながら、効率的に導入を進めることができます。生成AIの導入をお考えの方は、ぜひ本記事を参考にして、最適な受託開発ベンダーを見つけてください。受託開発ベンダーとは?受託開発ベンダーとは、クライアント企業から依頼を受けて、システムやソフトウェアの開発を行う会社のことを指します。つまり、社外のシステム開発担当として、依頼を受けてこなした業務の分だけ対価を得るビジネスモデルを採用しているものです。近年では、AI技術の発展に伴い、生成AIを活用したサービスの開発を受託するベンダーも増えてきました。このベンダーは、自社で培ったAI技術を駆使し、クライアント企業の課題解決に向けたシステム開発を支援しています。ただし、受託開発ベンダーを選定する際は、その会社の技術力や実績、サポート体制などを十分に吟味する必要があります。適切なベンダーを選ぶことで、自社のビジネスに最適なシステムを構築し、競争力の向上につなげることができるでしょう。SIerとの違い受託開発ベンダーとよく混同されるのが、SIer(システムインテグレーター)です。SIerもシステム開発を手がける点では受託開発ベンダーと共通していますが、ビジネスモデルに違いがあります。SIerは、複数のベンダーが開発したシステムを統合し、クライアント企業に提供するのが主な役割です。つまり、自社でシステムを一から開発するのではなく、既存のシステムを組み合わせてソリューションを提供するのがSIerの特徴と言えます。一方、受託開発ベンダーは、クライアント企業の要件に合わせてシステムを一から開発することが多いのが特徴です。自社の技術力を活かして、クライアントのニーズに合ったシステムを構築するのが受託開発ベンダーの強みだと言えるでしょう。ただし、大手のSIerの中には、自社でシステム開発も手がける会社もあります。そのため、SIerと受託開発ベンダーの違いは、あくまでも主たる業務の違いと捉えるのが適切です。生成AIを受託開発ベンダーに依頼する5つのメリット生成AIを受託開発ベンダーに依頼するメリットは、主に以下の5つが挙げられます。開発体制が整っている専門知識や分野のエキスパートに任せられる開発費用の比較検討がしやすい最新の生成AI技術を採用しながら開発スピードも担保できる生成AI導入における効果検証も容易開発体制が整っている生成AIの開発を専門とする受託開発ベンダーは、その分野に特化した人材や組織体制を整えています。AIエンジニアやデータサイエンティストといった専門家が在籍し、最新の技術動向を踏まえた開発が可能です。また、プロジェクトマネージャーやQAエンジニアなどもそろっているため、円滑なコミュニケーションと品質管理のもと、効率的な開発が期待できます。自社で一から開発体制を整えるのは簡単ではありませんが、受託開発ベンダーに依頼することで、その点の心配は無用です。専門知識や分野のエキスパートに任せられる生成AIの受託開発ベンダーの多くは、得意分野や強みを明確に打ち出しています。例えば、自然言語処理や画像認識、音声認識など、AIの各分野に特化したベンダーが存在します。このことから、依頼する側としては、自社の課題解決に必要な技術を持つベンダーを選びやすいです。また、専門性の高いベンダーほど、その分野の知見が豊富であるため、開発スピードが速く、高品質な成果物も期待できます。自前で専門家をそろえるのは難しくても、ベンダー選びさえ適切であれば、その点はクリアできるでしょう。開発費用の比較検討がしやすい複数の受託開発ベンダーに見積もりを取ることで、生成AI開発の費用感が掴みやすくなります。各社の提案内容やサービス価格を比較することで、自社に最適なベンダーを選定できるでしょう。逆に、自社単独で予算を組むと、知見不足から過大または過小な見積もりになりやすいです。また、金額面だけでなく、技術力や対応力なども含めて総合的に判断することで、バランスの取れたベンダー選定につながります。最新の生成AI技術を採用しながら開発スピードも担保できる生成AIの技術は日進月歩で進化しています。受託開発ベンダーは、常に最新の技術動向をウォッチしており、その知見を開発に活かすことができます。自社に最適な技術選定はもちろん、技術の組み合わせ方や応用方法のアドバイスを得られることも少なくありません。一方で、専門性の高いベンダーであれば、開発プロセスが確立されているため、スピード感のある開発も可能です。最先端の技術を取り入れつつ、短期間での開発を実現できるのは、ベンダーならではの強みだといえます。