データ分析

店舗データ分析の進め方|全店の数字をそろえる判断基準

最終更新日:

2026.10.14

店舗データ分析の進め方|全店の数字をそろえる判断基準

店舗ごとの報告ExcelとPOSの売上が合わず、月初は数字の確認だけで時間が過ぎる。経営者から急に店舗比較を頼まれても、すぐには出せない。こうした状態なら、まず経営会議で何を比べたいかを決め、元データの確認から始めてください。

税込・税抜などの計算ルールに加え、店舗や商品を識別するコードも整える必要があります。この記事では、多店舗本部が店舗データ分析を始めるための準備と進め方を説明します。

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店舗データ分析を始める3つの手順

全店の数字がそろわないとき、最初に確認するのは何ですか。

岡田最初に決めるのは、経営会議で見たい数字です。次の順番で進めます。

  1. 経営会議で見たい数字を決める
  2. 手元にあるデータを確かめ、店舗・商品・税区分などのマスタを設計する
  3. 数字の定義やデータ連携、未確定分の扱いの整備を並行して進める

数字がそろわない4つの原因

数字がそろわない4つの原因と、それぞれの直し方の対応表
図1|数字がそろわない原因と直し方

岡田数字がそろわない原因は次の4つです。

  • 税込・税抜や返品の引き方など、数字の定義が違う
  • POSや勤怠など出どころが異なり、コードや日付の形式がそろわない
  • データが集まる時期が違う
  • 店舗コードや商品コードを管理するマスタが整っていない

定義の違いは、税区分などのルールをマスタに持たせて直します。出どころが分かれたデータには、連携する仕組みが必要です。集まる時期の違いは、未確定分として扱いを決めればよいと考えています。

マスタは、店舗や商品を識別するコードと名称などを管理する基本の一覧です。たとえば店舗の名称を見て手で集計先を判断しているなら、どのコードを同じ店舗として扱うかを一覧にします。

広さや客層が近い店舗を比べる

数字の定義や届く時期をそろえても、店舗比較ができないのはどんな場合ですか。

岡田何を比べたいかが決まっていない場合です。店の広さや客層が違いすぎる場合も、同じ条件で比較できません。まず、どんなことを分析して何を得たいのかを決める必要があります。

店舗データ分析で使う4つの指標

店舗の売上差を調べるなら客数と客単価、原価の負担を調べるなら粗利率を確認します。目的に合わせて指標を選び、計算式と集計対象を全店で統一してください。

指標計算方法比較前に決めること
客単価売上高=客数×客単価。客単価=売上高÷客数売上の税込・税抜、返品・値引きの扱い。客数を人数で数えるか、会計件数で数えるか
粗利率(売上高−売上原価)÷売上高×100売上原価に含める費用と集計期間
人時売上高売上高÷総労働時間売上と労働時間の対象日。開店準備や閉店作業を含める範囲
売上高の前年同日比当日の売上高÷前年の同じ日付の売上高×100同じ日付で比べるか、同じ曜日に合わせるか。休業日や新店の扱い

日本フードサービス協会の店舗運営教材では、客単価を売上高と客数から求め、人時売上高を売上高と総労働時間から求めています。 参照:外食業特定技能2号 技能測定試験学習テキスト「店舗運営」|日本フードサービス協会

日本政策金融公庫は、売上高から売上原価を差し引いた粗利益が、売上高に占める割合を売上高総利益率と説明しています。 参照:主な財務指標項目の説明|日本政策金融公庫

前年との比較は、表の名前と計算対象を一致させてください。前年同日比を同じ日付で計算すると、曜日が変わります。同じ曜日に合わせた比較を作るなら、比較対象の日付を表に残します。前年の売上がない新店や、比較対象日の売上がゼロの店舗は、比率を算出できません。

経済産業省の商業動態統計でも、季節調整済指数の算出時に曜日・祝祭日・うるう年の要因を調整しています。 参照:Q&A|商業動態統計|経済産業省

自社の店舗比較でも、日付や営業日数の違いを確認してください。数値に差があれば、税や返品の扱いに違いがないかを確認してから、客数や原価などの内訳を見ます。

店舗データ分析の集計を自動化する

システムごとに店舗コードが違う場合は、同じ店舗を対応付ける表を用意してください。集計後の修正をどう取り込むか、いつ数字を見るかも決めておきます。

店舗コードは対応表でそろえる

POS・勤怠・報告Excelで店舗コードが違う場合、どう対応しますか。

岡田対応表を1枚作って、取り込むときに変換します。まずは対応表でそろえ、元のシステムでコードを統一するのは後でよいと考えています。商品名の表記揺れも、つまずきやすい箇所です。

