iPhoneアプリの開発費用は?費用シュミレーション・コストの抑え方を解説
- 「iPhoneのアプリっていくらくらいで開発できるの?」
- 「iPhoneアプリの開発費用が高くなるのでなるべく抑えられないか」
という疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事ではそんなiPhoneアプリの開発に関するお悩みを、2年間、開発会社を経営していた経験から説明します。
具体的には、下記の順番にご紹介していきます。
- iPhoneアプリの開発相場とシミュレーション
- iPhoneアプリの開発費用を抑える方法
- iPhoneアプリの開発で失敗しないコツ
5分くらいで読めますし、iPhoneアプリの開発費用についてよく分かる内容となっておりますので、ぜひ読んでみてください。
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iPhoneアプリ(iOS)とは
iPhoneアプリ(iOS)とは、Apple社が販売する『iPhoneシリーズなど』に最適化されたアプリのことです。
iPhoneに限らず、iPadやMacも同様のOSである「iOS」を使っていますので、適切に対処することでスマホと同様に動作させることができます。
iPhoneアプリは、スマホを使用しているユーザー層が増え続けることで需要も伸びています。
しかし、適切な要件定義と予算を用意しなくては開発に成功するとは限りません。
また、個人で開発できる領域であることも特徴ですが、あまりおすすめできないのも現状です。
iPhoneアプリは個人で開発できる?
iPhoneアプリは、開発するための環境とスキルさえあれば作成してリリースできます。
個人でアプリを開発し稼ぐ、フリーランスになって独立してアプリを作成するといったことを目にしたこともあるでしょう。
しかし、以下のような点を考えると成功できる人の数は非常に少ないことが予想されます。
- 有料アプリとして販売できるクオリティの確保
- アプリ内部に設置した課金による収益の確保
- アプリで広告配信することによる収益の確保
これらは、導入こそ簡単ですが『ダウンロードしてもらうための工夫』が必要となります。
また、開発までにかかった時間の分だけ稼ぎたいなら、茨の道となることもあるでしょう。
こうした課題を考えて、どのようなサービスを提供するのかというところから作り込む必要があります。
iPhoneアプリの開発相場
iPhoneアプリの開発相場は、開発会社の運営経験から言うと100万円単位から考える必要があるでしょう。
どれほどミニマムなプロジェクトであっても、500万円程度はかかると考えられます。
少なくとも個人規模で作る趣味のアプリではない場合には、500万円程度をiPhoneアプリの開発相場として想定することがポイントです。
iPhoneアプリの内容や規模によっては、開発費用に2,000万円以上かかるケースも少なくありません。
例えばゲームなどのエンタメ系アプリや、多数の機能を導入した高クオリティのアプリを開発する場合には、数千万円規模が開発相場になります。
これからiPhoneアプリを開発する場合には、その辺りの金額を相場として捉えるといいでしょう。
オフショア開発で依頼した作成費・コスト例
オフショア開発でiPhoneアプリを開発した場合、エンジニア1人に対する人月費用と期間によって開発に必要なコストが変わります。
たとえば、以下のようなアプリを開発したとすると、期間が2ヶ月以上かかることがわかります。
項目 | 必要な機能 | 開発にかかる平均期間 |
---|---|---|
EC系アプリ | ユーザーデータ管理機能システム機能 ※テンプレートがあるので工数は少ない | 最短約2か月~ |
SNSアプリ | データ保存用大容量ストレージ(画像や動画投稿を含む場合)※環境構築に費用がかかりコストが高くなる傾向 | 最短3か月~大規模プロジェクトで最短6ヵ月~ |
マッチングアプリ | 不適切なユーザーや違反行為を取り締まる機能運営・監視システム個人情報が外部に漏れないセキュリティ対策 | 最短5か月~ |
ゲームアプリ | SNS機能マップ機能オンライン設計クラウド型システム対応 | 最短12か月~ |
業務用アプリ | 発注システム通販システムPOSシステム顧客管理システム | 最短6か月~銀行や証券などの金融系の大規模なシステムは最短12か月~ |
そして、国別によってエンジニアの単価が以下のような状態となっています。
たとえば、ベトナムでエンジニアを1名採用し、2ヶ月の開発期間がかかったとしたら50〜80万円の開発費用がかかります。
