まだFAXと電話で消耗してる?食品業界の受注システム導入で「賞味期限」「温度帯」のミスと廃棄ロスをゼロにする方法
最終更新日:
2025.11.14

監修者情報

岡田 徹
NOVEL株式会社 代表取締役
大阪大学在学中よりエンジニアとして活動し、複数のプロダクト立ち上げを経験。
2019年2月にNOVEL株式会社を設立。
2022年より生成AI領域に特化し、
AIライティングSaaS『SAKUBUN』(累計70万回利用・2万アカウント)を企画・開発。大手メディアや人材企業・出版企業への導入実績を持つ。
現在は中堅企業向けAIコンサルティングに注力し、製造業・小売業・金融機関など業種を問わず、生成AIの導入から定着までを一気通貫で支援している。
著書: 『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)
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「またFAXの読み間違いで数量を間違えた…」「この商品、温度帯が違うのに混ざってる!」「賞味期限の管理が追いつかない!」
食品業界のバックオフィスでは、毎日こんな悲鳴が上がっていないでしょうか。
FAX、電話、メール、PDF添付…とバラバラな経路で届く注文。それを必死に手入力し、基幹システムに転記する日々。特に食品業界では、商品点数の多さ、複雑なロット管理、そして「賞味期限」や「温度帯」といった厳格な管理が求められます。
たった一つの転記ミスが、誤った商品の発送、大量の在庫過多、そして最悪の場合、致命的な「廃棄ロス」につながりかねません。
受注業務は、単なる事務作業ではなく、売上を作るための「生命線」です。
本記事では、なぜ食品業界の受注業務がこれほどまでに非効率化してしまうのか、その根本原因を解き明かし、「廃棄ロス」と「機会損失」をゼロにするための具体的な解決策(処方箋)を、現場の声を基に解説します。
現場のスタッフがどれだけ頑張っても非効率から抜け出せない。そのボトルネックは、大きく分けて3つあります。
最大の原因は、受注チャネルが分散していることです。
昔ながらの取引先からはFAX
急ぎの注文は電話
少しITに詳しい会社からはメール本文やPDF添付
大手取引先からは専用のWeb EDI
まるでサポートセンターのように、担当者はあらゆる入り口を常に監視し、異なる形式の注文を処理しなくてはなりません。これがまず、業務を複雑化させる第一の要因です。
「この省略された商品名は、Aさんじゃないと分からない」「あの取引先からのFAXは、このルールで処理する」
長年の経験で培われた“阿吽の呼吸”や“暗黙のルール”が、業務の属人化を生んでいます。その担当者が休んだり、万が一退職してしまったりすると、受注業務が完全にストップしてしまうリスクを常に抱えているのです。
結局のところ、受注業務で最も時間を奪われるのが、FAXやメールで来た注文情報を、自社の基幹システムや販売管理システムに手入力(またはコピペ)する作業です。
この「アナログをデジタルに変換する」作業は、単なるコスト削減の問題ではありません。例えば、「15件」の注文を「150件」と入力ミスしてしまえば、一瞬で135件もの過剰在庫(=廃棄ロス予備軍)を生み出してしまいます。
この問題は、他の業界に比べて食品業界でより深刻化します。
一つの注文書に20品目がズラリと並ぶことも珍しくありません。さらに、「kg」や「パック」といった単位の違い、「ロット」指定など、ミスが許されない項目が並びます。
食品業界で最も恐ろしいのが、賞味期限と温度帯の管理ミスです。
「先入れ先出し」が徹底できない、あるいは「常温」と「冷蔵」の指定を間違えて出荷してしまうと、それはクレームでは済まされず、すべて「廃棄ロス」として経営に直接打撃を与えます。
食品卸売業や商社は、地元の小規模な飲食店や小売店とも広く付き合いがあります。こうした取引先は、長年使っているFAXや電話での注文が当たり前。「ECサイトから注文してください」とお願いしても、なかなか変えてはくれません。

このカオスな状況を解決する処方箋は、大きく分けて2つのアプローチがあります。
一つは、今のアナログな業務(FAXやメール)は変えずに、「手入力」の部分だけをAI-OCRやRPAを使って自動化する方法です。
取引先に協力を仰ぐ必要がなく、「相手に気づかれず自社だけDXする」という、非常に現実的なアプローチです。
もう一つは、取引先にも協力してもらい、専用のWeb受発注システム(B2Bシステム)を導入し、注文の入り口をそこに「一元化」する方法です。
そもそも手入力や読み取りが発生しないため、受注ミスを根本からゼロにできる、最も理想的なアプローチです。
では、具体的にどう進めればよいのでしょうか。
まずは、取引先への影響が少ない「自動化」から見ていきましょう。
まず、物理的なFAX機をなくし、クラウドFAXを導入します。電話番号は変えずに、FAX注文をすべてPDFとしてメールやシステムで受信できるようにします。これだけで、紙の印刷やスキャンといった手間がゼロになります。
次に、受信したPDFをAI-OCRにかけ、注文書の内容をデータ化します。「どの会社」から「どの商品」を「何個」という情報をAIが自動で読み取ります。
メール本文で注文が来る場合: AI(LLM)が本文を解析し、必要な情報を抽出します。
PDF添付で注文が来る場合: FAXと同様にOCRで処理します。
最後に、OCRでデータ化された情報を、自社の販売管理システムや基幹システムにAPIやCSVで自動連携させます。これにより、地獄だった「転記作業」が完全に不要になります。

