現代は、情報爆発の時代と言われて久しく、私たちは日々、膨大な量の情報にさらされています。Webサイトの記事、SNSの投稿、動画コンテンツ、学術論文など、その種類は多岐にわたります。これらの中から本当に価値のある情報を見つけ出し、知識として定着させることは、ビジネスパーソンや学生にとって喫緊の課題となっています。「後で読もう」とブックマークした記事が溜まる一方、本当に必要な時にその情報を見つけ出せない…そんな経験はありませんか?この情報過多の課題を解決するため、Googleが開発したのがAI搭載の次世代ノートツール「Notebook LM」です。本記事では、このNotebook LMがどのように私たちの情報収集や学習のあり方を変えるのか、具体的な使い方から、ポッドキャスト生成のような応用テクニックまで、専門家の対談形式で徹底解説します。この記事を読めば、あなたもNotebook LMを最大限に活用し、情報を効率的な知識源に変える方法をマスターできるでしょう。Notebook LMとは?Googleが提供する次世代のノートツール岡田:今回は、Googleが提供する「Notebook LM」をテーマに、その効率的な使い方について深掘りしていきたいと思います。私自身、個人でPro版を契約して日常的に活用しています。秋月:Notebook LM、注目されているツールですよね。まずは基本的なところから教えていただけますか?情報ソースを基盤とするAIアシスタント岡田:はい。まず大前提として、Notebook LMは単なるメモ帳アプリではありません。最大の特徴は、ユーザー自身がアップロードした情報(=ソース)だけを知識源として、AIが対話や要約を行ってくれる点です。一般的なチャットAIのように、インターネット上の不確かな情報から回答を生成するのではなく、信頼できる手元の資料に基づいて動作するため、情報の正確性を担保しやすいのが大きなメリットです。▼Notebook LMに追加できる主なソースソースの種類内容活用例WebサイトURLを貼り付けると、AIが内容をスクレイピングして読み込む。気になったニュース記事やブログ記事を保存。YouTube動画のURLを貼り付けると、自動で文字起こしデータを取得する。講演会やインタビュー動画の内容をテキストで確認。PDFファイルPCから直接PDFファイルをアップロードする。論文や調査レポート、会議資料などを読み込ませる。Google ドライブGoogleドキュメントなどを直接連携できる。自身で作成したメモや文書を知識源にする。テキストコピーテキストを直接貼り付けてソース化する。メールの一部など、断片的な情報を手軽に追加。岡田:私の主な使い方は、海外のベンチャーキャピタルのレポートや、AIの最新動向に関するWeb記事をどんどん追加していき、それらを横断的に分析・要約させるというものです。例えば、「AIが既存産業のビジネスモデルにどのような変化をもたらすのか?」といった抽象的な問いに対しても、自分が追加したソース群の中から関連する記述を拾い集め、整理された回答を生成してくれます。秋月:なるほど。自分で情報の質をコントロールできるわけですね。Notebook LM Proの料金とメリット岡田:ちなみに、私は有料版の「Notebook LM in Pro」を使っています。料金は月額2,900円(税込)です。秋月:Pro版ならではのメリットはあるのでしょうか?岡田:明確なメリットは、追加できる情報ソースが多いことです。ノートブックあたりの追加できるソース数は300件になります。本格的に運用したい方にはこちらがおすすめです。Notebook LMの具体的な使い方と活用シーン岡田:では、具体的な使い方をいくつかご紹介します。基本は「ソースを追加して、チャットで質問する」だけですが、いくつか便利な機能があります。Chrome拡張機能でシームレスな情報収集岡田:普段から情報収集をしていると、「この記事、後でじっくり読みたい」と思う場面が多々ありますよね。そんな時に便利なのが、Google Chromeの拡張機能です。秋月:拡張機能もあるんですね。岡田:はい。「Notebook LM Web Importer」という非公式(野良)の拡張機能があるのですが、これを使うと閲覧中のWebページをワンクリックでNotebook LMにソースとして追加できます。これで、気になる記事を次々に放り込んでおけば、後でまとめてチャット形式で要約させたり、内容について深掘りしたりできるので、情報収集が非常にはかどります。秋月:それは便利ですね。ブックマークが整理できない問題から解放されそうです。https://chromewebstore.google.com/detail/notebooklm-web-importer/ijdefdijdmghafocfmmdojfghnpelnfn?hl=ja思考を整理するマインドマップ機能岡田:もう一つ面白いのが、追加したソース群を基にマインドマップを自動生成してくれる機能です。秋月:マインドマップですか!岡田:はい。例えば、複数のレポートや記事から情報を集めていると、頭の中がごちゃごちゃしてきますよね。そんな時、マインドマップを生成させると、トピック間の関連性や全体像を視覚的に把握できます。さらに、生成されたマインドマップの各項目(ノード)をクリックすると、そのトピックについてさらに深掘りするための質問をAIが提案してくれるんです。秋月:思考の壁打ち相手になってくれるようなイメージですね。複数のソースに情報がまたがっている時に特に役立ちそうです。【応用編】Notebook LMを最強の学習ツールに変える裏技岡田:ここからは、Notebook LMをさらに一歩進んだ学習ツールとして活用するための、少し応用的な使い方をご紹介します。