国名 | エンジニアの単価 |
ベトナム | 月25~40万円 |
ミャンマー | 月15~30万円 |
中国 | 月35~50万円 |
インド | 月25~45万円 |
フィリピン | 月15~35万円 |
タイ | 月32~37万円 |
インドネシア | 月30~35万円 |
このように、アプリの開発には費用がある程度かかりますので、十分に検討してからスタートさせる必要があるといえるでしょう。
iPhoneアプリの開発費用はどんな要因で変わるか
iPhoneアプリの開発費用は、プロジェクト上のさまざまな要因によって変わります。
アプリ開発を進める際には、その要因を把握して費用をコントロールすることもポイントです。
以下では、iPhoneのアプリ開発費用に影響を与える要因を解説します。
- どの程度機能を詰め込むか
- App Storeの申請を代行してもらうか
- Androidもあわせて作ってもらうか
それぞれ確認し、失敗しないように準備しておきましょう。
どの程度機能を詰め込むか
iPhoneアプリは、どの程度機能を詰め込むかによって開発費用が変わります。
複数の機能を追加することになれば、当然その数に応じて開発費用は高くなるでしょう。
プロジェクトが決まった時点でどのくらいの機能が必要なのかを確認して、それを元に開発費用を算出してみてください。
iPhoneアプリの開発中は、新たに機能の追加や改善が検討されるケースもあります。
機能を追加するということになれば、開発費用はさらに高くなり、想定の予算を超過することも考えられるのです。
iPhoneアプリの開発費用を考えるときには、余裕を持って予算を組むことがポイントになるでしょう。
iPhoneアプリに追加できる機能には、例えば以下のようなものがあります。
- メールアドレスなどを使ったログイン機能
- SNSを使ったログイン連携機能
- 決済システム機能
- 外部アプリやツールとの連携機能
- データ利用の機能・UI/UXデザインの作成
一般的なiPhoneアプリには、スムーズに利用するためにこれらのような機能が想定されます。
開発予定のアプリにどのような機能がマッチするのかを、まずはこちらを参考に考えてみることがおすすめです。
App Storeの申請を代行してもらうか
iPhoneアプリを開発したあとには、App Storeにリリースするための申請が必要になります。
この申請を開発業者に代行してもらう場合には、追加で費用が発生するのです。
App Storeの申請代行費用は、だいたい10万円程度になることが多いでしょう。
App Storeに申請する作業は簡単ではなく、以下のような複数の手順が必要です。
- Apple IDを取得する
- アプリ開発者アカウントのApple Developer Programに登録
- 画像やテキストなどプロダクトに必要となるデータの作成
- アプリのアップロード
- リジェクトの対応
- アプリの申請など
これらの作業を全ておこなうには、多くのリソースが必要です。
開発プロジェクトが後半になって余裕がないときなどは、申請代行を頼むことも検討されるでしょう。
また、iPhoneアプリの申請時には、リジェクト(申請不合格)の修正対応が必要になることがあります。
申請代行を利用する際には、リジェクトにも対応してくれるのか、その場合には追加費用がかかるのかといった点も事前に確認しておきましょう。
Androidもあわせて作ってもらうか
iPhoneアプリだけでなく、Android版のアプリも同時に開発する場合には費用が変わります。
App StoreとGoogle Play Storeの両方でアプリをリリースする可能性があるのなら、費用もそれに合わせて増やす必要があるでしょう。
iPhoneアプリとAndroidアプリは基本的に開発言語が異なる別種のアプリとして扱われています。
しかし、開発費用に関してはiPhoneアプリだけの場合と比べて1.5倍程度に抑えられることが大半です。
React NativeやFlutterといったクロスプラットフォーム対応の言語で両方のアプリを開発できるので、単純に費用が2倍になることはありません。
しかし、React NativeやFlutterなどを取り扱えるエンジニアの数は少ないため、開発環境によっては費用が高くなる可能性もあります。
いずれにせよAndroidアプリも同時に開発するのなら、iPhoneアプリだけのときよりも費用が高くなると考えておきましょう。
【見積もり例】iPhoneアプリの作成費をシミュレーション
iPhoneアプリは、そのジャンルや内容などによって開発費用が変わります。
