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広告レポートの自動化はどこまで必要?実売の照合と予算判断の進め方

最終更新日:

2026.10.14

広告レポートの自動化はどこまで必要?実売の照合と予算判断の進め方

広告媒体の数字を毎週Excelにまとめているのに、経営から実際の売上を聞かれると答えられない。集計を自動化するだけでは、媒体のCVと受注の差を説明できない場合があります。

自動化する範囲を決める前に、経営が見たい数字を確かめてください。経営が見たいのが媒体別の成果か、受注との対応までかで、必要なデータと処理が違うためです。

この記事では、広告レポートを実売に基づく予算判断に使うための自動化の進め方を説明します。

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広告レポートの自動化は3段階で考える

まず、自社に必要な範囲を、媒体の集計、実売との照合、予算判断の3段階で整理します。最初の自動化は、予算判断に必要な表を用意するところまでを範囲にしましょう。

媒体の集計から予算判断までの3段階

必要な段階経営に示したい内容次に確かめること
媒体の集計媒体別の広告費やCV各媒体の必要な項目を自動取得できるか
実売との照合媒体のCVに対応する受注・売上照合できる明細と共通の項目があるか
予算判断予算を増減する際の比較材料確定売上や粗利を同じ条件で比べられるか

岡田媒体の数字を並べるだけなら、無料のダッシュボードで十分です。実売との照合は別に考えます。私の経験では、照合まで市販ツールだけで済んだ会社はありません。予算配分は、照合ができてからの話です。

市販ツール全般に照合機能がないと決めつけず、候補の機能を自社のデータで確認してください。集計できることと照合できることを分けて確かめます。

経営に報告する数字の基準を先に確かめる

作り始める前に、何を決めておく必要がありますか。

岡田経営が見たい数字が決まっているかを確かめます。媒体のCVと実際の受注のどちらを基準にするかは、社長や経営企画が決めることです。

たとえば、媒体の管理画面にある購入件数と、キャンセルを引いた受注件数は区別して載せます。経営向けの報告に使う数字を決めたうえで、元の媒体別CVも確認できるようにしてください。

広告レポートの自動化に使う3つの集計方法

媒体別の広告費やCVを一覧にする段階では、必要な項目を取得し、報告日までに更新できる方法を選びます。無料のダッシュボードを使う場合も、媒体との接続方法は別に確認してください。

表計算への連携、無料のダッシュボード、広告レポート専用ツールの順に、自社に残る作業を確認すると比較できます。

方法確認すること
表計算への連携データの取得から集計表への反映まで自動化できるか
無料のダッシュボード対象媒体の接続手段、必要な指標、接続にかかる費用
広告レポート専用ツール対応媒体、帳票の変更範囲、更新失敗時の確認方法

Google Cloudの公式資料では、データへのライブ接続とCSVのアップロードを区別しています。CSVのアップロード機能は自動更新に対応せず、新しいデータを手動で取り込む必要があります。 参照:データソースについて|Google Cloud

画面を自動更新していても、元のCSVを担当者が毎週差し替えていれば、その作業は残ります。媒体ごとに取得する項目と更新頻度を決め、サンプルで、集計表の数字が媒体の管理画面の数字と一致するかを確かめましょう。接続が止まったときに気づけるよう、表には最終更新日時も載せてください。

広告レポートの自動化で実売と照合する

受注との対応を調べるには、媒体側と受注側の両方で取得できる明細と項目を確認します。媒体別の合計値だけで、1件ずつの受注との対応が分かるとは限りません。注文単位で照合できる範囲を先に確かめてください。

カートの受注一覧と注文番号を確認する

両側で同じ注文番号が取れれば確認できた分、日時と金額から探した候補は推定の分、候補が複数あるか明細が無ければ照合できなかった分として残す
図1|受注を照合するときの分かれ道

通販会社で、媒体の購入CVを実際の受注と照合する場合を想定します。どの受注データを使いますか。

岡田今回の通販会社の想定なら、媒体に一番近いカートの受注一覧を使います。同じ注文かどうかを確かめる項目は、注文番号です。注文番号が媒体側に残らない場合は、注文の日時と金額が近いものを探します。

注文番号での照合には、媒体側とカート側の両方で同じ番号を取得できることが前提です。日時と金額から候補を探す方法は推定なので、同じ注文と確定した件数に含めないでください。候補が複数ある場合や、明細が取得できない場合は、照合できなかった分として残します。

CVの重複と日付・計測期間の違いを調べる

媒体をまたいだCVの重複、CVの日付の基準、計測期間の設定の3点を、媒体ごとに確認する
図2|媒体のCV合計と受注件数がずれる原因

媒体のCV合計がカートの受注件数より多いとき、何から疑いますか。

岡田同じ人が複数の媒体でCVに数えられていることと、媒体のCVの日付とカートの受注日がずれていることを疑います。

Google広告の主なコンバージョン列は、広告のクリック日時を基に集計されます。コンバージョンが発生した日時を基準にする列も用意されています。 参照:コンバージョン トラッキング データについて|Google広告ヘルプ

受注日で集計した表と比べるときは、媒体側でどの日付を使っているかを確認します。比較用の列と、媒体の運用で使う列は区別しましょう。

Google広告では、広告への操作から何日後までの購入などを成果に含めるか、計測期間を設定できます。設定期間の違いによって、記録されるCVの範囲が変わります。 参照:計測期間について|Google広告ヘルプ

