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インターネットでの動画配信サービスをはじめ、Webサーバーの負荷は年々高まり続けています。
誰しもアクセスの集中によってホームページが表示されなくなったり、コンテンツのダウンロードに時間がかかったりした経験があるでしょう。
インターネットサービスを効率よく運営するために、CDNは欠かせません。
また、CDNは次期自治体情報セキュリティクラウド機能要件一覧で、「住民への継続的な情報発信のために、Webサーバーの負荷分散をする」として、構築の必須要件の一つに指定されるなど、安全性の高さも知られています。
この記事では、CDNの意味や仕組み、利用のメリット・デメリットなどを解説します。


CDNは、「コンテンツ配信ネットワーク(Content Delivery Network)」の略称です。ネットワークを最適化させるため、大容量のデジタルコンテンツを効率的かつ迅速にユーザーに配信できる仕組みを指します。
通常のWebサイトにおいて、Webサイトの大量アクセス・物理的に離れた場所からのアクセスに対し、ネットワークの遅延に伴い、レスポンスが低下する場合が少なくありません。
こうした課題を解決するのがコンテンツ配信専用のネットワークであり、複数のサーバーを活用して負荷分散を行うCDNです。
CDNを利用することで、アクセス集中やコンテンツの大容量化でも、ホームページの表示やコンテンツの配信を問題なく行うことが可能です。
近年インターネット上で提供されている動画や音楽などの大容量コンテンツは、配信のためにネットワークに多大な負荷がかかります。
また、通年でアクセスが多いもの・災害時などでアクセスが多くなるものなど、アクセスが集中しサイトの表示に時間がかかったり、サイトが表示できなくなる問題が発生するケースも少なくありません。
こうしたアクセス集中によるユーザーの混雑を回避する仕組みとして、CDNの導入の需要が高まっています。
CDNはWebコンテンツの閲覧を要求する私たちと、応答するサーバーという2者の関係の中間に置かれ、サーバーに成り代わることで、応答過多な状況における処理の負荷を肩代わりします。
CDNは以前大企業のコンテンツ配信が中心でしたが、インターネット利用者の増加に伴い、セキュリティ対策や幅広い料金形態から、中小企業や地方自治体でも導入が進められ、今後もCDNを利用するサービスが増加するでしょう。

CDNの仕組みは非常にシンプルで、Webサイトのコンテンツを世界中に分散した配信拠点にキャッシュして、オリジンサーバの代わりにコンテンツを届けます。
通常のコンテンツ配信の場合、リクエストを送信してユーザーに必要な情報をサーバからピックアップしますが、CDNを利用している場合は、サーバーではなくCDNが応答してキャッシュしている情報を提供します。
CDNがサーバーに成り代わり、本来サーバーまでのフローを短縮するため、配信動作の効率化につながるのですが、ユーザーはその恩恵になかなか気づきません。
クラウドとCDNの違いは、その目的に加えて、サーバーへかかる負荷が挙げられます。
まずクラウドはインターネットサーバーに情報が保存され、Web ベースの E メール・ファイル保存・ファイル共有・データバックアップなどの、作業をするための高い利便性を保有します。しかし、確保した能力を超えるアクセス処理はできず、特定のクラウドサーバからの配信のため、ネットワークの遅延が発生する可能性を否定できません。
一方CDN は「オリジン」サーバー(クラウドや自社サーバー)のコンテンツを世界各地に分散するサーバーネットワーク。コンテンツは、ユーザーが Web 対応デバイスを使用してインターネットにアクセスする場所の近くにキャッシュされ、複数のサーバーに負荷が分散されるため、オリジンサーバーの負荷の軽減にも役立ちます。
また、CDN側で十分な設備やネットワークを確保しているため、企業は自社サイトの利用増に合わせてサーバやネットワークを拡張する必要がありませんが、クラウドのような情報を保存するといった利便性はありません。