実際に開発プロジェクトを進める前に、既存のアプリを参考にして見積もりをシミュレーションしておくと、大まかな金額を想定することができるでしょう。
以下では、3つのパターンを参考にして、iPhoneアプリの見積もりをシミュレートしていきます。
- 既存サイトのアプリ化
- メルカリのようなアプリ
- TikTokのようなアプリ
仮に以下のようなiPhoneアプリを作ることになった場合、どのくらいの開発費用が必要となるのかを確認してみましょう。
既存サイトのアプリ化
既存サイトをiPhoneアプリとして作り直す場合、開発費用は200万円程度が想定されます。
既にWebサイトとして完成しているものをネイティブアプリにするだけであれば、それほど多くの費用がかからないでしょう。
一方で、既存サイトを下地にしてアプリ用の機能を追加していく場合、開発費用が増えていきます。
「もっとアプリとして使いやすい形にしたい」
といった目的があるのなら、必要な機能をピックアップして、それに合わせた開発費用を予算として計上するのがポイントです。
メルカリのようなアプリ
メルカリのようなフリマアプリを開発する場合、基本機能だけでも1,000万円ほどかかると考えられます。
- 商品出品
- 商品一覧
- 検索
- 購入
- マイページ
といった、一般的なECサイトの機能程度であれば、費用を抑えて開発することは可能です。
しかし、メルカリには類似商品を紹介するレコメンド機能などにAIが導入されている可能性があります。
そのため、iPhoneアプリとしての開発費用は大きくなると予想できます。
TikTokのようなアプリ
TikTokのような動画アプリを開発する場合、3〜5億円程度の費用はかかってしまうと考えられます。
TikTokは単純な動画のアップロード機能だけでなく、AIを活用した高精度のレコメンドエンジンや動画編集の機能が内包されているのが特徴です。
そのため、バックのシステムに多くの工数がかけられていることが予想できます。
もし、同様の機能を備えたiPhoneアプリを開発するとなったら相応の開発費用が必要となるでしょう。
iPhoneアプリ開発を安く抑える方法
iPhoneアプリの開発費用を安く抑えるためには、いくつかのコツがあります。
特に以下のような方法を実践すれば、アプリ開発から無駄を省いて費用を抑えやすくなるでしょう。
- SaaSを使う
- 機能を減らす
- フリーランス・副業に委託する
それぞれの方法を確認し、iPhoneアプリの開発にかかる費用を抑える準備をしてみてください。
SaaSを使う
iPhoneのアプリ開発費用を安く抑えるのなら、SaaSを活用することも一つの選択肢です。
SaaSとは「Software as a Service」を略したもので、ネットワークを経由して提供されるクラウドサービスを意味します。
SaaSはこれまでのように各社のパソコンやサーバーにシステムを導入する必要がないため、コストの削減や維持管理にかかる負担の軽減などがメリットです。
SaaSとして認知されているサービスは多数あり、その中にはアプリ開発をおこなえるプラットフォームも存在します。
例えば、ノーコードでiPhoneアプリの開発がおこなえるYappliを利用すれば、エンジニアを雇わずにアプリが開発できるため、全体の費用を抑えることが可能です。
アプリの完成までに時間がかからないので、スピーディに結果を出したいときにも役立ちます。
機能を減らす
iPhoneアプリに搭載する機能を減らすことも、結果的には開発費用を抑えることにつながります。
アプリの種類や目的によっては、不要な機能が出てくることも多いです。
無闇に機能を追加してしまうと、アプリが重くなって動作が不安定になったり、シンプルさが失われてごちゃごちゃとした使いづらい形になったりするリスクもあるでしょう。
iPhoneアプリを開発する際には、とにかく多くの機能を詰め込むのではなく、本当に必要なものを厳選していくことがポイントです。
フリーランス・副業エンジニアに外注・委託する
フリーランスや副業をしているエンジニアにiPhoneアプリの開発を依頼することでも、費用を抑えることができます。
一般的にアプリの開発会社に依頼するよりも、フリーランスや副業のエンジニアに業務を委託した方がコストは安いです。
iPhoneアプリの開発会社とフリーランス・副業の個人に、それぞれ見積もりを依頼してみましょう。
フリーランスや副業のエンジニアを使うと開発費用が安くなるというメリットがある一方で、個人によってスキルにばらつきがあるというデメリットもあります。
