受発注の問い合わせ対応は「減らす」が9割。電話とメールを激減させ、業務中断をなくす3つのステップ
最終更新日:
2025.11.11

監修者情報

岡田 徹
NOVEL株式会社 代表取締役
大阪大学在学中よりエンジニアとして活動し、複数のプロダクト立ち上げを経験。
2019年2月にNOVEL株式会社を設立。
2022年より生成AI領域に特化し、
AIライティングSaaS『SAKUBUN』(累計70万回利用・2万アカウント)を企画・開発。大手メディアや人材企業・出版企業への導入実績を持つ。
現在は中堅企業向けAIコンサルティングに注力し、製造業・小売業・金融機関など業種を問わず、生成AIの導入から定着までを一気通貫で支援している。
著書: 『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)
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「また電話だ…」「このメール、昨日も返したはずなのに…」
受発注業務において、ひっきりなしに鳴る電話や、納期確認・在庫確認のメール対応。担当者の方々は、これらの「問い合わせ対応」によって本来の業務が中断され、ストレスを感じているのではないでしょうか。
インタビューでも「(問い合わせは)地獄」という言葉が出るほど、現場の負担は深刻です。
多くの企業が「問い合わせ対応を早くする」ことに注力しがちですが、根本的な解決にはなりません。本当に目指すべきは、「問い合わせの種を摘み、発生させない」ことです。
この記事では、狙うキーワード「受発注業務の問い合わせ対応を効率化する3つのコツ」を踏まえ、業務中断をなくすための具体的な3つのステップを解説します。
問い合わせが殺到する根本原因は、「対応の遅さ」ではなく、その前段階にある「アナログな受注処理」に潜んでいます。
インタビューで語られた「非効率から抜け出せない根本原因」は、大きく以下の3つです。
受注チャネルの分散
FAX、電話、メール本文、添付PDF、Webシステム(EDI)…と、取引先ごとに注文の入り口がバラバラ。担当者は常に複数のチャネルを監視する必要があり、確認漏れや対応遅れが発生しやすくなります。これが「注文、届いてますか?」という確認電話につながります。
手入力とコピペ作業
受信したFAXやメールの内容を、販売管理システムや基幹システムへ「手入力」または「コピペ」する作業。これは単なる事務作業に見えますが、「機会損失」と「経営リスク」の温床です。
入力ミス: 「15件」を「150件」と打ち間違えれば、とんでもない量の在庫を抱えることになります。このミスを発見・修正するための確認電話やメールが、双方の時間を奪います。
異常値の検知遅れ: 「いつも5件なのに急に20件来た」という変化に気づきにくい。手入力に追われていると、それが本当に正しい注文なのか、それともミスなのかを分析する余裕がありません。
業務の属人化
「Aさんがいないと、あの取引先からの省略された商品名が分からない」「Bさんが辞めたら、受注業務が回らなくなる」といった状態です。注文のルールが暗黙知になっていると、担当者が不在の際に「どうなっていますか?」という問い合わせが殺到します。
これらの原因が絡み合い、「アナログ処理 → ミス・遅延 → 問い合わせ発生 → 業務中断 → さらに処理が遅延」という負のスパイラルを生み出しているのです。

インタビューで出た「対応を早くするのではなく、問い合わせの種を摘むことがいい」という言葉は、まさに本質です。
問い合わせ対応のスピードを上げる(対症療法)のではなく、「問い合わせる必要のない状態」を作る(根本治療)こと。
この視点に立つと、やるべきことは明確です。
ここからは、問い合わせの根本原因を潰すための具体的な3ステップをご紹介します。
最も即効性があり、かつ重要なステップです。転記ミスによる確認の問い合わせを「ゼロ」に近づけることを目指します。
クラウドFAXの導入:
まずは「紙」をなくします。物理的なFAX機をクラウドFAXに切り替えることで、注文書が紙で出力されることなく、PDFデータとしてメールやシステムに自動転送されます。これで「紙をスキャンする」という手間もなくなります。
AI-OCRによる手入力の自動化:
受信したFAXやメール添付のPDFを、AI-OCR(光学的文字認識)で読み取り、データ化します。従来のOCRと異なり、AI搭載型は手書き文字や、取引先ごとの異なるフォーマットにも柔軟に対応できます。
メール本文のAI解析:
メール本文に「商品Aを10個」と書かれているパターンも、AI(特にLLM)で解析し、品番や数量を自動抽出することが可能です。
これらの技術で「手入力」を撲滅し、データを直接システムに取り込むことで、入力ミスは劇的に減少します。
特に手書きや表記ゆれが多いFAX・PDFの処理は難易度が高いですが、最近では「AI受発注くん」のような、商品名の表記ゆれ(例:「商品A」と「A商」)を自動で正規化し、95%以上の高精度で読み取るAIソリューションも登場しています。