対応表には、POS側の店舗コードと勤怠側の店舗コード、その両方に対応する集計用の店舗コードを並べます。同じ店舗を別々の店舗として集計しないための表です。

修正された数字を取り直す

集計後の修正を自動で取り直す方法と、締め日以降を翌月に含める方法の比較
図2|集計後に元データが修正されたときの2つの扱い方

月初の集計後に元データが修正されたら、どう扱いますか。

岡田後から修正があったら、自動で取り直す方法でよいと思います。締めの日を決め、以降の修正を翌月の集計に含める方法もあります。運用として決める問題です。

返品や値引きが月末にまとまって入る場合も、前日の数字で店舗を比べてよいですか。

岡田その場合も、前日の数字で比べてよいと思います。まだ確定していない分は、未確定として扱う考えです。

比較表を使う側には、未確定の数値と確定した数値を区別して表示します。資料を会議に出す際は、いつ取得した数字かも分かるようにしてください。

毎朝使う人がいるかで頻度を決める

毎朝数字を見る人の有無で、集計頻度を日次か週次・月次に決める分岐
図3|自動集計の頻度を決める判断基準

毎日の自動集計は、どんな会社で必要ですか。

岡田毎朝見る人がいるなら日次にします。まず週次で始め、日次を加えるのは後からでもよいと考えています。経営会議が月1回で日々の判断に使わない会社や、店舗数が少ない会社では、週次・月次の集計も選択肢です。

使い始める前には、後から数字が変わる割合を確認します。もう1つは、1か月分を手作業で集計した結果と比べ、数字が一致するかの確認です。

切り口を変えた店舗データ分析の依頼に、その場で答えられるHyperboard

手作業・CSVをAIへ渡す方法・Hyperboardで、集計条件の変更と統一作業の違いを比較
図4|店舗比較を作る3つの方法の違い

手作業の比較表は、「既存店だけで」「前年同月と比べて」と条件が変わるたびに作り直しになります。CSVをその都度AIへ渡す方法でも、店舗コードのずれや集計条件の違いをそろえるのは、毎回人の仕事です。

弊社のHyperboardは、店舗マスタと取り込む明細の項目をシステムに定義してから使います。全店の数字が同じ定義でそろった状態から分析を始めるため、比較条件を変えるたびにデータを整え直す作業は発生しません。

岡田Hyperboardでは、システム上でマスタや取り込む明細の項目を定義できます。AIを使った分析や、AIによるダッシュボード作成もできます。

比較の切り口は言葉で指示して出し直す

取り込み済みのデータなら、比較の切り口は言葉で指示すればAIが出し直します。「既存店に絞って」「客数も並べて」と言われても、担当者が持ち帰って表を作り直す必要はありません。会議で見るダッシュボードも、AIへの指示で作り直せます。在庫や勤怠など、まだ取り込んでいないデータを足すときは設計の見直しが必要です。

導入の相談には経営層から頼まれた店舗比較を使う

たとえば「前年から営業している店舗に絞り、先月の売上高と客数を前年同月と比べたい」という依頼です。対象店舗を選ぶ条件と比較期間を示せば、自社に必要な分析と取り込むデータを相談の場で確認できます。

まとめ|会議で見たい店舗比較から決める

本部で最初に用意するのは、経営会議で求められた店舗比較の例です。現在の集計表と、その作成に使う元データを並べてください。数字の定義が違う箇所や、手作業で店舗名を読み替えている箇所を確認できます。

自動化を相談する際は、集計後に数字が修正される場面も伝えてください。更新頻度を決める基準は、翌朝の判断に使うか、月次会議に間に合えばよいかです。

弊社へご相談いただく際も、会議で見たい比較と現在の集計方法をお聞かせください。

全店の数字をそろえるご相談

店舗ごとに数字の定義が違うままでもご相談ください

初回MTG:報告Excelの現物を見ながら、集計ルールを棚卸しします。
2回目MTG:御社の数字で作った店舗比較の試作を無料でお見せします。

報告Excelとデータの出どころの確認
御社の数字で作る店舗比較の試作
準備はいまのレポートの現物

データの事前提出は不要です

取材回答/監修
岡田 徹NOVEL株式会社 代表取締役

エンジニア出身。大阪大学在学中から複数のプロダクトを立ち上げ、2019年にNOVEL株式会社を設立。上場企業を含む60件以上のAI導入・システム開発を支援し、見積もりと要件定義は自ら担当する。著書『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)。

公開 2026.10.14|最終更新 2026.10.14
この記事の監修者
岡田 徹
NOVEL株式会社 代表取締役

エンジニア出身。大阪大学在学中から複数のプロダクトを立ち上げ、2019年にNOVEL株式会社を設立。上場企業を含む60件以上のAI導入・システム開発を支援し、見積もりと要件定義は自ら担当する。著書『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)。

NOVEL株式会社

生成AI・AIエージェント・業務システムの開発と導入支援|AI導入の支援実績 60社以上/上場企業から中堅企業まで|2019年設立