想定していた仕様が上がってこなかったり、途中で開発を投げ出されたりといったトラブルの可能性もあるため、過去の評価やポートフォリオを参考に信用できるエンジニアを選ぶようにしましょう。
iPhoneアプリを外注・委託するなら知っておきたいポイント
iPhoneアプリを外注・委託するなら知っておきたいポイントが以下の3つです。
- 開発に使う言語を検討する
- サポートするiOSのバージョンを決定する
- 課金要素は手数料がかかることを想定する
それぞれ、知っておくと便利な内容ですのでぜひ参考にしてください。
開発に使う言語を検討する
iPhoneアプリの開発に使われる代表的な言語は以下の2種類です。
- Swift
- Objective-C
2014年から登場したSwiftは、iPhoneアプリを開発することに長けていますが、Androidには対応できません。
また、開発環境もMacに限られてしまうことを知っておき、開発するアプリの方針と照らし合わせながら適切な言語を選ぶとよいでしょう。
処理速度やiPhoneアプリだけを作るならSwiftを選び、それ以外ならObjective-Cといった選び方をしてみるのがおすすめです。
サポートするiOSのバージョンを決定する
iPhoneアプリで、サポートするiOSのバージョンを決定しておきましょう。
最新のバージョンにアップデートする傾向があったとしても、1〜2世代前までのOSに対応しておくと安心です。
ぜい弱性が見つかり、アップデートを故意におこなわないケースを含めて幅広いユーザーを対象とするなら領域を広げておきます。
ただし、対応のOSに幅を広げるほど、開発費用が増えるといったデメリットが生じる可能性があることは覚えておきましょう。
課金要素は手数料がかかることを想定する
iPhoneアプリの開発で、課金要素をアプリ内部に設置する検討をしているなら、手数料がかかることは知っておきましょう。
Appleの基準によって決められているのが、支払われた金額の30%をAppleに支払うといったものです。
また、2年目以降には15%となりますが、15〜30%の手数料を加味して課金要素をつけておくのがおすすめです。
ただし、商品を紹介して売るといった目的を持つアプリなら、クレジットカードの決済を利用することで手数料のかからない状態を作れます。
ですが、アプリ内部の課金がAppleに支払わなければならない要件に当てはまる場合があるため、必ず調べておくようにしましょう。
iPhoneアプリ開発で失敗しないためには
iPhoneアプリの開発をおこなうときには、失敗しないためのポイントを把握しておくことも重要です。
- 開発実績・エンジニアのレベルの確認
- 十分な予算を準備する
- 積極的にコミュニケーションを取っていく
特に意識したいポイントをまとめましたので、以下を参考に開発に失敗しないための基本をチェックしておきましょう。
開発実績・エンジニアのレベルの確認
iPhoneアプリを開発するときには、依頼する相手の開発実績やエンジニアのレベルを確認しておくのがコツです。
過去に多くの実績を持つアプリ開発会社とエンジニアであれば、さまざまなノウハウを元にしたスムーズな開発に期待できます。
ホームページでどのような実績が紹介されているのかを確認し、信頼できる技術を保有している企業に開発を依頼しましょう。
十分な予算を準備する
iPhoneのアプリ開発では、十分な予算を準備することも失敗しないポイントです。
予算が少ないと資金不足で途中で開発が止まってしまったり、後から必要だと判明した機能を追加することが難しくなったりします。
コストをかけて開発をスタートさせたのに、結局完成できなかったという最悪のパターンにもなり得るので、見積もりを踏まえて余裕のある予算を準備するのがおすすめです。
積極的にコミュニケーションを取っていく
iPhoneアプリの開発時には、積極的に開発会社やエンジニアとコミュニケーションを取っていくことがポイントです。
コミュニケーションが不足していると、プロジェクトと実際のアプリの仕様にズレが生じる可能性があります。
「聞いていなかった」
「勘違いしていた」
というヒューマンエラーをなくすためにも、意識してコミュニケーションの時間を確保しておきましょう。
特に重要なのが、アプリ開発の初期段階におこなわれるヒアリングです。
ヒアリングできちんとコミュニケーションが取れないと、こちらが求める意図が伝わりきらない可能性も考えられます。
アプリ開発の結果を左右することにもなり得るので、積極的なコミュニケーションを実施してみてください。
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