オフショア開発のリスクとは?経験者が回避策もあわせて解説します!
- 「オフショア開発にはどんなリスクはあるの?」
- 「リスクに対する良い回避策はあるの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
「オフショア開発のリスクについて知りたい!」というお悩みを、2年間、開発会社を経営していた経験から説明します。
結論から言えば、オフショア開発には現地の状況を踏まえた上で、進捗状況を逐一管理するのがベストです。
なぜなら、海外の文化や環境は日本と異なり、必ずしも日本の考えが通用するとは限らないからです。
本記事では下記について記載していきます。
- オフショア開発で想定されるリスクの種類
- オフショア開発のリスクに対する回避策
7分程度で読める記事ですので、是非読んでみてくださいね。
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失敗に繋がるオフショア開発のリスク4つ
オフショア開発は、低コストで委託でき質の高いシステムを開発するために選ばれやすい方法です。
しかし、オフショア開発には以下のような4つのリスクがあります。
- コミュニケーションの問題
- クオリティが担保できない問題
- 納期を守ってもらえない
- 各国の政治などの情勢
これらの問題が起きるのは、日本と海外では言葉や文化、情勢が異なることが原因です。
発注先が日本とは異なる海外であることを念頭に入れ、各国の特徴に合わせた対応をしていくことがリスク回避に繋がります。
オフショア開発におけるリスクの詳細と回避策について見ていきましょう。
オフショア開発のコミュニケーションは大きなリスク
オフショア開発で真っ先に気をつけたいのが、コミュニケーションの問題です。
海外に発注するということは、相手側は日本とは異なる国が対象となります。
つまり、言語の違いによって意思疎通を正しく取れないと、大きな失敗につながるリスクを持っているわけです。
どのようなコミュニケーションの問題が発生するのか、理由と回避策について解説します。
コミュニケーションリスクで発生する問題
オフショア先の国で、発生するコミュニケーションの主な問題は以下の2つです。
- そもそも言語の問題
- 仕様が伝わっていない
オフショア開発では、日本語が必ずしも通じるというわけではありません。
自社が伝えたい言葉のニュアンスが、想定通りに受け取られるとは限らないのです。
国と国とで言語が違うということは、コミュニケーションにギャップが生まれやすい状況です。
例えば、繊細なデザインの仕様を日本の言葉で「かっこいい感じにまとめて」と伝えるとしましょう。
国や文化が違えば「かっこいいの感覚」も違うので、依頼した先のトレンドが盛り込まれてイメージと違うものができる可能性があるわけです。
そして、仕様を伝えるときにも同様にうまくニュアンスが伝わらないことで、目的とは違った開発が進みます。
こうしたリスクは、オフショア開発のあるあるとも言えるほど多発するので注意しましょう。
コミュニケーションリスクの具体的な解決策
オフショア開発でコミュニケーションのリスクを、最小限まで抑えるために選べるのが以下のような2つの方法です。
- 日本人のブリッジSEをアサインする
- わかりやすい図などに落とし込む
オフショア開発での問題点は、海外の国とのコミュニケーションが上手くいかないことが根本的に解決しなければならない原因です。
外注コストに余裕がるなら、意思疎通をスムーズにおこなうためにブリッジSEをアサインできるオフショア開発企業に依頼します。
ブリッジSEの役割は、発注側とオフショア先との橋渡しをおこなう仲介ですから、
- 仕様の説明
- スケジュールの進捗管理
- 品質チェック
- ミーティング
- プロジェクトに関する運営・管理・保守
などをまとめて依頼できるわけです。
オフショア開発で高いリスクを持つコミュニケーションの問題を円滑にする重要なポジションに人材の雇用を検討しましょう。
また、海外の人達との言語や文化は、日本人にとって独特に捉えられるケースがあります。
より細密に相手にこちら側の意図を伝えるには、要望を言葉だけではなく、わかりやすい絵や図解で示す工夫も効果的です。
このようにオフショア開発で発注先との円滑なコミュニケーションを図るには、ブリッジSEのアサインや図解による仕様書へのわかりやすい落とし込みなどの配慮が必要です。
オフショア開発のクオリティが担保できないリスク
オフショア開発では度々品質の低い成果物が納品され、クオリティが担保できないことが課題視されています。
なぜなら、日本の基準でクオリティを考えると、海外基準との乖離に苦しむためです。
例えば、日本では「この機能を付けると価値が上がり利便性も向上する」と判断できる課題が見つかったとしましょう。
しかし、海外でその課題をみつけても「仕様書に含まれていないから対応しない」となる可能性が高いです。
では、もう少し具体的にクオリティの担保問題の内容とその回避策について解説します。
クオリティを担保できないリスクで発生する問題
オフショア開発で上がってきた成果物の課題・問題点について、よく言われているケースは以下のような2つです。
- デザインがイメージと違うものが出来上がる
- システムのバグ・不具合が多い
デザインにおいては、単純に技術不足によって細かい部分まで再現することができないため起きる問題です。
例えば、ピクセルパーフェクトを求めても、ズレがひどく全体の修正が必要など。
そして、システムを開発したときにはバグや不具合によって、何度も修正を繰り返すことになることもあるでしょう。
オフショア開発は海外が委託先となるので、言語・文化・距離感などの違いがこうしたクオリティの課題につながる要因です。
クオリティが担保できないリスクの具体的な回避策