CDNを利用するメリットは、以下の5点が挙げられます。
配信の高速化
サービス品質の向上
大規模アクセス対策
セキュリティの向上
費用(コスト)の削減
Webサイトやアプリケーションの配信にCDNを利用すると、サイトの負荷が削減されるため、訪問者が体験するページのロード時間が短縮されます。
また、近くのCDNサーバーを利用してWebサイトの訪問者の近くでコンテンツを配信することにより、最短経路を考慮した配信を行うこともでき、SEOを意識したニーズも生まれます。
Webサイトのスピードが速ければ、より多くの訪問者にゆっくりとサイトを楽しんでもらえるため、CDNによって配信や表示速度が改善されることは、離脱者を出さないためにも欠かせません。
コンテンツ所有者がCDNを利用する目的として、以下が挙げられます。
顧客体験の向上
離脱率の低減
広告インプレッション数の増加
コンバージョン率の向上
顧客ロイヤルティの強化
CDN を利用することにより、ユーザーの所在地・ブラウザ・接続ネットワークに関係なく、すべてのエンドユーザーに高速で質の高い Web 体験を提供できることは、ユーザーの満足度には欠かせません。
CDNを利用すると、各所のキャッシュサーバが応答するため、多くの人が同時にコンテンツにアクセスしたり、インターネットの一部でサーバーが停止したりしても、ユーザーがコンテンツにアクセス可能な状態が維持されます。
そのためコンテンツの配信状況が安定するとともに、サーバーの応答速度も改善できるメリットがあります。
CDNの導入によって、ユーザがオリジンサーバへ直接アクセスしなくなるため、CDN導入前よりもサイバーセキュリティの向上が期待できます。
CDN内は多数のサーバーを所有しているため、単一のオリジンサーバーで運営するよりも、大量のトラフィックやDDoS攻撃を吸収し、Webサイトを維持できます。
CDNを導入すると、オリジンサーバへの負荷軽減と同時に、オリジンサーバの運用コストを削減できます。
CDNはウェブサイト上のコンテンツの多くをキャッシュし、そのキャッシュからコンテンツを提供するため、オリジンサーバは同じコンテンツを何度も配信する必要がありません。
Webホスティングプロバイダーは通常、Webホストとの間で転送されるデータ量に対してWebサイトに課金するため、転送されるデータ量が多ければ多いほど、費用も高くなります。
しかし、CDNがオリジンサーバの代わりにWebサイトのコンテンツを提供する場合、転送するデータ量は大幅に少なくなり、オリジンサーバに送られるユーザーリクエストは少なくなります。
また、同じくオリジンサーバーから発信されるコンテンツも少なくなり、帯域幅の費用が削減されるでしょう。

CDNを利用するデメリットは、以下の3点が挙げられます。
ファイルの更新が遅れる場合がある
設定を誤ると「キャッシュ事故」が起きる
アクセスログを取得できない可能性がある
CDNの設定には、キャッシュしたコンテンツを保持する時間を決める項目があり、その時間を設定すると、オリジンサーバが更新されても、CDN側のコンテンツは古い情報のまま配信が続けられます。
各配信拠点には新しいコンテンツを即座にキャッシュできるツールが用意されていますが、すべての配信拠点に反映されるには時間がかかることも少なくありません。
また、会員サイトにあるような個人情報が掲載されたページをキャッシュすると、それが他人に見られてしまう「キャッシュ事故」を起こす可能性もあります。
また、アクセスログを取得したい場合はCDN事業者から提供してもらう必要がありますが、CDNのサービスによっては、キャッシュサーバーに対するアクセスログを提供していない場合があるので注意しましょう。

CDNの導入にかかる金額は、以下の3点で大きく変わります。
データ転送量 | コミット型 | 従量型 |
リクエスト数 | ユーザーからコンテンツ配信のリクエストを受けた回数に応じた月額課金も発生し、リクエスト数課金と呼ばれる | |
サポート内容 | メールフォームからの対応のみのものや、CDN事業者のエンジニアが必要な設定を代行してくれるものまでさまざま | |
主にかかる費用は、導入に必要な「初期費用」と、データ転送量等で変化する「月額費用」の2種類です。Webサイトの規模によって異なりますが、「3万円〜」を目安にしておきましょう。

CDNの利用を検討する主なタイミングは、以下が挙げられます。
広告を打ち出した
大容量のコンテンツを配信した
ECサイト系を開始した
いずれにおいても、アクセス過多によってサーバー障害が引き起こされるリスクを含むものです。オリジンサーバーおよびクラウドに大きな負荷がかかるほどの流入が想定される場合、CDNの利用を検討するべきでしょう。
タイミングに加えて、汎用性が高いことからCDNの活用例として以下のものも挙げられます。
WordPressのレスポンス高速化
動画配信の安定か
JQueryなどのライブラリーを多用するサイト運営
HTMLファイルの複製がキャッシュサーバーに保存されると、WordPressへの負荷を低減できて高速化が期待できます。また、動画コンテンツを配信しているオリジンサーバーの負荷を減らす際にもよいでしょう。
意外な導入ルートとして、JavaScriptでよく使われるプログラムの記述をインターネット上にまとめて保管することでライブラリーの多様に耐えうる状態を作るといったこともできます。

