FAX受注を電子化する3つのレベル|脱ペーパーレスから受注自動化まで、自社に最適なロードマップを徹底解説
最終更新日:
2025.11.4

監修者情報

岡田 徹
NOVEL株式会社 代表取締役
大阪大学在学中よりエンジニアとして活動し、複数のプロダクト立ち上げを経験。
2019年2月にNOVEL株式会社を設立。
2022年より生成AI領域に特化し、
AIライティングSaaS『SAKUBUN』(累計70万回利用・2万アカウント)を企画・開発。大手メディアや人材企業・出版企業への導入実績を持つ。
現在は中堅企業向けAIコンサルティングに注力し、製造業・小売業・金融機関など業種を問わず、生成AIの導入から定着までを一気通貫で支援している。
著書: 『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)
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「国はFAX廃止を掲げているが、現場ではまだまだ現役だ」
「自社はメールやシステムに移行したいのに、取引先がFAXを使い続けるから、やめられない」
「FAX受注の電子化」を検討する際、多くの中小企業がこのようなジレンマを抱えています。特に事務スタッフの方々は、毎日届くFAX注文書を印刷し、基幹システムに手入力する作業に追われているのではないでしょうか。
その手入力、「生産性の低下」や「入力ミス(ヒューマンエラー)」、さらには「業務の属人化」といった経営課題の温床になっていることに、経営層は気づき始めています。
しかし、一口に「電子化」と言っても、単に紙をPDFにする「脱ペーパーレス」から、AIで読み取りシステムに自動入力する「業務自動化」まで、目指すレベルは様々です。
この記事では、FAX受注の電子化を3つのレベルに分け、自社が今どこにいて、どこを目指すべきかの最適なロードマップを徹底解説します。
非効率とはわかっていても、長年の慣習で続いてきたFAX受注の手入力。しかし、この業務を放置することは、企業にとって4つの深刻なリスクをもたらします。
最も明白な問題です。
FAXが届くたびに、担当者が複合機まで紙を取りに行き、内容を目で確認し、販売管理システムやExcelに一件ずつ手入力する…。
注文書の件数や項目が多ければ多いほど、膨大な時間がかかります。さらに、見落とされがちな「インク代」や「紙代」といったランニングコストも、年間で見れば決して無視できません。
「人間だからミスはつきもの」では済まされないのが受注業務です。
人間が手入力する以上、どれだけ注意しても1%程度の入力ミスは発生すると言われています。「1」と「7」の読み間違い、数量の桁間違い、品番の入力漏れ…。
これらの小さなミスが、誤出荷や請求ミスに繋がり、最終的には「あの会社はミスが多い」という取引先からの信用失墜に直結します。
手入力作業は、特定の担当者に依存しがちです。
「A社からの注文書は、いつもこの略語で書いてあるけど、本当はこの商品のことだ」
「この複雑なフォーマットの申込書は、あの人しか処理できない」
このような「暗黙知」が積み重なると、その担当者が休んだり退職したりした途端に業務がストップしてしまいます。業務プロセスがブラックボックス化し、組織としての対応力が著しく低下するのです。
特に卸売業や製造業において、スピードは命です。
取引先から「この商品の在庫と納期は?」という見積もり依頼がFAXで届いたとします。そのFAXが紙の山に埋もれ、担当者の手入力待ちになっている間に、競合他社がシステムで即座に回答したらどうなるでしょうか?
