問い合わせへの返信や社内文書の検索にAIを使いたくても、開発会社にどこまで頼むかは迷うところです。
使うか分からない機能まで最初に作ると、費用が予算を超えやすくなります。
用途ごとに、作らない範囲・試作で確かめる範囲・本番で作る範囲を分けると、相談する内容を整理できます。
AIシステム開発を依頼する範囲は、次の順で決めましょう。
記事の要点(図解1分)
既製機能で足りるか、試作が要るか、連携が要るかで依頼範囲が分かれます。
AIで要約・質問をする
※ 開いたAIの入力欄に文が入っていない場合は、下のプロンプトをコピーして貼り付けてください
記事 https://n-v-l.co/blog/ai-system-development を読み、次の形で答えて。私について知っている情報があれば前提にする。 1.結論1文 2.記事の具体例3つ(企業名・サービス名・数字入り) 3.読む価値がある見出し2つ+理由 4.私の会社に効くか(私を知っていれば当てはめ、不明なら判定質問3つ) 5.末尾に「答えてもらえれば、記事とサイト(https://n-v-l.co/)をもとに打ち手と記事にない部分を分けて答えます」 1500字以内。記事にないことは書かない。
ご利用中のAIで記事の要約を作成。その後、記事とサイトの内容をもとに、あなたのご質問に回答します。
既製機能で足りる用途は開発対象から外し、効果が分からない部分は試作で確かめます。本番では、日々の業務に組み込む機能まで含めて依頼しましょう。
用途ごとの相談内容は、次のように整理できます。表の条件は、本記事で紹介する公開資料と回答を基にした確認項目です。
| 現在の状態 | 依頼する範囲 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 既製のAI機能で必要な出力を得られ、社内ルールに沿って使える | 独自には作らず、既製機能を使う | 担当者の作業が目的どおりに減るか |
| 自社の文書やデータで、業務に使える出力が得られるか分からない | 試作で確かめる | 出力の誤り、人の修正時間、費用に見合う効果 |
| 利用の見込みがあり、既存システムとの連携や利用者ごとの権限が必要 | 本番のシステムを作る | 連携・権限・画面・人の確認方法 |
相談する前に、発注側で何を決めておけばよいですか。
岡田決めておいてほしいのは、ゴールと予算の幅です。開発範囲を先に分ける考え方は、実務に合っています。
ただ、範囲を分けずに全部を依頼しても構いません。その場合は、弊社で開発範囲を整理します。
範囲の分け方とは別に、相談前に検討すべきことはありますか。
岡田顧客情報や価格など、AIに渡してよいデータの範囲を決めておいてください。情シスやセキュリティ担当の合意も必要です。
既製機能で必要な作業が済むなら、独自開発は不要です。まず、現在の契約で使えるAI機能を調べ、自社の利用ルールで認められた文書を使って試してください。

Googleの公式ヘルプでは、文書内の文章の要約や、文章を作成する機能を案内しています。利用には対象のプランなどの条件があります。 参照:Gemini in Google ドキュメントを活用する|Google
たとえば、担当者が文書を開き、要約を読んで確認する使い方なら、まず既製機能で試せます。確認するのは、要点の抜けや事実の誤りに加え、文書を探して入力し、結果を直すまでの作業時間です。
既製機能で目的を満たせる用途は、開発の依頼から外します。結果が十分か判断できなければ、評価する対象を絞って試作へ進みましょう。
顧客管理システムから情報を取得して返信案を保存するなど、前後の処理まで任せたい場合は、必要な連携を個別に確認します。既製機能の対応範囲を調べ、足りない処理だけを開発会社に伝えてください。
試作では、自社のデータで必要な出力を得られるかを確かめます。評価する文書と合格条件を先に決め、結果を見て本番開発の可否を判断してください。
公正取引委員会と経済産業省の指針は、PoCを本格的な共同研究開発に進むか判断するための検証と位置づけています。また、AIのテストデータで得た精度は、実際の利用環境での精度を保証するものではないと説明しています。 参照:スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針|公正取引委員会・経済産業省
社内文書を検索して回答する用途なら、評価項目を次のように書き出せます。表は試作計画を作るための例です。
| 評価する項目 | 試作で確かめる内容 |
|---|---|
| 回答の根拠 | 社内文書の該当箇所を示せるか。文書にない内容を回答していないか |
| 回答できない質問 | 情報が見つからないとき、回答できないと伝えられるか |
| 人が直す時間 | 検索から確認・修正まで含め、現在の作業より短くなるか |
| 閲覧権限 | 利用者が読めない文書の内容を回答に含めていないか |
精度の合格値や評価件数は、依頼する業務に合わせて開発会社と決めます。発注側の判定担当者と判定日も、試作の開始前に決めてください。
必要な品質や効果を確認できない場合は、本番への移行を保留します。追加検証をするなら、直す対象と期限を改めて定めてください。修正の見込みが立たなければ、試作で終える判断も含めます。
本番では、利用者が毎日使う画面や、既存システムとの連携まで開発範囲に含めます。AIの出力を確かめる人と確認方法も、運用開始前に決めてください。

