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訪問販売の失注分析|「価格」「検討中」で終わらせない4つの手順

最終更新日:

2026.10.14

訪問販売の失注分析|「価格」「検討中」で終わらせない4つの手順

日報の失注理由が「価格」「検討中」に偏り、担当者に何を指導すればよいか決まらない。そんなときは、断られた段階と商談の会話を見比べてください。報告された理由から、すぐに値下げを決めるのは早計です。

この記事では、外壁塗装の訪問営業を例に、失注分析を日々の指導につなげる手順を説明します。

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訪問販売の失注分析は4つの手順で進める

日報で断られた段階を確認し、会話から改善する箇所を探します。改善する箇所に指導を絞り、翌月の商談で変化を確かめる順序です。

手順営業責任者が確認すること
1.失注理由の集計断られた段階と、お客様が最後に言った言葉
2.商談の会話の確認報告理由に関係する会話と、お客様の反応
3.担当者ごとの比較同じ段階で成約率の高い人と低い人が話している内容
4.指導と効果の確認指導した内容が現場で使われたか、数字がどう変わったか

日報の理由だけでは、何を直すべきか分からない場合、最初に何を確認しますか。

岡田まず、日報に理由以外の何を書かせているか、どの段階で断られたか分かるかを聞きます。報告された理由だけでは判断できないので、同行か録音で、何件かの商談の会話を確かめます。

支店ごとにトークスクリプトがばらばらなら、先にスクリプトをそろえます。段階がそろっていないと、担当者同士を比べられません。

以下は外壁塗装の商談を想定した判断例です。

失注分析の手順1|断られた段階と言葉の記録

日報には、いつ断られたかと実際の発言を残します。「価格」という分類だけでは、見積もりを出す前後のどちらに問題があったか分かりません。

断られた商談を3つの段階に分ける

断られた商談を、見積もり前の断り・見積もり後の断り・契約後のキャンセルの3段階に分けて記録する
図1|日報で残す、断られた段階の3区分

岡田理由の項目を増やすより、断られた段階を必ず書かせる方がよいと考えます。分けるのは次の3つです。

  1. その場での断り
  2. 見積もりを出した後の断り
  3. 契約後のキャンセル

日報では「その場」を見積もり提示前の断りとして扱うと、3区分が重複しません。見積もりを出した当日の断りは「見積もり後」に分類する運用例です。契約前の失注件数と契約後のキャンセル件数は別々に集計してください。

消費者庁は、訪問販売のクーリング・オフについて、法定の書面を受け取った日から数えて8日以内に、書面または電磁的記録で申し込みの撤回や契約解除ができると案内しています。適用除外や、妨害があった場合などの例外もあります。 参照:訪問販売|消費者庁 特定商取引法ガイド

失注理由の日報に設ける4つの記入欄

失注理由の項目は、どう用意すればよいですか。

岡田「価格」「検討中」「家族と相談」が多いなら、追加の候補は次の3つです。

  • 他社でも見積もりを取る
  • 今は必要ない
  • 担当者を信用できない

ただし、分類にまとめるだけでは建前になってしまいます。お客様が最後に言った言葉を、そのまま書いてもらってください。

日報の記入欄は、次のように用意できます。分類が判断できない商談は「不明」とし、担当者の推測で埋めない運用にします。

記入欄残す内容
断られた段階見積もり前・見積もり後・契約後
お客様の発言最後に言った言葉の原文
失注理由の分類発言から分類できる理由。不明なら不明
担当者の見立て確認済みの発言と区別した、原因の仮説

「検討中」は、返事を待っている商談も含む表現です。失注が確定していない商談は保留として分け、失注件数に含める条件をそろえてください。

失注分析の手順2|商談の会話による報告理由の確認

報告が「価格が合わなかった」なら、見積もりを出す前後の会話を確認してください。報告理由を確かめる材料は、見積もりを出す前後の発言と反応です。

商談の会話で確かめる3つの箇所

見積もりを出した時点・金額を伝えたとき・帰るときの3か所で、お客様の発言と反応を確かめる
図2|「価格」と報告された商談で確かめる会話の3か所

岡田私なら、価格を理由に断られた商談は、見積もりを出したタイミングから確認します。工事の必要性が伝わる前に金額の話をしていないか、ということです。

会話で確かめたいのは、次の3点です。

  • 見積もりを出した時点で、お客様が困りごとを自分の言葉で話していたか
  • 金額を聞いたときに、表情や相づちがどう変わったか
  • 帰るときに、次の約束が取れていたか

表情の変化や次の約束がないことだけで、失注原因は確定できません。発言・反応の記録と、営業責任者が立てる仮説を分けて扱います。

録音がなければ同行で確かめる

録音がなくても同行で確認できます。営業責任者が会話を聞き、見積もりを出した時点でお客様が何を話していたかを記録してください。音声の録音だけでは、表情の変化までは分かりません。

商談後に家族から反対された場合は、どう調べますか。

岡田確実な調べ方はなくケースバイケースではありますが、確かめるなら、商談の最初に「決めるのはどなたですか」と聞いていたかを見ます。もう1つは、断られた後に本部からお客様へ電話して、何が引っかかったのかを聞く方法です。

お客様への聞き取りをする場合は、協力の意思を確認し、回答を断られたら聞き取りを終えます。回答が得られなければ原因は未確認のまま残してください。失注理由のアンケートも、回答にない事情を推測で補うためには使いません。

録音を始めるときは、利用目的と録音する旨を事前に説明してください。

個人情報保護委員会の電話録音に関するQ&Aでは、個人を識別できる通話内容は個人情報に該当するとしています。利用目的の通知または公表は必要ですが、個人情報保護法上、録音している旨まで伝える義務はないという説明です。 参照:電話の通話内容と録音の告知に関するQ&A|個人情報保護委員会

