オフショア開発の課題は?メリットとともに解説
・「オフショア開発の課題は何がある?」
・「失敗しない方法が知りたい」
という疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事ではそんなオフショア開発の課題と解決というお悩みを、2年間、開発会社を経営していた経験から説明します。
具体的には
- オフショア開発の現状と課題
- オフショア開発のメリット
- オフショア開発に失敗しないためのポイント
の順番にご紹介していきます。
6分くらいで読めますし、オフショア開発の現状と課題・解決方法についてのよく分かる内容となっておりますので、ぜひ読んでみてください。
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オフショア開発とは
オフショア開発とは、システムの開発・運用・保守・管理などを、人件費の安い海外の開発拠点(海外の開発会社や海外子会社)に委託することです。
オフショア(Offshore)は、岸(shore)から離れて(off)という語源を持ち、ビジネスでは「海外(特に、新興国や発展途上国)で」という意味を持ちます。
つまり、先進国の企業が費用削減のために、人件費や事業コストの安い国の企業・人材を活用する方法です。
もともとは、イギリスやアメリカがインドへ委託するなど、英語圏間で盛んにおこなわれていましたが、日本を含むさまざまな国に広まったわけです。
オフショア開発の現状
日本においてオフショア開発は、人気を集めつつある開発手段です。
人気を集めつつある理由は以下のとおり。
- 日本国内のエンジニアが不足しているから
- ネットの発展でビジネスのグローバル化が進んでいるから
- 委託先で最先端技術を駆使した開発が可能になってきたから
オフショア開発はもともと大企業のみが導入していましたが、最近は中小企業も導入に成功しています。
インターネットの発展によって、海外に委託するハードルが下がったからですね。
例えば、わざわざ現地まで足を運ばずとも、チャットツールを使えば日本にいながらコミュニケーションをとれます。
また、オフショア開発の委託先は東南アジアが多いですが、近年ベトナムやフィリピンなどで最先端技術を使った開発が可能となってきました。
しかし、オフショア開発が広まるにつれ、いくつかの課題も表面化してきています。
オフショア開発の課題とは
中小規模の会社にも広がりをみせるオフショア開発は、知見が増えるほど課題も顕在化してきます。
- 文化の違い
- エンジニアの質・教育水準
- コミュニケーションの問題
それぞれ確認していきましょう。
文化の違い
オフショア開発の委託先は外国なので、日本とは違った文化があります。
文化の違いによって生じる主な問題は下記のとおり。
- 納期に対する認識のズレ
- 残業のとらえ方のズレ
- 仕様や作業手順の勝手な変更
日本は納期厳守という文化が根付いていますが、中国やベトナム、フィリピンなどオフショア開発を委託先のアジア各国では、納期に間に合わせるために精一杯頑張ることは少ないです。
また、日本で日常的な残業という方法が取られることが海外ではあまりなく、遅延が発生していても従来どおり稼働します。
さらには、発注元の真意を確認せず、仕様や作業手順を変更することも。
他には、祝日が国によって異なることや、イスラム教徒が多い国の場合はお祈りの時間が必要なことなどあります。
これら文化の違いは、無理に変えられないのでプロジェクトの進行の懸念となります。
エンジニアの質・教育水準
続いては、エンジニアの質・教育水準が低いことがあります。
国をあげてIT教育に力を入れている国もあり、若くて優秀な人材は確かにいます。
若くて優秀な人材であっても、エンジニアが汚いコードを書いてしまうなど経験不足やスキル不足、低品質による課題が出てきてしまうのです。
他にも、納品されたものが正常に動かなかったり、ユーザー視点でのテストができなかったりすることも。
オフショア開発を導入するのであれば、実績とエンジニアの質をしっかり見極める必要があるでしょう。
コミュニケーションの問題
オフショア開発の委託先とのやりとりは、基本的に英語など依頼した会社に合わせた言語を使わなければいけません。
コミュニケーションの問題は、例えば以下のとおり。
- 多言語を使わなければならない
- 細かいニュアンスが伝わらない
- 会議の時間が長くかかる
オフショア開発では基本的に、仕事・日常の会話、仕事の書類はすべて英語など多言語です。
そのため、意思疎通に求められるレベルが高く、細かいニュアンスがなかなか伝わらないものです。
うまくコミュニケーションがとれなければ、仕様のミスマッチや納期勘違いなど発生しやすくなります。
会議の時間に関しても、日本人同士でするより長い時間がかかってしまいます。
システム開発のお悩みは、当社にお任せください。
オフショア開発のメリット
課題のあるオフショア開発ですが、メリットもあります。
- 自社の専属チームを作ることができる
- 人月が安い
- やる気のあるエンジニアが多い
ぜひ、参考にしてみてください。
自社の専属チームを作ることができる
ラボ型オフショア開発のなら、自社の専属チームを作れます。
オフショア開発には、
- ラボ型オフショア開発「期間単位での契約」
- 受託型オフショア開発「プロジェクト単位での契約」
という2種類があり、どちらも社外のエンジニアを一定期間確保し、まるで自社スタッフのようにプロジェクトを担当してもらうためです。
