今回ご紹介する「ElevenLabs」は、まさにその最前線を走る音声AIサービスです。驚異的な精度の文字起こしから、ワンクリックでの動画吹き替え、さらには自分の声をコピーするボイスクローンまで、多彩な機能を備えています。この記事では、AI開発の専門家である当社の代表・岡田とエンジニア・秋月の対談内容を基に、ElevenLabsが持つ驚くべき機能と、それをビジネスでどのように活用できるのかを徹底的に解説します。単なるツール紹介に留まらず、カスタマーサポートの自動化やグローバルなコンテンツ展開など、具体的な活用事例を交えながら、貴社のビジネスを加速させるヒントを提供します。ElevenLabsとは?音声AIの最前線を走る革新的ツール岡田:最近、非常に面白いと感じているのが「ElevenLabs」という音声AIサービスです。これはアメリカに本社を置きながら日本にも支社を持つ企業が開発したもので、音声合成や音声認識に特化した独自のAIモデルを構築しています。テキストの読み上げはもちろん、スピーチからテキストへの変換精度が驚くほど高く、様々な応用が期待できます。ElevenLabsは、単なるテキスト読み上げツールではありません。以下のような多岐にわたる機能を備えており、クリエイティブなコンテンツ制作からビジネスプロセスの自動化まで、幅広いニーズに対応します。機能カテゴリ具体的な機能主な特徴Speech Synthesisテキスト読み上げ(Text-to-Speech)29言語に対応し、非常に自然で感情豊かな音声を生成。ボイスクローン(Voice Cloning)わずか数秒の音声データから本人の声を忠実に再現。Voice & AI DubbingAI吹き替え(AI Dubbing)元動画の話し手の声質を保ったまま、他言語へ自然に吹き替え。Speech to Text文字起こし(Speech-to-Text)高精度な音声認識と話者分離機能を搭載。Projects長文コンテンツ制作本や記事などの長文を、章やセクションごとに音声化・管理。AI Call AgentsAI電話エージェントプロンプトに基づき、人間のように自然な対話が可能なAIエージェントを作成。ビジネスを加速させるElevenLabsの驚異的な機能ElevenLabsが他の音声AIツールと一線を画すのは、その圧倒的な「精度」と「応用範囲の広さ」です。ここでは、対談で特に注目された3つの機能について、ビジネス活用の視点を交えながら深掘りしていきます。驚異的な精度を誇る「文字起こし」と「話者分離」岡田:私が特に業務で活用しているのが、文字起こし機能です。例えば、iPhoneで録音した会議の音声ファイルをそのままアップロードするだけで、非常に精度の高いテキストデータが生成されます。特筆すべきは、複数の話者がいても、それを自動で分類してくれる「話者分離」の機能です。岡田:この精度は、一般的な文字起こしAIとして知られるOpenAIの「Whisper」をもしのぐ感覚があります。議事録作成ツールとしてtldvなどもありますが、これらのツールの精度は元となる文字起こしの質に大きく依存します。ElevenLabsで高精度なテキストを生成し、それをGPT o3やClaude 4 Opusのような最新LLMに要約・整形させることで、ほとんど手直しが不要なレベルの議事録を瞬時に作成できるのです。 これは、会議の多い部署の生産性を劇的に向上させる可能性を秘めています。ワンクリックで動画を多言語化する「AI吹き替え」岡田:次にご紹介したいのが「ダビング」という、動画の吹き替え機能です。試しに日本語のニュース動画をアップロードして、英語に吹き替えてみましょう。秋月:すごいですね。少しインド系のイントネーションが混じっている気もしますが、元のニュースキャスターの声質の特徴を保ったまま、自然な英語に吹き替えられています。岡田:この機能を使えば、日本国内向けに作成した製品紹介動画やマーケティングコンテンツを、低コストかつ短時間でグローバル向けに展開できます。 これまで言語の壁によってアプローチできなかった海外市場への扉を開く、強力な武器になり得ます。※トップページから吹き替えのデモを確認できます。https://elevenlabs.io/ja自分の声を完全再現する「ボイスクローン」岡田:さらに面白いのが、自分の声をAIに学習させてクローンを作る「ボイスクローン」機能です。私の声を10秒ほど録音して、インスタントボイスクローンというモードで試してみました。このクローン音声を使って、テキストを読み上げさせてみます。クローン音声:「文字起こしにElevenLabsがかなりいいです。自分もかなり愛用しています。」秋月:音質は若干異なりますが、岡田さんの声の特徴をかなり捉えていますね。岡田:これは簡易的なモードで試したものですが、「プロフェッショナルボイスクローン」という、より高品質なモードも用意されています。この技術を応用すれば、例えば営業担当者が自身の声でパーソナライズされたお礼メッセージを大量に自動生成したり、CEOの声をブランドのオフィシャルな音声コンテンツとして活用したりといった、新しい形のコミュニケーションが考えられます。ElevenLabsの具体的なビジネス活用事例と今後の展望ElevenLabsのポテンシャルは、個々の機能の性能の高さだけに留まりません。