事前の録音説明は、この記事で提案する運用です。法律上の義務とは区別してください。

失注分析の手順3|同じ段階の会話の比較

担当者を比べるときは、同じ段階の会話を比較します。外壁塗装なら、挨拶、困りごとの聞き取り、家の点検、見積もり、最後の締めという流れが一例です。

断られる原因を探す3つの段階

最初の数分・困りごとを聞く段階・最後の締めの3段階で、断られる原因になる会話を確かめる
図3|外壁塗装の商談で断られる原因を探す3つの段階

岡田外壁塗装の商談を想定するなら、断られる原因を探す段階は次の3つです。

  • 最初の数分:お客様の警戒が解けないまま話を進めていないか
  • 困りごとを聞く段階:お客様が困りごとを話す前に点検や見積もりへ進んでいないか
  • 最後の締め:契約する意思を確かめる一言がなく、「検討します」で終わっていないか

訪問販売では、消費者が契約しない意思を示した場合、その場で勧誘を続けることも、後から改めて勧誘することも禁止されています。 参照:訪問販売・再勧誘の禁止等|消費者庁 特定商取引法ガイド

意思を確認した結果、断られた商談は終了します。分析するのは、断られた商談での説明や聞き取りを、次の商談の指導に生かすためです。

困りごとを場所と時期まで聞いているか比べる

成約率の高い担当者と低い担当者では、どの段階に差が出ますか。

岡田私が注目するのは、困りごとを聞くところです。成約率の高い人は、「雨漏りはどの部屋ですか」「いつからですか」と、具体的なところまで聞いています。

比較用のメモには、担当者の質問とお客様の回答を対にして残します。お客様が場所や時期を答えていたかまで比べられる形にしてください。

失注分析の手順4|指導の絞り込みと数字の確認

改善する箇所が決まったら、その段階だけを練習できます。翌月は、担当者ごとの成約率と商談中の行動を見比べます。

困りごとの聞き方を指導する3つの方法

岡田困りごとの聞き取りに問題があるなら、まず行うのは次の3つです。

  • 成約率の低い人への同行と、困りごとを聞くところだけの確認
  • 困りごとを聞く場面だけのロープレ
  • 成約率の高い人の商談への、低い人の同行

翌月の変化を確かめる3つの指標

岡田効果を見るときは、次の数字を確認します。

  • 指導した担当者の成約率が前の月からどう変わったか
  • お客様が困りごとを話した商談の割合
  • 「価格」「検討中」という報告の件数

困りごとを話した商談の割合は、成約率より先に変化を見るための指標です。

数字を記録する際は、割合と母数を一緒に残す形式にしてください。集計例は次のとおりです。

指標集計の例
担当者別の成約率対象商談のうち契約した件数÷対象商談数
困りごとを話した商談の割合お客様の具体的な発言を確認できた商談数÷確認対象の商談数
失注理由の内訳理由ごとの失注件数と、失注全体に占める割合

比較する月で、対象商談の数え方と結果を確定する時点をそろえます。契約後のキャンセル件数は別に記録してください。失注理由別の件数が減ったときは、商談全体の件数も確認します。

成約率が上がらないときの3つの確認事項

同行やロープレの後も成約率が上がらない原因を、現場で使っていない・見立てが外れている・件数が少ないの3つに分ける
図4|指導後も成約率が上がらないときに確かめる3つの原因

同行やロープレをしても、成約率が上がらないのはどんな場合ですか。

岡田成約率が上がらない場合は、次の3点を確かめます。

  • 本人が教わった内容を現場で使っていない
  • 実際には別の段階に問題があり、原因の見立てが外れている
  • 商談件数が少なく、成約率が上がったか判定できない

管理者が商談を見ていないと、教わったやり方から元に戻ってしまうことがあります。

成約率と併せて、会話の確認を続け、教わった質問を使ったか、お客様の具体的な回答が増えたかを見ます。

まとめ|日報と商談の会話を見比べるところから始める

まずは直近の日報から、断られた段階とお客様の発言が残っているかを確認してください。次の同行では、困りごとを聞く場面に注目し、担当者ごとの質問と回答を書き留めましょう。

4つの手順は、商談の録音を商談解析AI「DOKO」に取り込めば、画面で進められます。

手順1:その後の結果で絞り込み、キャンセルになった商談で満たしていない段階を確かめる
手順2:段階の番号を押してその場面から再生し、営業とお客様の発言を文字で確かめる
手順3:段階ごとにかけている時間を支店全体の平均と並べ、差の大きい段階を確かめる
手順4:担当者の見積後の成約率を支店全体と並べ、週ごとに確かめる

最終更新日:2026年10月9日

商談解析AI DOKO

断られた段階を、商談の録音から確かめる

録音をAIが文字起こしし、トークスクリプトの段階ごとに判定します。30分のお打ち合わせで、対象の支店と見たい数字を伺い、ベータ版での進め方をご提案します。

断られた商談の段階の確認
報告理由に関わる場面の再生
支店全体の平均との比較

これから録音を始める会社でも使えます

取材回答/監修
岡田 徹NOVEL株式会社 代表取締役

エンジニア出身。大阪大学在学中から複数のプロダクトを立ち上げ、2019年にNOVEL株式会社を設立。上場企業を含む60件以上のAI導入・システム開発を支援し、見積もりと要件定義は自ら担当する。著書『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)。

公開 2026.10.14|最終更新 2026.10.14
NOVEL株式会社

生成AI・AIエージェント・業務システムの開発と導入支援|AI導入の支援実績 60社以上/上場企業から中堅企業まで|2019年設立