ポッドキャスト自動生成で「ながら学習」を実現岡田:私が特に画期的だと感じているのが、ソースの内容を要約した音声ポッドキャストを自動で生成する機能です。秋月:ポッドキャストですか!それはすごい。岡田:ええ。例えば、これから商談に向かう企業のIR情報やプレスリリースを全部Notebook LMに読み込ませて、ポッドキャストを生成します。そして、移動中の電車の中などでそれを聴くんです。そうすることで、商談前に相手企業の情報を効率的に頭に入れることができます。秋月:確かに、耳からインプットできると学習効率が格段に上がりますね。テキストを読む時間がない時でも、通勤時間や家事をしながら学習できるのは大きなメリットです。岡田:まさに「ながら学習」ですね。インプットの機会が飛躍的に増えます。ノートブックの共有機能でチームの知識資産を構築岡田:最近のアップデートで、作成したノートブック(ソースとチャット履歴のセット)を他の人と共有できるようになりました。秋月:チームでの活用も可能になったんですね。岡田:その通りです。共有リンクを送るだけで、チームメンバーや共同研究者と、同じ情報ソースを基盤にしたAIチャット環境を共有できます。これにより、特定のプロジェクトに関する知識や情報をチームの共有資産として蓄積し、活用していくことが可能になります。誰がどのような活動をしたかのアクティビティも確認できるようです。秋月:属人化しがちな知識を、チーム全体で共有・深化させていくための強力なツールになりそうですね。Notebook LMを利用する上での注意点岡田:非常に便利なNotebook LMですが、いくつか注意点もあります。ソースの数が増えてくると、管理が少し大変になることがあります。秋月:ソースのグループ分けのような機能はないのでしょうか?岡田:ノートブックという大きな単位でプロジェクトを分けることはできるのですが、一つのノートブック内でソースをフォルダ分けするような機能は今のところありません。ソースは最大300個まで追加できるのですが、例えば「◯◯業界に関する記事だけを参考にして回答してほしい」といった場合、手動で不要なソースのチェックを一つひとつ外していく必要があり、少し手間がかかります。秋月:なるほど。特定のテーマに絞ってノートブックを作成するなど、運用上の工夫が必要になりそうですね。まとめ岡田:今回はNotebook LMについて解説してきましたが、いかがでしたか?秋月:単に情報を保存するだけでなく、AIとの対話を通じて知識を深めたり、マインドマップやポッドキャストといった形でアウトプットを変えたりできる点が非常に魅力的だと感じました。情報収集や学習の生産性を劇的に向上させるポテンシャルがありますね。岡田:そうですね。Notebook LMは、情報を受け身で消費するのではなく、自ら情報源を構築し、AIをパートナーとして能動的に知識を創造していくためのツールだと言えます。WebサイトやPDFを読み込ませる基本的な使い方から、ポッドキャスト生成のような応用機能まで、その可能性は無限大です。情報過多の時代を生き抜くための必須スキルとして、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。その業務課題、AIで解決できるかもしれません「AIエージェントで定型業務を効率化したい」「社内に眠る膨大なデータをビジネスに活かしたい」このような課題をお持ちではありませんか?私たちは、お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、本記事でご紹介したような最新のAI技術を活用して、ビジネスを加速させるための最適なご提案をいたします。AI戦略の策定から、具体的なシステム開発・導入、運用サポートまで、一気通貫でお任せください。「何から始めれば良いかわからない」という段階でも全く問題ありません。 まずは貴社の状況を、お気軽にお聞かせください。>> AI開発・コンサルティングの無料相談はこちらFAQ(よくある質問)Q1. Notebook LMは無料で使えますか?料金はいくらですか?A1. Notebook LMには無料版と有料版(Pro)があります。無料版でも基本的な機能は利用できますが、より高性能なモデルや多くの機能を利用したい場合は有料版が推奨されます。対談内では、Pro版の料金は月額2,900円程度と述べられています。最新の料金体系は公式サイトをご確認ください。Q2. Notebook LMで読み込めるファイル形式は何ですか?A2. PDF、テキストファイル(.txt)に対応しています。また、WebサイトのURLやYouTubeのURLを貼り付けて内容を読み込ませたり、Googleドライブ内のドキュメントと連携したりすることも可能です。Q3. Notebook LMの情報は常に最新ですか?A3. Notebook LMが回答や要約を生成する際の情報源は、ユーザーがアップロードした「ソース」に限定されます。そのため、ソースの内容が古ければ、生成される情報もその内容に基づきます。インターネット全体から最新情報を検索する機能とは異なるため、注意が必要です。Q4. Notebook LMは日本語に対応していますか?A4. はい、日本語に完全対応しています。インターフェースはもちろん、日本語のソースの読み込み、日本語でのチャットなど、全ての機能を日本語でスムーズに利用することができます。注釈Notebook LM: Googleによって開発された、AIを活用したリサーチアシスタントツール。Gemini: Googleが開発したマルチモーダルAIモデルのファミリー。スクレイピング: Webサイトから情報を自動的に抽出する技術。マインドマップ: 中心的なテーマから関連するアイデアを放射状に広げていく思考整理法。