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プロダクトビジョンとは|概要や具体例・SaaSにおける重要性も解説 

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プロダクトビジョンとは|概要や具体例・SaaSにおける重要性も解説 

最終更新日:

2025.4.8

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ユーザーのニーズが多様化している今、プロダクトビジョンを明確にすることは他社との差別化につながります。しかし、一方でプロダクトビジョンの意味や使い方がわからず、結局明確にできない場合も少なくありません。

本記事では、プロダクトビジョンの概要や具体例、またSaaSにおける重要性などについて解説します。

プロダクトビジョンとは

プロダクトビジョンとは

まずプロダクトビジョンについて、以下の3点から解説します。

  • プロダクトビジョンの概要

  • アジャイル開発で活用される

  • プロダクトゴールとの違い

プロダクトビジョンの概要

プロダクトビジョンとは、企業が目指したい姿や大切にしたい価値をプロダクトに落とし込み、言語化したものを指します。

企業のミッションが目指す形であるのに対し、プロダクトビジョンはミッション実践のための実行計画であり、開発における優先順位や意思決定の指針になるものといえるでしょう。

プロダクトビジョンは複雑な戦略とプロダクトの橋渡しをし、プロダクトの意図を示すことで、企業と顧客の関係を築くためのストーリーを伝えます。

アジャイル(スクラム)開発で活用される

プロダクトビジョンは、開発するプロダクトの将来を描いたもので、プロダクトに関わる人々に対し首尾一貫した方向性をあたえます。

プロダクトビジョンを明確にしてプロジェクトをスタートすることは、開発に参加する人たちにとってプロジェクトの到着地点が明確になるので、共通の開発目標を持つことが可能です。

その結果、それぞれが意欲的にプロダクトの開発に取り組みやすく、生産性だけでない付加価値を生み出しやすくなるでしょう。

プロダクトゴールとの違い

プロダクトゴールは、プロダクトビジョンを反映したものであり、スプリントとビジョンの橋渡しをします。

以前から、多くのプロダクトオーナーが実践の場で、プロダクトゴールを用いてきました。

プロダクトビジョンはプロダクトの長期的・将来的・戦略的な到達点で、プロダクトゴールはプロダクトビジョンへ向かっていくためのステップ、中間ゴールと言えるでしょう。

プロダクトビジョンはSaaSビジネスにおいて重要な役割がある

プロダクトビジョンはSaaSビジネスにおいて重要な役割がある

プロダクトビジョンのSaaSビジネスにおいて重要な役割を、以下の3つの項目から解説します。

  • SaaSとは

  • SaaSにおけるプロダクトビジョンの重要性

  • SaaSビジネスと相性が良いアジャイル開発

SaaSとは

SaaSはSoftware as a Serviceの略で、ベンダーが提供するクラウドサーバーにあるソフトウェアをインターネット経由してユーザーが利用できるサービスです。

SaaSは、インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、リモートワークなどの働き方にも大きな影響を与え、今や私たちの生活に欠かせません。

また、ドキュメント編集機能、ストレージ機能が搭載されていれば、複数のチームや複数のユーザーで同時にデータの管理・編集ができる特徴を持っています。

【関連記事】【決定版】SaaSとは?基本から開発方法・費用やサービスの立ち上げ方までプロが解説

SaaSビジネスにおけるプロダクトビジョンの重要性

SaaSのようなBtoBプロダクトにおいて、プロダクトビジョンは非常に重要です。

しかしプロダクトビジョンがなかったり、曖昧なケースも少なくなく、SaaSの方向性を見失わないためにプロダクトビジョンで開発という名の航海を乗り越える必要があります。

プロダクトビジョンからプロダクト戦略やプロダクトロードマップ、最終的には日々のアクションプランにつながるため、一貫性のあるプロダクト開発を進める上でプロダクトビジョンは欠かせません。

とくにSaaSのようなBtoBにおいては、BtoC向けよりプロダクトの複雑性が高く、ニッチマーケットの局地戦から次第にターゲットを広げていくため、プロダクトビジョンの修正もでてくるでしょう。