生成AI導入における効果検証も簡単受託開発ベンダーに依頼すれば、導入後の効果検証もスムーズに行えます。実際に生成AIを利用してみて、当初の目的が達成できているか、改善の余地はないかなどを確認する必要があります。ベンダーのサポートがあれば、このフェーズにおいても課題の発見や対策の立案がしやすくなるでしょう。さらに、より高度な生成AIの活用方法や、新たな技術の提案なども期待できます。自社だけで効果検証を進めるのは難しくても、ベンダーの知見を借りれば、PDCAサイクルを回しながら、生成AIの活用を深化させていくことができるのです。国内大手・生成AI受託開発ベンダーランキング5選国内には多数のベンダーが存在しますが、その中でも以下のような大手企業は、豊富な実績と技術力、迅速な提供速度、充実した情報発信量で注目を集めています。NTTデータ富士通IBMNECアクセンチュア各社に共通する特徴は、ベンダーとしてAIの提供速度が速く、情報発信量が多いという点です。それぞれ見ていきましょう。NTTデータNTTデータは、日本を代表するシステムインテグレーターの一社であり、生成AIの分野でも先進的な取り組みを行っている企業の1つです。同社は、生成AIの導入から活用までを一貫してサポートするサービスを提供しており、企業のDXを支援しています。NTTデータの生成AIソリューションは多岐にわたります。LITRONCoding by NTT DATAevatsuzumiNucleus加えて、NTTデータは、「HFS Research Generative AI Services」レポートでマーケットリーダーの1社に選出されるなど、生成AIの分野で高い評価を得ている企業でもあります。出典・参考:生成AI(Generative AI) | NTTデータ - NTT DATA富士通富士通株式会社は、日本を代表するIT企業の1つであり、生成AIの受託開発においても豊富な実績を有しています。この技術力を活かし、生成AIの領域でもサービスを展開しています。例えば、「Fujitsu Kozuchi」は、自然言語処理や画像認識などの生成AI技術を活用しており、企業のビジネス課題解決に貢献するサービスの代表格です。また、同社は、コンサルティングから開発、運用までの一貫したサポート体制を整えており、企業の生成AI導入をトータルにサポートしてくれます。富士通は、生成AIを活用したビジネス変革を推進する企業として、SDGsへの貢献も企業のパーパスに掲げているのも特徴の1つでしょう。出典・参考:世界初の技術で企業ニーズに対応した特化型生成AIを自動生成!エンタープライズ生成AIフレームワークを提供 : 富士通IBMIBMは、世界的な大手テクノロジー企業として、AIの研究開発と活用に注力している企業です。同社は、生成AIの領域でも先進的な技術を有しており、企業のAI導入を支援するサービスを提供しています。IBMのGenerative AIプラットフォーム「watsonx.ai」は、大規模言語モデルと自然言語処理を活用し、新しいコード作成やマーケティング資料の作成、データ分類などの業務を効率化できます。そのほかにも、以下は代表的なサービスとして挙げられるでしょう。'IBMwatsonx.ai'によるAIモデルの構築・デプロイ'IBMwatsonx.data'によるデータ活用基盤の提供'IBMwatsonx.governance'によるAIガバナンスのためのツールキットIBMは、日本市場向けの知見を提供する「IBM Institute for Business Value」や、製品スペシャリストによる30分の電話デモ説明会の申し込みなど、国内企業のAI活用を手厚く支援する体制を整えている点も強みです。出典・参考:生成AI | IBMNECNECは、日本の大手総合電機メーカーの1社であり、生成AIの受託開発サービスも提供しています。同社は長年培ってきたICT分野での技術力と実績を活かし、コンサルティングから設計、開発、運用までをワンストップで提供しています。また、NECは自社のAIプラットフォームを持ち、その上で顧客企業のニーズに合わせたカスタマイズ開発も可能です。加えて、生成AIの倫理的な活用にも注力しており、AIの公平性や説明可能性を確保するための技術開発にも取り組んでいます。生成AIの受託開発を検討する企業にとって、NECは技術力と実績を兼ね備えた選択肢の1つといえるでしょう。