言うまでもなく、早く回答した方に仕事は流れます。手入力によるタイムラグが、気づかぬうちにビジネスチャンス(機会損失)を逃している可能性は高いのです。
これらの課題を解決するため、「FAXの電子化」は3つの段階(レベル)で考えることができます。自社が今どのレベルにおり、どこを目指すべきかを確認しましょう。
レベル1(脱ペーパーレス) | レベル2(データ化) | レベル3(業務自動化) | |
|---|---|---|---|
目的 | 紙のFAXをなくすこと。検索性を上げること。 | FAXの「文字情報」をテキストデータにすること。 | テキストデータを「活用」し、手入力作業をゼロにすること。 |
主な手段 | 複合機連携、クラウドFAX | 従来のOCR、データ化代行サービス、AI OCR | AI OCR + RPA連携、システム連携 |
主なメリット | 紙・インク代削減。保管場所不要。 | PDF内の文字検索。コピー&ペーストが可能に。 | 転記作業の自動化。ヒューマンエラーゼロ。 |
残る課題 | システムへの手入力作業は残る。 | テキスト化の精度。手動での修正作業。 | 導入・連携コスト。 |
これは電子化の第一歩です。複合機の機能や「クラウドFAX」サービスを導入し、受信したFAXを紙で印刷せず、最初からPDFデータとしてサーバーやPCに保存する段階です。
メリット: 紙代・インク代が不要になります。保管場所も取らず、PC上で検索できるため、過去の注文書を探す手間が省けます。
課題: あくまで「紙がPDFに変わっただけ」です。PDFを見ながらシステムに手入力する作業は残るため、生産性の大幅な向上やヒューマンエラーの根本解決には至りません。
レベル1で作成したPDFファイルにOCR(光学的文字認識)をかけ、画像データから文字情報を抽出し、テキストデータに変換する段階です。
メリット: PDFが単なる「画像」から「テキスト情報」に変わるため、ファイル内の文字検索や、注文書の一部をコピー&ペーストする作業が可能になります。
課題: 従来のOCRでは、読み取り精度(特に手書き文字)が低く、結局は目視での確認と手修正が大量に発生することがあります。
レベル2でテキスト化したデータを、RPA(ロボットによる業務自動化)やシステム連携を用いて、販売管理システムなどに自動で入力(自動転記)する段階です。これがFAX受注電子化の最終ゴールと言えます。
メリット: 人間の介在を必要とせず、受注データが自動でシステムに登録されます。これにより、手入力作業がゼロになり、生産性が劇的に向上。ヒューマンエラーも根絶できます。
課題: 高性能なAI-OCRの選定と、既存システムとのスムーズな連携が不可欠です。
自社が目指すレベルに応じて、具体的なソリューションは異なります。それぞれの特徴と注意点を解説します。
多くの業務用複合機には、スキャンした紙文書をOCR処理する機能が標準搭載されています。
メリット: 追加コストなしで始められます。
デメリット: あくまで「おまけ」の機能であることが多く、OCRの性能が低いケースが散見されます。特に昔のOCR技術(枠で読み取るタイプ)の場合、読み取り精度が実用に耐えないことも多いです。
専用のFAX番号が発行され、そこに届いたFAXが自動でPDF化され、メールやクラウドストレージに転送されるサービスです。
メリット: 最初からPDFで受信できるため、紙やインクが不要になります。後述するAI- OCRツールとの連携が非常にスムーズです。
デメリット: これ単体ではレベル1(PDF化)までしか実現できません。レベル3を目指すにはAI-OCRが別途必要です。
受信したFAXを専門の業者に送り、オペレーターに手入力してもらうサービスです。
メリット: 自社のリソースを使わずにデータ化が実現します。少量であればAI-OCRを導入するより安価な場合があります。
デメリット: 1件あたりのコストがかかります。また、外部に業務を委託するため、業者の担当者が退職した際の引き継ぎがうまくいかず、一時的に業務が不安定になるリスクも存在します。
現在のFAX電子化の主流です。AI技術を活用し、高精度で文字を読み取り、データ化・自動化を実現します。