SaaSビジネスと相性が良いアジャイル開発

アジャイル開発は、SaaSのビジネスモデルと非常に相性が良いです。アジャイル開発とは、現在主流になっている開発手法の1つで、計画・設計・実装・テストの開発行程を機能単位の小さいサイクルで繰り返します。

環境や要求の変化に柔軟に対応できるアジャイル開発は、SaaSビジネスのソフトウエアの価値を継続的に高めるための改善に欠かせません。

一方受託開発では、計画を立案して契約を結んだ時点の完成形にコミットするため、よりよいアイデアが生まれ、顧客価値になるとわかったとしても変更が好まれない傾向にあります。

プロダクトビジョンの具体例

プロダクトビジョンの具体例

プロダクトビジョンの具体例を、以下で3つ挙げます。

  • メルカリShops

  • Amazon Kindle

  • Google Calendar

メルカリShops

株式会社ソウゾウが運営する「メルカリShops」は、「かんたんで、売れる」をコンセプトに、スマホ1つでネットショップを開設し、ショップ運営者が商品を直接販売することができるEコマースプラットフォームです。

メルカリShopsのプロダクトビジョンとして、「Eコマースは新しくなれる。メルカリShopsで全ての人とモノに新たな価値を。」を掲げ、C2CからB2Cも含めたより広いマーケットプレイスへと進化させることを目標にしています。

ネットショップを限られた人のためのものから全ての人が利用できるよう、今までのEコマースの形を越えて、ネットでも販売・購入体験を新たに発明し、つくり変えることを目標としていますが、既にその恩恵を受けている人は多いでしょう。

Amazon Kindle

Amazon Kindleはプロダクトビジョンとして、3つを掲げています。

  • あらゆる言語で書かれた、絶版も含めたすべての本を60秒以内に利用できるようにします

  • 文庫本より薄くて軽く、200冊の本を収納できます

  • Kindleは長文読書の目的で作られたものです。Kindleは、近年急増している集中が散漫になる情報収集ツールの氾濫に対抗して、長時間の集中を持続させる世界へと移行していくことを願っています

Amazon Kindleのプロダクトビジョンは、2007年にジェフ・ベゾスが株主に当てた手紙から読むことができます。

このプロダクトビジョンは、Amazonのビジョン「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」と足並みをそろえています。

簡潔な文章である一方、具体的かつ顧客視点で書かれており、読書好きで知られるベゾスらしさも感じることでしょう。

Google Calendar

Google Calendarは、以下の4つのシンプルなプロダクトビジョンを掲げています。

  • サクサク動き、美しく、楽しく使える

  • カレンダー上に情報をシンプルにとりこめる

  • リマインダー、招待状など、スクリーンに映るただのボックス以上の機能がある

  • 誰でも簡単に共有でき、あなたの生活全体を一目で見ることができる

Google Calendarのプロダクトビジョンとされる文章を公開しているブログから、要点を抜粋しています。

Googleのビジョン「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」と一貫性があることはもちろん、とてもシンプルかつ、ユーザー目線で書かれています。

ただ一般的に言われるプロダクトビジョンというより、テネットと呼ばれるプロダクトの意思決定ガイドに近い形かもしれません。

プロダクトビジョン設定はプロダクトマネージャーが担う

プロダクトビジョン設定はプロダクトマネージャーが担う

近年、スタートアップを中心にプロダクトマネージャーという職種を目にしますが、一般的にプロダクトビジョン設定はこのプロダクトマネージャーが担います。

プロダクトマネージャーとは、顧客とともに価値を共創する活動の成果を最大化するために欠かせません。

プロダクトの企画立案・デザイン・開発・テスト・リリース・マーケティング・ビジネスにいたる幅広いプロセスにおいて、プロダクトの成功に責任を持つため、ミニCEOと呼ばれることもあります。

プロダクトマネージャーに重要なフレームワーク

プロダクトマネージャーにとって、フレームワークは欠かせません。考え方の枠というフレームワークを持っていれば、新しい仕事や難しいプロジェクト、複雑で多い業務が発生しても、スムーズに対応できるようになります。