これらの機能を組み合わせることで、これまでにない革新的なソリューションを生み出すことができます。AI電話エージェントによるカスタマーサポートの自動化岡田:ElevenLabsの中でも特に将来性を感じるのが、「AI電話エージェント」を作成できる機能です。システムプロンプトに役割や知識を与えることで、AIが自律的に電話応対をしてくれます。実際に、私をモデルにした「AIコンサルタント岡田」を作って試してみました。AI岡田:「こんにちは。岡田と申します。本日はどのようなご用件でしょうか?AIやDXに関するご相談でしたらお力になれるかと思います。」ユーザー:「あなたは何ができる人なのか、教えてください。」AI岡田:「私はAI・DX分野で7年以上の経験を持つコンサルタントの岡田です。AI戦略の立案、機械学習の導入、DXコンサルティング、データ分析、そして業務自動化といった分野で、お客様の課題解決をお手伝いしています。」岡田:このように、設定したプロンプトに基づいて非常に自然な会話が可能です。LLMのモデルも選択でき、外部ツールと連携するファンクションコーリングにも対応しているため、単なるQ&Aだけでなく、予約受付や資料請求、一次ヒアリングといった具体的な業務を自動化できます。 これをWebサイトにウィジェットとして埋め込むことも可能で、24時間365日対応のカスタマーサポートセンターやインサイドセールス部隊として機能させることが現実的になってきています。まとめ今回は、最先端の音声AI「ElevenLabs」について、その驚異的な機能とビジネス活用の可能性を解説しました。高精度な文字起こしと話者分離による議事録作成の効率化AI吹き替え機能によるコンテンツのグローバル展開ボイスクローンを活用したパーソナライズドコミュニケーションAI電話エージェントによるカスタマーサポートやセールスの自動化ElevenLabsは、もはや単なる音声合成ツールではなく、ビジネスプロセスそのものを変革する力を持ったプラットフォームです。対談でもあったように、「音声」はテキストや画像に続く、生成AIの主戦場であり、大きなビジネスチャンスが眠るブルーオーシャンです。今後、リアルタイム処理の精度がさらに向上すれば、商談アシスタントや同時通訳など、活用の幅は無限に広がっていくでしょう。この技術革新の波に乗り遅れないよう、今から音声AIの活用を検討してみてはいかがでしょうか。その業務課題、音声AIで解決できるかもしれません「24時間対応のカスタマーサポートを低コストで実現したい」「作成した動画コンテンツを、海外の視聴者にも届けたい」「営業担当者の商談スキルを、AIで底上げしたい」このような課題をお持ちではありませんか?私たちは、お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、本記事でご紹介したElevenLabsのような最新のAI技術を活用して、ビジネスを加速させるための最適なご提案をいたします。AI戦略の策定から、具体的なシステム開発・導入、運用サポートまで、一気通貫でお任せください。「何から始めれば良いかわからない」という段階でも全く問題ありません。 まずは貴社の状況を、お気軽にお聞かせください。>> AI開発・コンサルティングの無料相談はこちら FAQQ1: ElevenLabsとはどのようなサービスですか?A1: ElevenLabsは、非常に自然で人間らしい音声を生成できる最先端のAI音声合成プラットフォームです。テキスト読み上げ、音声クローン、AIによる動画吹き替え、高精度な文字起こしなど、音声に関する幅広い機能を提供し、ビジネスからクリエイティブまで様々な用途で活用されています。Q2: ElevenLabsの日本語の精度はどのくらいですか?A2: 非常に高い精度を誇ります。本記事の元となった対談でも議論されている通り、自然なイントネーションや感情表現に優れており、機械的な印象をほとんど与えません。文字起こし機能においても、高い認識率と話者分離精度を実現しています。Q3: ビジネスでElevenLabsをどのように活用できますか?A3: 主な活用例として、①AI電話エージェントによるカスタマーサポートの自動化、②製品紹介動画などのコンテンツを多言語に吹き替えてグローバル展開、③高精度な文字起こし機能による議事録作成の効率化、④営業担当者の声を複製したパーソナライズド音声メッセージの送付などが挙げられます。Q4: ElevenLabsの利用料金はどのくらいですか?A4: 無料プランから、利用量に応じた複数の有料プランまで用意されています。無料プランでも基本的な機能を試すことができますが、ビジネスで本格的に活用する場合は、生成できる文字数が多い有料プランへの加入が推奨されます。詳細な料金体系は公式サイトをご確認ください。ツール・サービス注釈ElevenLabs: https://elevenlabs.io/ 本記事で紹介した、最先端のAI音声合成・認識プラットフォーム。tldv: https://tldv.io/ Google MeetやZoomの会議を録画、文字起こし、要約するAI議事録ツール。Whisper: OpenAI社が開発した、オープンソースの高精度な自動音声認識(ASR)モデル。