各媒体について、購入をCVとしているか、クリック後・閲覧後のどの期間を数えるかを記録します。日付や期間を合わせても、媒体をまたいだ重複が自動でなくなるとは限りません。CV合計をそのまま受注件数にしないことが必要です。

ひも付かない売上を残し、過去の傾向を確かめる

岡田どの媒体にもひも付かない売上は、媒体なしとして別に数えます。予算判断に使う目安としては、過去2〜3か月分で、媒体の数字と実売が同じ傾向になっているかを見ます。

媒体なしの売上には、広告の影響が不明な分も含まれるため、影響がなかったとは断定できません。照合できていない売上として残し、媒体別売上へ任意の比率で割り振らないでください。

2〜3か月は岡田が挙げた確認の目安です。傾向の確認に加え、個別の照合と広告効果の検証が必要です。報告表では、注文番号で確認できた分、推定の分、ひも付かない分を分けて示します。

広告レポートの自動化で予算配分を判断する表を作る

予算配分に使う表には、広告費と実売に加え、顧客区分や売上の確定状況を載せます。新規の獲得と既存顧客への販売を分け、同じ期間の数字で比較してください。

新規と既存を分けて比較するための4項目

新規と既存の内訳、確定売上、粗利、比較する期間の4項目を、取得の前提とあわせて確認する
図3|予算配分を判断する表に載せる項目

経営が予算を増減する媒体を判断するには、どの項目が必要ですか。

岡田媒体別の広告費と実売に加えて、必要な項目は次の4つです。

  • 新規と既存の内訳
  • キャンセルを引いた確定売上
  • 売上から原価を引いた粗利
  • 週や月など、比較する期間

新規向けの広告と既存顧客向けの配信を同じ表で比べるのは避けます。新規と既存で表を分けます。

表を作る前に、新規と既存を判定する条件を決め、受注データから区別できるか確かめましょう。媒体名だけで新規・既存を決めず、区分できない受注は不明として残します。

粗利を載せる場合は、受注に対応する原価のデータも必要です。必要な列のうち取得できないものを洗い出し、売上だけで予算を判断する表になっていないかを確認してください。

前月と比べるときは、売上の確定状況と他の施策を確認する

予算を変えた効果は、いつの数字と比べますか。

岡田前の月の同じ媒体と比べます。ただし、予算を増やした月にテレビCMも打っていたら、他の要因と切り分けられないので、広告の予算を増やした効果とは言えません。

前月比の表には、予算の変更日と同時期の施策を記載してください。

Google広告には、返品やキャンセルを反映するため、記録済みのコンバージョンの価値を修正したり、コンバージョンを撤回したりする仕組みがあります。 参照:コンバージョンの調整について|Google広告ヘルプ

比較表でも、確定分と未確定分を区別しましょう。後から変わった売上を再取得する方法と、いつの時点の数字かを表示する方法を設計します。具体的な確定時期は、自社の返品・キャンセルの扱いに合わせて決めてください。

広告レポートの自動化を自社向けに設計する

現在の集計表・受注明細・経営が見たい比較表を並べ、既製の方法で取得・計算できる項目を確かめ、足りない処理だけを開発の対象にする
図4|自社向けの開発範囲を決める手順

開発を検討する前に、現在の集計表、受注明細、経営が見たい比較表を並べます。既製の方法で取得・計算できる項目を確かめ、足りない処理を開発の対象にしてください。

岡田作る前に確かめたいのは、どんなことを分析して何を得たいのか、経営が見たい数字が決まっているかです。

たとえば、媒体別売上を商品別にも見たいなら、受注明細に商品を区別できる項目が要ります。見たい比較と必要なデータを対応させると、連携や計算が必要な箇所を開発担当者に説明できます。

上司への提案では、毎週残っている作業と、自動化後に出したい表を対応させましょう。開発範囲が決まる前に、費用や導入期間を一律に見込まないでください。

まとめ|必要な段階と、次に確認するデータを決める

まず、経営が見たい数字を1つ確かめ、現在のレポートで答えられるか見てください。実売まで説明したい場合は、カートの受注一覧と媒体側の取得項目を確認します。

注文番号で確認できた分、推定の分、ひも付かない分を区別しておけば、報告時に数字の根拠を説明できます。予算配分を検討する表には、新規・既存の区分と売上の確定状況を反映しましょう。

次の作業は、現在の集計表に必要な項目を書き足し、取得できていないデータを特定することです。

広告と受注の照合のご相談

注文番号が媒体側に残っていなくてもご相談ください

初回MTG:いまの集計表を見て、既製ツールで足りる範囲を分けます。
2回目MTG:御社の受注データで作った照合レポートの試作を無料でお見せします。

媒体の数字と受注一覧の突き合わせ
注文番号で確認できた分の試作表
事前のデータ提出なし

照合できない売上が多い状態からで構いません

取材回答/監修
岡田 徹NOVEL株式会社 代表取締役

エンジニア出身。大阪大学在学中から複数のプロダクトを立ち上げ、2019年にNOVEL株式会社を設立。上場企業を含む60件以上のAI導入・システム開発を支援し、見積もりと要件定義は自ら担当する。著書『2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術』(C&R研究所、2024年)。

公開 2026.10.14|最終更新 2026.10.14
NOVEL株式会社

生成AI・AIエージェント・業務システムの開発と導入支援|AI導入の支援実績 60社以上/上場企業から中堅企業まで|2019年設立