オフショア先とのトラブルシューターとしてブリッジSEを置くのが効果的ですが、感性や感覚の違いまでは管理の限界があります。
そこで、具体的なリスクの回避策が以下の2つです。
- デザインは日本の会社に依頼する
- バグが出ないようにこまめに成果物を見せてもらう
海外では「日本の一般的な捉え方」や「日本の常識」が通用しないと考えておきましょう。
国内の企業相手なら言葉をぼかしたり、曖昧な表現でも察してもらうことが期待できますが、海外相手の場合には難しいです。
言語や文化以外に、感性や感覚が日本人とは別物であり、デザインの良し悪しも日本とはかけ離れていることも想定できます。
日本人の感覚に寄せたデザインを求めるのであれば、デザインは日本の会社に依頼するのが無難です。
そして、日本人に委託する感覚よりも詳細に要件定義を作成し、こまめに進捗のチェックをおこないましょう。
感性や感覚に比重を置くデザイン部分は日本の会社に依頼し、仕様書に沿った開発はこまめにチェックやテストをおこない、成果物を逐一確認するということを徹底してみてください。
オフショア開発で依頼した納期に遅れるリスク
発展途上国に発注することが主となるオフショア開発では、納期を守ってもらうことが難しいケースが多いです。
具体的には、時差による直接的な日付の違いや、納期に対する意識に日本と違いがあります。
では、納期の遅延によって起きる問題や対策を考えていきましょう。
納期に遅れるリスクで発生する問題
オフショア開発では、発注先との時差やコミュニケーション不足が原因で、ずるずると納期が伸びることも少なくありません。
日本と海外での時差によって連絡が取りづらく、確認までに時間差が起きることで工程の遅延が起こりがちです。
例えば、ベトナムとの時差は約2時間ですので、日本が夕方6時だとベトナムは4時ごろとなります。
朝の10時ごろに進捗の確認をしても、8時なので出勤していないなどのリスクがあるわけです。
また、発展途上国では、労働意識が日本とはかけ離れた生活をしているなどの問題点もあります。
JETROの資料によると、ベトナムに依頼したとして働く人のなかには、勤務中に規定時間以外で休憩を取るといった行動があります。
休憩は、炎天下で体力を残しながら生活するために習慣付いたもので、クーラーがあっても同様の行動を自然にとってしまうのです。
こうした、日本と海外との時間帯の違い、ビジネスに対する労働意識などの環境や意識の違いを把握しておくことが重要となります。
納期に遅れるリスクの具体的な回避策
国によって働き方や労働意識は異なるため、日本とは物事の考え方が別物と考えておいたほうが良いでしょう。
オフショア開発をおこなう際には、細密なレギュレーションで厳しく統制するより、要点のポイントだけを抑えて比較的優しめのオーダーを出しましょう。
あまり難しいオーダーを出しても認識の違いによって次々と不備が出てしまい、修正などで手直しの工程が増える恐れがあります。
例えば、納期にある程度余裕を持たせて開発を進める、プロジェクト自体に余裕を持って対応し、委託先の人材が育つのを待つなどです。
能力的に問題が無くとも、感性や感覚、解釈の違いでイメージとは違う成果物が生まれるリスクが増えます。
コミュニケーションの問題の項でも触れましたが、技術者と連絡を取り合い、わかりやすく仕様書に落とし込む工夫をしましょう。
オフショア開発で各国の政治などの情勢リスク
発展途上国などでは、政治などの情勢が不安定であることがプロジェクトの成功を阻害する理由になりやすいです。
例えば、今まで築き上げてきた商習慣があっても、不正を働くなどです。
戦争や内紛などの混乱状態にある国は避けるべきですが、そういった国にオフショア開発をした場合にはどのようなリスクがあるかを解説します。
情勢リスクで発生する問題
内戦状態の国の場合、クーデターなどの発生によって連絡が取れにくくなる可能性があります。
例えば、戦争やネットの規制によって海外との通信制限やインフラなどが遮断され、最悪の場合は国が海外との通信を禁止してしまうケースがあります。
特にアジアの一部ではネット環境を厳しく規制している国があり、日本と繋がることが不可能になる状況も想定しておきましょう。
さらに、政治など情勢の悪化で治安が悪くなると、プロジェクト自体がストップしてしまうことも考えられます。
そのため、情勢には常にアンテナを張っておき、何かトラブルがあっても対応できるようにしておくことが好ましいです。
情勢リスクの具体的な回避策
情勢が不安定な国とのオフショア開発では、国内の担当者をつけて連絡を取れるようにするのがベターです。
例えば、戦争が起こっている国では、現地の状況を把握できる担当者を万が一の場合に備えて派遣しておきましょう。
リアルタイムで状況を報告でき、通信手段を持ち得る人材が情勢が不安定な国では必要となります。
また、政治的な情報や現在の治安などは、情報収集できる体制を整えるのも1つの手です。
こうしたリスクを含めて、要件定義に盛り込み補償をするケースはどうするべきかまで丁寧に作り込むことも対策となるでしょう。
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まとめ|オフショア開発のリスクは未然に防ぐこと
今回はオフショア開発のリスクについて解説しました。
日本と海外では、国ごとに物事の捉え方や情勢が異なります。
- 海外とのコミュニケーションを重ねて距離感を縮める
- 考え方や感性が日本人とは異なることを理解する
- 成果物は逐一確認して不備やイメージの剥離がないかチェックする
- 日本との時差や労働意識を確認しておく
- その国の情勢や現状を顧みて依頼する
- ブリッジSEや現地に詳しい人物をアサインする
オフショア開発は発注する国に対する理解度がポイントですので、今回の記事を是非参考にして実践してみてくださいね。