見積もりを頼む際は、連携先と利用者の範囲を伝えます。たとえば社内文書の検索なら、接続する文書保管先や、部署ごとに閲覧できる文書を整理してください。既製の仕組みを使う部分と、新たに作る部分も確認します。
試作から本番へ進むとき、発注側が見落としやすい作業は何ですか。
岡田本番で増える作業には、次のようなものがあります。

AIの間違いに気づくには、どのような方法がありますか。
岡田抜き取りチェックや、人が承認する流れを設けます。
人の確認を省ける用途として挙げるのは、社内で完結する検索や下書き、後の工程で必ず照合されるものです。しばらく全件を見て精度が十分だと分かったら、抜き取り確認に切り替える方法もあります。
IPAが公表したAIセーフティの評価観点には、誤った情報の出力防止、プライバシー保護、セキュリティ確保などが含まれます。開発時に限らず、提供・利用の段階でも適切なタイミングで評価を繰り返す考え方です。 参照:AIセーフティに関する評価観点ガイドを公開|IPA
確認方法を決める際は、誤りが起きたときの影響も整理します。社内だけの利用でも、回答を基に重要な判断をする用途は、その判断への影響を評価してください。
相談の準備ができたら、試作で確かめる内容と、本番で使えるようにする内容を分けて稟議に書きます。現在の作業負担も、決裁者が費用と比べられる形にしてください。
試作と本番を分けて提案するとき、決裁者から問われることは何ですか。
岡田まず聞かれるのは、元が取れるかです。稟議には、今の業務にかかっている時間を金額にしたものと、PoCが成功したらどうなるかを書きます。試作と本番の稟議は分けた方がよいと考えています。
稟議に記入する項目の例は、次のとおりです。
| 項目 | 試作の稟議に書くこと | 本番の稟議に書くこと |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 検証する業務とデータ、今回作らない機能 | 利用部門、連携先、権限、画面 |
| 効果 | 現在の作業時間と、成功時に減らしたい作業 | 試作結果を基にした削減時間と、人の確認に残る時間 |
| 費用 | データ準備・試作・評価の見積もり | 連携・画面の開発費と、利用・運用の継続費 |
| 期間 | データを用意する日、検証終了日、判定日 | 開発・受入確認・利用開始の日程 |
| 判断条件 | 本番へ進む条件、追加検証・中止の条件 | 本番の受入条件と、運用中の確認担当 |
作業時間の金額換算には、社内で使う人件費単価を使います。AIの回答を確認・修正する時間も計算に含めてください。時間が減っても、人件費の支出が同額減るとは限りません。稟議では、作業負担の削減と支出の削減を分けて示します。
費用と日程は、この表の作業範囲を伝えて見積もりを依頼してください。
相談前に、対象業務のゴールと予算の幅を1枚にまとめてください。自社で判断できる用途には、既製機能の利用・試作・本番開発の希望を書きます。判断できない用途は未定として、開発会社に相談できます。
AIに渡したい文書やデータは、実物を送る前に社内の利用ルールを確認しましょう。情シスやセキュリティ担当と、共有できる情報の範囲を決めておきます。
弊社への相談も、開発範囲が決まる前から可能です。対象業務のゴールと予算の幅を、お問い合わせフォームからお知らせください。

エンジニア出身。大阪大学在学中から複数のプロダクトを立ち上げ、2019年にNOVEL株式会社を設立。上場企業を含む60件以上のAI導入・システム開発を支援し、見積もりと要件定義は自ら担当する。著書『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)。
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