どちらも期間単位やプロジェクト単位で契約しているため、プロジェクトの開発が終わったあとも、継続的な改善対応が可能です。
ただし、ラボ型ならメンバーが変わらないため、チーム内にノウハウが蓄積されますが、受託型であれば、プロジェクトごとにメンバーが入れ替わるため、その都度ノウハウを伝える必要があります。
人月が安い
次に、人月(1人が1か月でおこなうことのできる作業量を表す単位)が、日本よりも安いというメリットがあります。
オフショア開発の委託先となる国は、中国やインド、ベトナム、フィリピン、タイなどのアジア各国などがあり、日本の人件費水準とは異なるためです。
エンジニア単価相場の目安を下記にまとめました。
国 | エンジニア単価相場(万円) |
---|---|
日本 | 100前後 |
中国 | 35~40 |
インド | 30~40 |
ベトナム | 33前後 |
フィリピン | 25~30 |
タイ | 22~30 |
エンジニア個人が持つ技術レベルによって単価は変わりますが、おおよその相場として参考にしてみてください。
ただし、諸国の経済発展が進むことで、人件費は徐々に上昇していることがわかっています。
そのため、どの程度の費用がかかるのかは見積もりをもらって実際に確認しておきましょう。
やる気のあるエンジニアが多い
オフショア開発は、やる気のあるエンジニアが多く在籍しているのも特徴の1つです。
AI開発を含む大規模なシステム開発や、中小規模からの需要の高まりを受け、多くの課題を解決するためにスキルアップに励むエンジニアがたくさんいます。
例えば、ベトナムのなら若くて熱意のある向上心にあふれた人材を確保しやすいです。
なぜなら、ベトナムは国を挙げてエンジニアの育成への取り組みをおこなっているためです。
日本以外にも多くの国が、ベトナムへの進出や投資に力を入れています。
やる気がある・ないは個人差もありますが、若いとその分バイタリティにあふれていることが多いでしょう。
オフショア開発で失敗しないためには
では、オフショア開発で失敗しないために、確認しておきたい事項を見てみましょう。
- 開発実績・エンジニアのレベルの確認
- 十分な予算を準備する
- 積極的にコミュニケーションを取っていく
それぞれ見ていきましょう。
開発実績・エンジニアのレベルの確認
オフショア開発で依頼するな、開発実績やエンジニアのレベルの確認をしっかりしてから、委託するようにしましょう。
委託先ごとに、開発実績やエンジニアのレベルはさまざまです。
もし開発実績がなかったり、エンジニアのレベルが低かったりすれば、スムーズにプロジェクトを完成させられないこともあるでしょう。
プロジェクトが始まってから気付けば、開発期間の長期化によるコスト増大だけでは済まないため、委託前の段階からチェックしておく必要があります。
開発実績を見る際は、自社案件に近い領域の実績が豊富かどうかを確認すると良いです。
ノウハウや知見が蓄積されていれば、品質やスピードに期待ができます。
十分な予算を準備する
オフショア開発を発注する際には、十分な予算を準備しておきましょう。
なぜなら、開発期間は要件定義によって変更もあり得るため、想像していたより費用が高くつくことがあるからです。
人月が安く、コスト削減が可能なオフショア開発ですが、見落としがちな費用が意外に多くあります。
- オフィスを借りる場合の費用(賃料、通信費、光熱費)
- PMやBSEに払う費用
- 英語ができない場合の通訳費用
- 日本語可能な委託先にする場合の割増費用
- 現地に足を運ぶ際の渡航費・宿泊費
オフショア開発では、日本と外国の橋渡し役となるBSE(ブリッジエンジニア)をメンバーに入れることが大半です。
BSEは、日本クライアントの作業依頼や仕様を、現地のプログラマーへ伝えることが仕事です。
スムーズな開発に必要不可欠な人材ですが、PMやBSEに払う人件費は、他のエンジニアよりも高くつくため、事前に見積もっておく必要があります。
こうした背景から、十分な予算を準備しておくことがリスクヘッジに必要とされるわけです。
積極的にコミュニケーションを取っていく
オフショア開発では、積極的にコミュニケーションを取り、進捗状況やアウトプットの確認をしましょう。
積極的なコミュニケーションが必要な理由は下記のとおり。
- 進行の妨げや品質低下が作り直しにつながる
- 文化の違いによって思わぬトラブルが発生する
こうした課題やトラブルは、積極的なコミュニケーションにより進捗状況をこまめに確認することで未然に防げます。
重大なトラブルがあった場合でも、早い段階で見つけるきっかけになるので、委託先からの連絡を待つのではなく、自社から連絡をしていきましょう。
また、文化的にも日本人は相手の意図を汲み取って行動する人が多いですが、外国の人の場合はあまり期待できません。
そのため、わかりやすい言葉で端的に伝えることを意識すると良いでしょう。
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まとめ:失敗を未然に防ぎ、オフショア開発を成功に導こう!
いかがでしたでしょうか。
オフショア開発の現状や、メリット、課題、失敗しないためのコツなど解説しました。
課題もいくつかあるオフショア開発ですが、失敗しないよう気を付ければそう心配する必要はありません。
- 開発実績・エンジニアレベルの確認
- 十分な予算の準備
- 積極的なコミュニケーション
こうした課題に対するポイントをふまえた上で、オフショア開発の発注をしてみてくださいね。
ぜひ発注の際にご参考にしていただけたら幸いです。