「在庫ありますか?」「納期はいつですか?」という問い合わせをなくすステップです。
B2B受発注システムの導入:
取引先専用のWeb発注サイトを導入します。最大のメリットは、在庫情報や納期をリアルタイムでシステム連携できること。取引先は、電話で聞くまでもなく、サイト上で自ら在庫数と納期を確認して発注できます。受注側も、手入力が不要になり、ミスがゼロになります。
導入のハードル:
ただし、この方法は「取引先の協力」が必須です。「FAXや電話をやめて、Web発注に切り替えてください」と説得するコストがかかります。現実的には、全取引先の5割程度しか移行してくれないケースも多いです。
ステップ1、2を実行しても、ゼロにならない問い合わせや、特殊な依頼は残ります。これらに対応する属人化を防ぐステップです。
窓口の一元化:
「Aさん」宛ではなく、「support@〜」のような共有メールアドレスや専用窓口を設置します。
問い合わせ管理システムの導入:
共有アドレスに届いたメールを「対応中」「完了」などでステータス管理できるシステムを導入し、対応漏れを防ぎます。
自動化とマニュアル整備:
よくある質問はマニュアル化(FAQ)し、可能であればAIチャットボットなどで自動回答させます。
「ステップ1(AI-OCR)」と「ステップ2(B2Bシステム)」、どちらを優先すべきでしょうか。インタビューでは、企業の状況による「分岐点」が示されました。
AI-OCR(ステップ1)が向く企業:
取引先が数百〜数千社と多い。
「おじいちゃん、おばあちゃん」が経営するローカル店など、FAX文化が根強い取引先が多い。
取引先に負担をかけず、まずは自社内のDXを完結させたい。
B2Bシステム(ステップ2)が向く企業:
取引先が大手企業中心である。
自社が発注側に対して交渉力(パワー)を持っている。
取引先を巻き込んで、業務フロー全体を最適化したい。
現実的には、FAX注文がゼロになることは稀です。多くの企業にとって、「B2Bシステムを導入しつつ、残ってしまったFAX・メール業務をAI-OCRで自動化する」というハイブリッドな運用が最適解となるでしょう。
比較項目 | AI-OCRによる自動化 | B2B受発注システム |
|---|---|---|
主な目的 | 手入力の自動化 | 受注チャネルの統一 |
取引先への影響 | 少ない・気づかれない | 多い・協力必須 |
導入ハードル | 低い・自社完結 | 高い・説得コスト |
向いている企業 | FAXが多い/取引先多数 | Web移行可能/取引先が協力的 |
ひっきりなしの電話とメール対応から解放されるために、まず何をすべきか。
それは、「B2B受発注システム」のような大掛かりな改革よりも、自社だけで完結できる「ステップ1:アナログ業務(手入力)のデジタル化」から始めることです。
なぜなら、問い合わせの最大の原因である「転記ミス」を即座に撲滅できるからです。
FAXやPDFの注文書処理を自動化するAIソリューション「AI受発注くん」は、まさにこの「はじめの一歩」に最適です。
高精度な読み取り: 手書き文字や、取引先ごとに異なるフォーマットも95%以上の精度でデータ化。
表記ゆれの自動正規化: 「商品A」「(A)」「ショウヒンA」などを自動で正しい商品マスターに紐付け。
ミスゼロと工数削減: 導入企業の98%が効果を実感し、「処理時間が90%削減」「転記ミスゼロ」といった事例も生まれています。
「AI受発注くん」が転記ミスと処理遅延をなくすことで、取引先からの確認の電話やメールは激減します。
担当者は「問い合わせ対応」という中断作業から解放され、本来の分析業務や、より付加価値の高い仕事に集中できるようになります。
まずは、最も負担の大きい「手入力」の自動化から始めてみませんか?
受発注業務の「問い合わせ地獄」から抜け出すには、「対応を早くする」のではなく「問い合わせを発生させない」仕組みが不可欠です。
AI-OCRなどで手入力による「ミス」をなくす
B2Bシステムで顧客が「自己解決」できる環境を作る
窓口の一元化で「属人化」をなくす
この3つのステップで、業務中断のない効率的なバックオフィスを実現しましょう。
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