難題をフレームワークに当てはめるだけで、パターン化された考え方で考えを自動化し、仕事を進めることができるからです。

ただフレームワークを適切に運用するには、プロダクトマネージャーの力量が問われるので注意しましょう。

以下では、6つのフレームワークを表にまとめました。

RICE アメリカのプロダクトマネージャー間で有名なプロダクト開発の優先順位付けフレームワーク
RICEは、リーチ数・インパクト・コンフィデンス・エフォートの頭文字をとっています
リーチ数
何人のユーザーに影響するか
インパクト
どれくらいの影響があるか
コンフィデンス
どれくらい確信があるか
エフォート
開発工程はどれくらいかかるか
同じ影響度であれば、工数が小さいものを優先するべき、影響度は高くても工数が高いものは他の機能を先にやるべきという判断ができやすくなります
THE PRODUCT VISION BOARD プロダクト開発のビジョンを可視化するフレームワーク
キーワードは以下の4つ
ニーズ
プロダクトが解決する課題は何か
ターゲット
どのマーケットの誰が使うのか
プロダクト
プロダクトの特徴や実現性はどうか
ゴール
プロダクトはどのように利益をうむのか
言語化して整理しておくだけで、メンバーが増えていっても認識をそろえやすく、最も基本的かつシンプルで効果がある
666ロードマップ カスタマーサポートSaaSのZendeskのポール・アダムス氏の提唱するフレームワーク
プロダクト開発を6で区切ることで、効果的なプロダクト開発ができるようになると言っています
次の6週間
直近の改善案をやる
次の6か月
将来から逆算して重要なことをやる
次の6年
将来の大きな展望を描く
プロダクトマネージャーはプロダクトづくりとプロダクトが生み出す収益の両方を管理しなければならないので、666が到来したときのチェックは重要になります。
Product Prioritization Framework プロダクトに搭載する機能の優先順位を決める考え方
期待値と影響の大きさの2つから4象限に分けることでやる・やらないを判断します
期待値大×影響大=なければならない機能
期待値小×影響大=やってみたらよい影響があるかもしれない機能
期待値小×影響小=あったらよいけど必須ではない機能
期待値大×影響小=やらなくてよい機能
とくにプロダクトが未成熟なタイミングで取捨選択をするときに役立つでしょう
Kano model 東京理科大学名誉教授の狩野紀昭氏が考案
プロダクトの品質について、横軸に製品やサービスの充実度、縦軸に顧客満足度をとり、要素の特徴を分析
5種類のプロダクト品質として、以下が挙げられます
魅力的品質:あったらよいが、なくても困らないもの
プレミアム機能が該当し、差別化要因となりえる
当たり前品質:あって当たり前で、ないと不満を起こすもの
電話なら通話できる、自動車なら安全に走るといった基本的ニーズの充足
一元的品質:あると喜ばれるもの
充足されると満足、不充足だと不満といった性能と評価が比例する機能
無関心品質:購買に影響を与えないもの
逆の品質:逆効果を生むもの
2×2マトリックス 縦2マス、横2マスの「田」の字マスを使って4つの象限に分類するフレームワーク
シンプルながら応用がきく便利なフレームワークで、「価値とリスク」「価値とコスト」「重要性と緊急性」など、様々な組み合わせが使われます
コンセプトができやすく、開発やマーケティングもしやすくなります
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プロダクトビジョンは方向性を合わせるのに「吉」

プロダクトビジョンを明確にすることは、開発に関わるメンバーのプロダクト志向を促し、個人の技術や創造性を発揮できる最適な開発環境の整備に欠かせません

企業のミッションと現在開発しているプロダクトで乖離が生じていたり、開発メンバー間で方向性の違う場合は、自社のプロダクトビジョンを定義してみてはいかがでしょうか。

プロダクトビジョンを定義するにあたり、少しでも本記事が役に立てば幸いです。なお、開発チームの用意が間に合わない、アジャイル開発で構築したいものがあるといったご相談はぜひお気軽にお問い合わせください。


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