CDNを提供するベンダーの選び方は、以下に挙げた4つのポイントを押さえます。
事業者は国内か・海外か
配信拠点と規模は問題ないか
料金体系は無理なく利用できる内容か
サポート体制は充実しているか
国内外のいずれのベンダーを選ぶ場合においても、配信拠点と規模をチェックして性能の要件を満たしているかを確認しておきます。
また、CDNは導入するためにかかる初期費用に加えて、ランニングコストとして月額料金(または従量課金)のビジネスモデルが採用されているため、金額が無理なく支払える程度であるかも大切です。
最後に、万が一の対応としてサポートが手厚いかも調べておきます。
サポートサイトの公開のみ
メール問い合わせへの対応のみ
電話対応可能
直接の面談によるコンサル対応可能
CDNエンジニアによる設定代行まで可能 など
複数のサポートがありますが、不安な場合は手厚いと感じられるベンダーがおすすめです。
代表的なCDN提供ベンダー(事業者)として、以下の8つが挙げられます。
Akamai
Amazon CloudFront
Cloudflare
CDNetworks
Fastly
さくらのレンタルサーバ
エックスサーバ
SEED Hosting Service
Akamaiは、アメリカの大手ネットワーク事業者で、AkamaiのCDNは全世界のインターネット上のトラフィック30%を処理していると言われているほど、高い耐障害性を誇ります。
世界130ヶ国、24万台以上のサーバがあり、世界各国からアクセスがあるような大規模サイトに特におすすめです。
Amazon CloudFrontは、Amazonが提供するCDNでAWSの他サービスと統合されています。
日本でもAWSを利用する企業が多く、その機能の一部であるAmazon CloudFrontは、他のサービスとも連携しやすく、インターネットのインフラ整備の重要な地位を占めつつあります。
Cloudflareはアメリカの企業で、企業向けのCDNだけでなく個人向けや無料プランを提供し、注目を集めています。
世界80ヶ国、180か所以上のデータセンターが稼働し、DDoS攻撃対策やDNSサービスに力を入れています。
CDNetworksは2000年に韓国で創設したネットワーク関連企業で、アジアを中心に配信拠点を構えるCDNサービスです。
中国やロシアなどでも対応し、CDNサービスだけではなく、セキュリティ対策まで一貫して行える特徴があります。
Fastlyは、アメリカで2011年に創設したクラウド・コンピューティング・サービス・プロバイダーです。
高性能HTTPアクセラレータの「Varnish」とWebサーバの「H2O」をペーストしてCDNを配信しているため、動的コンテンツのキャッシュも簡単にでき、リアルタイムな分析・障害把握も可能です。
さくらインターネット株式会社が提供するCDNサービスで、「コンテンツブースト」という機能を提供しています。
さくらインターネットが提供するコンテンツブースト機能なら、簡単操作で利用できるため、スキルや知識がない人でも手軽に活用できるのが魅力です。
エックスサーバ株式会社が提供するCDNサービスで、Webサイトを高速・安定化させるための機能「Xアクセラレータ」を提供しています。
Xサーバの対象サービスを利用している人であれば、無料で使用可能なため、Xサーバを利用中の方でCDNを使ってみたい方におすすめです。
SEEDS Hosting Serviceという、法人向けのホスティングサービス企業が提供するCDNサービスです。
国内外に配信拠点があるため最適な配信が可能で、価格は配信地域や従量によって異なります。

さまざまなデバイスから手軽にWebコンテンツを楽しむ私たちは、多少の表示速度が遅くなることにすら耐えられなくなっています。
そのため、インターネット上におけるサービスについて、CDNを活用して表示速度を改善することは死活問題と言えるでしょう。
この記事が、訪問者が快適に自社サイトを閲覧できるのに適した、CDNサービスを選ぶ助けになれば幸いです。
システム開発でお悩みのことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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