出典・参考:DXオファリングを支える「NEC Digital Platform」: Vol.74 No.2: 社会のデジタルトランスフォーメーションを加速するDXオファリング特集 | NECアクセンチュアアクセンチュア株式会社は、グローバルに展開するコンサルティング会社であり、AI領域においても豊富な実績を持つ企業の1つです。同社の技術力とコンサルティング能力を組み合わせることで、各業界に最適化されたAIソリューションを構築し、企業のデータ活用や業務効率化を実現しています。また、アクセンチュアは、世界各国に拠点を持つグローバル企業です。そのため、国内だけでなく海外のマーケットにおいても、生成AIの開発や運用に対応できます。グローバルな視点から、貴社のビジネス展開をサポートしてくれるでしょう。出典・参考:ジェネレーティブ AI テクノロジー サービス | アクセンチュア【10選】受託開発ベンダーとしてサービスを提供するおすすめの企業一覧生成AIの活用を検討する企業が増える中、受託開発ベンダーの選定は重要な課題となっています。先に触れた大手企業だけに限らず、生成AIに特化したサービスを提供し、ビジネスの課題解決を支援する国内の優良企業を厳選して紹介します。NOVEL株式会社株式会社ネッコス株式会社オルツ株式会社Laboro.AI株式会社クロスキャットA.N LAB株式会社アープ株式会社株式会社AVILEN(アヴィレン)株式会社エクサウィザーズNOVEL株式会社NOVEL株式会社では、生成AIの活用を検討する企業に向けて、AIコンサルティングサービスを提供しています。AIを導入するためには、まず自社のビジネスにおいてどの領域でAIを活用できるのかを特定することが大切です。そのため、コンサルではAIに関する基礎知識の共有から始まり、国内企業の事例を参考にしながら、業務フローを分解し、AIの適用可能な領域を見つけ出します。さらに、AIを導入することによるコスト削減効果や売上アップ効果の試算も実施。これにより、AIの導入が自社のビジネスにどのようなインパクトをもたらすのかを具体的に把握できます。NOVELのコンサルティング期間は2〜3か月と比較的短期間ですが、その間に集中的に自社のAI活用方針を固めることができます。弊社が運営するAIサービス(SAKUBUN等)は、2万アカウントを有し、これまでに50万回を超える利用実績があり、AI活用の課題やポイントを熟知しているため、その知見を活かしたアドバイスが可能です。まずは、お気軽にお問い合わせください!ソーバル株式会社ソーバル株式会社は、システム開発をサポートする企業の1つです。アプリケーション開発、ECサイト構築、Web業務管理システム開発、ハードウェア開発、組込みソフトウェア開発など、幅広い領域でトータルソリューションを提供しています。企画立案から制作まで、開発プロセスのすべての工程に対応可能です。また、経験豊富なSASプログラマーによる統計解析業務のサポートや、AIの導入支援、IoTの実証実験など、最新技術を活用したサービスにも取り組んでいます。出典・参考:ソーバル株式会社 | 技術で社会に貢献する株式会社ネッコス株式会社ネッコスは、AIテクノロジーを活用した業務効率化ソリューションの提供を得意とする受託開発ベンダーです。同社は、システム開発のディレクションから開発までをサポートし、顧客の課題解決に向けて一貫したサービスを提供しています。特に、LINEアプリ開発やLINEFrontFramework(LIFF)を活用したソリューションの提案に強みを持っており、ITや技術に詳しくない顧客に対しても、丁寧なヒアリングと要件定義に基づいた最適なシステムを構築できる点が特徴です。出典・参考:neccos | 株式会社ネッコス株式会社オルツ株式会社オルツは、パーソナル人工知能を中心としたAI活用、LLM開発、DX推進を行う企業です。同社は、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO 27001/ISMSの認証を取得しており、高いセキュリティ基準のもとでAIソリューションを提供しています。オルツは、自社開発のAI技術を活用し、企業のビジネス課題解決に向けたコンサルティングやシステム開発を行っています。特にパーソナル人工知能の領域ではユーザーの個人的な嗜好や行動パターンを学習し、最適化したサービスが強みです。出典・参考:[公式]alt|パーソナル人工知能を中心としたAI活用・LLM開発・DX推進|Personal Artificial Intelligence[株式会社オルツ]株式会社Laboro.AI株式会社Laboro.AIは、AI技術とビジネスをつなぐコンサルティング&サポートサービスを提供する会社です。