メリット: 高い読み取り精度(特に手書き文字)を持ち、RPAなどと連携させることでレベル3(業務自動化)まで一気に目指せます。
デメリット: 導入コストや月額費用がかかります。どのツールを選ぶかが非常に重要です。
もしあなたの会社が「手入力作業をゼロにしたい(レベル3)」を目指すなら、AI-OCRツールの選定が成功の鍵を握ります。しかし、多くのベンダーが「高精度」を謳う中、どこを見れば良いのでしょうか。

従来のOCRは、「この枠(座標)には、品番が書かれている」というように、帳票の「枠」で読み取る場所を指定していました。そのため、取引先ごとにフォーマットがバラバラな注文書には対応できませんでした。
一方、最新のAI-OCRは、「意味」を理解します。「これは社名っぽい」「これは金額っぽい」とAIが判断するため、フォーマットがバラバラな非定形帳票でも、必要な情報を正確に抽出できます。FAX受注の自動化において、この機能は必須です。
FAX注文書には、手書きの文字や、商品の略称(表記ゆれ)がつきものです。
手書き文字: 活字の読み取り精度は各社横並びになりつつありますが、クセのある手書き文字をどれだけ正確に読み取れるかは、AIの性能差が出やすい部分です。
表記ゆれ: 「商品A」と「A(商品)」、「(株)B商事」と「B商事(株)」のように、同じ意味でも表記が異なるものを、AIが自動で「商品A」「B商事」と正規化(統一)してくれる機能があるかどうかも重要です。これが無いと、結局は人間が手修正する必要が出てきます。
実は、AIの裏側(AI基盤)は、どの会社も似たような技術を使っていることが多く、読み取り精度だけで決定的な差はつきにくくなっています。
本当の差がつくのは、「現場の業務に組み込めるか」です。
販売管理システムや複合機とスムーズに連携できるか?
現場の担当者が、マニュアルなしでも直感的に使えるシステムになっているか?
どんなに高性能なシステムでも、現場で使われなければ(定着しなければ)意味がありません。システム導入の目的は、AIの性能を試すことではなく、業務を自動化して現場の負担を減らすことにあるはずです。
もし、あなたの会社が「レベル3:業務自動化」を目指しており、特に「非定形帳票」「手書き」「表記ゆれ」といったFAX受注特有の課題を解決したいとお考えなら、当社の「AI受発注くん」が最適です。
「AI受発注くん」は、FAXやPDFで届く注文書・発注書の転記作業を自動化するAIソリューションです。PDFをアップロードするだけで、必要な項目をAIが自動で抽出し、お使いの販売管理システムに取り込める形式(CSVなど)で出力します。
「AI受発注くん」の主な特長:
高精度なAI-OCR: 業界トップクラスのAI-OCRエンジンを搭載。手書き文字も95%以上の精度で読み取ります。
表記ゆれの自動正規化: 取引先ごとの商品の略称や旧漢字などを、マスターデータと照合して自動で正規化。手修正の手間を削減します。
柔軟なシステム連携: お使いの販売管理システムに合わせたCSVフォーマットを自由にカスタマイズして出力可能。RPA開発も不要です。
実際に「AI受発注くん」を導入した企業様からは、「月間の処理時間が90%削減された」「転記ミスがゼロになった」「年間200万円以上のコスト削減効果が出た」といったお声をいただいており、導入企業の98%が効果を実感しています。
「AI受発注くん」が、なぜ従来のOCRや他社ツールと違い、現場に「定着」し成果を出せるのか。その理由は、私たちがFAX受注の現場を徹底的に研究し、「本当に使えるシステム」にこだわったからです。
まずは、その「読み取り精度」と「使いやすさ」を、ぜひ無料トライアルでお試しください。
FAX受注の電子化は、「紙をなくす(レベル1)」だけでは不十分です。AI OCRを活用して「手入力作業をなくす(レベル3)」ことこそが、生産性の向上、ヒューマンエラーの撲滅、そして属人化の解消に繋がります。
まずは自社の現在地を把握し、レベル3の「業務自動化」をゴールに据えたロードマップを描くことが重要です。この記事が、貴社のFAX業務改善の一助となれば幸いです。
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