次に「一元化」のアプローチです。
メリットは絶大です。受注ミスはゼロになり、手入力も不要。さらに、自社の在庫管理システム(WMS)と連携させれば、在庫数や納期をリアルタイムで取引先に開示できます。これにより、担当者が「在庫ありますか?」という電話対応に追われることもなくなります。

ただし、大きなハードルが2つあります。
取引先の説得: 「FAXや電話をやめて、このシステムから発注してください」と、すべてのお客様に説得し、使い方を覚えてもらう必要があります。
移行率の壁: 現実的には、すべての取引先が移行してくれるわけではありません。特に前述したローカルの小規模店などはFAXに残り、「移行率は50%程度。残りの50%は結局FAX対応」というケースも少なくありません。
では、食品業界の複雑な要求に応えるシステムは、どう選べばよいのでしょうか。B2C向け(楽天やShopifyなど)とは全く仕様が異なるため、以下の5つの鉄則を押さえてください。
鉄則1: 取引先ごとの「価格・掛け率」を自動表示できるか
A社にはこの価格、B社にはこの掛け率、という複雑な価格設定を取引先ごとに管理・自動表示できる機能は必須です。
鉄則2: 在庫管理(WMS)とリアルタイム連携できるか
在庫情報をリアルタイムで連携できなければ、結局「在庫確認」の電話はなくなりません。APIやCSVでの連携が可能か確認しましょう。
鉄則3: 「賞味期限」「ロット」「温度帯」管理に対応できるか
ここが最重要です。食品業界特有の仕様(ロット管理、温度帯指定など)に対応できるか、カスタマイズが可能かは必ず確認してください。
鉄則4: 古いFAX文化も見捨てない「AI-OCR機能」があるか
前述の通り、FAXがゼロになることはありません。B2Bシステムを導入しても残ってしまうFAX注文を処理するため、システム自体にAI-OCRの取り込み機能が備わっていると、対応が一本化でき最強です。
鉄則5: 取引先がスマホで迷わず使えるか
取引先(飲食店の店長など)が、現場や移動中にスマホから簡単に発注できるか。UI/UXの使いやすさも移行率を左右します。
結局、どちらの会社がどちらのシステムを導入すべきなのでしょうか。
AI-OCRが向く会社: 取引先が非常に多く、FAX文化が根強く、移行の説得が困難な場合。
B2Bシステムが向く会社: 取引先が大手中心、または自社の力が強く、システム移行を主導できる場合。
しかし、現場の実態として「基本、FAX注文はなくならない(最低でも2〜3割は残る)」のが現実です。
だからこそ、食品業界の最適解は、「B2B受発注システムを主軸にしつつ、どうしても残るFAXやメール受注はAI-OCR機能でカバーする」というハイブリッド型(両方に対応できるシステム)を選ぶことです。
とはいえ、「いきなり全社的なシステムを導入するのはハードルが高い」「まずは、今一番つらいFAXの転記作業だけでも効率化したい」という方も多いはずです。
もしあなたが、
毎日、何十枚、何百枚ものFAXやPDFを手入力している
商品名の「表記ゆれ」(省略名や旧漢字など)の確認に時間がかかる
手書きの注文書が混じっており、読み取りに苦労している
そんな課題をお持ちなら、AI-OCRソリューション「AI受発注くん」がおすすめです。
「AI受発注くん」は、注文書・発注書の転記作業を自動化するAIソリューションです。
特長:
高精度な読み取り: AIが手書き文字も95%以上の精度で読み取ります。
表記ゆれの自動正規化: 事前に商品マスターを登録しておけば、取引先ごとの商品名の「表記ゆれ」や省略名を自動で正規化します。
簡単なシステム連携: 読み取ったデータは、お使いの販売管理システムに取り込めるCSV形式で自由に出力(カスタマイズ可能)できます。
実際に導入した企業では、「受注処理時間が90%削減できた」「転記ミスがゼロになった」といった効果が報告されています。
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