同社は、カスタムAI開発に強みを持ち、テクノロジーとビジネスをつなぐことで、あらゆる産業におけるイノベーションの実現を目指しています。主な事業内容としては、ビジネスの成果につながるAIソリューションの開発、AI活用成功事例の提供、DXを通じた企業価値向上の提案などが挙げられます。株式会社オートネットワーク技術研究所や株式会社アスプコミュニケーションズなどの企業と協業実績があり、AI領域における開発ノウハウは非常に多いです。出典・参考:株式会社Laboro.AI – カスタムAI / オーダーメイドAI開発株式会社クロスキャット株式会社クロスキャットは、1973年の創業以来、50年以上にわたりシステム開発の実績を積み重ねてきた独立系SIerです。金融、クレジット、公共分野を中心に、長年培ってきたノウハウと先端技術を活かし、高品質なシステムソリューションを提供しています。近年では、AI・機械学習などの先進技術を取り入れ、顧客企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援にも注力。データ分析基盤の構築からデータ活用・分析、保守までをトータルでサポートし、企業のビジネス変革を後押ししています。出典・参考:ホーム | 株式会社クロスキャットA.N LABA.N LABは、東京とベトナムに拠点を置く、AI技術を活用したソリューション開発を手がける企業です。特に画像認識の領域において、長年の研究開発と200社以上の導入実績を有しています。同社の提供するサービスでは、中古車や洋服の画像から自動で買取査定を行う「かいとりロボ」シリーズや、数値データを自動読み取りする「7セグ画面OCR」などが代表的です。さらに、ChatGPTを活用した業界特化型の対話AIシステムの開発にも取り組んでおり、AIを活用したビジネス支援の幅を広げています。出典・参考:A.N LAB – A New Technology World株式会社アープ株式会社アープは、1995年に創業したAI開発を手がける企業の1つです。同社は、生成AIの活用を支援するサービスを提供しており、企業のDXを推進するソリューションを展開しています。具体的には、社内業務の効率化を実現するための生成AIツール群「TrustBuddyシリーズ」や、手間のかかるパソコン設定や定型業務を自動化するRPAソリューション「SetROBORPASolution」などを提供。さらに、エンジニアのスキルアップを支援するWebサイト「ARPABLE(アーパボー)」の運営も行っています。出典・参考:株式会社アープ|ソフトウェア開発・評価から自動化・セキュリティ製品株式会社AVILEN(アヴィレン)株式会社AVILEN(アヴィレン)は、AI技術の企画・開発・導入支援を行う会社です。データを利活用できる組織の構築支援や、DXリテラシー診断、DX組織開発戦略、DX/AI人材育成などのサービスを提供しています。同社の主なサービスは、AI技術実装サービス、デジタル組織開発サービス、生成AI活用支援、人材育成開発、コンサルティングなどです。特に、「AI技術実装」と「デジタル組織開発」を駆使したデータ利活用戦略で、顧客企業の経営変革を支援しているのが特徴です。出典・参考:AVILEN|データ×AIでビジネスに変革をもたらす株式会社エクサウィザーズ株式会社エクサウィザーズは、生成AIの安全なプラットフォーム「exaBase」の提供を中心に事業を展開している企業です。同社の強みは、高度なセキュリティ環境でのAIサービス提供にあります。機密情報のブロック機能やユーザー利用ログの管理など、セキュリティ面での対策に定評があるのが特徴です。また、自社データとの連携や業務の効率化支援にも注力しており、業務削減時間の可視化など、管理・分析機能が充実しているのも魅力の1つです。出典・参考:株式会社エクサウィザーズまとめ受託開発ベンダーに生成AI開発を依頼することで、専門性の高い人材や最新の技術を活用しながら、効率的に導入を進められます。また、開発体制が整っていることや、専門知識を持つエキスパートに任せられること、開発費用の比較検討がしやすいことなど、自社単独での開発と比べて多くのメリットがあります。とはいえ、ベンダー選定の際は、自社のビジネス規模やニーズに合わせて、最適なパートナーを見つけることが重要です。少しでもお悩みでしたら、弊社のAIコンサルティングサービスをぜひご利用ください。生成AIの導入から開発までトータルでサポートいたします。